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約10年経った今では私の「御守り」となっています。社会人1年目、心に残っている2つのお叱りの言葉。

前回のコラムで、息子のプロレス技「こけし」をご紹介した中島です。

1歳児の身体能力は益々向上。でんぐり返しをマスターしました。たった1カ月間でできることが増え続ける我が子を見て、この1年間で私ができるようになったことっていくつあるかな、と焦りを覚えます。社会人になってからは「できるようになって褒められること」よりも「できなくて怒られること」の方がむしろ多いよな、なんて思います。そんな切ないことに気付いてしまったので、今回は「社会人1年目に怒られて心に残ってる2つの台詞」をご紹介します。

私はリクパーに入社する前、新卒入社の新聞社で記者をしていました。ヘラヘラした大学生スイッチがまだ切れていない社会人1年目の頃は、社内外の方にそりゃ~~~もう怒られる日々。言われたことに落ち込んだり、恥ずかしくなったり、ムカついたりしました。愚痴り合いの飲み会を同期と何度開いたことか。でも今思えば、指摘されて良かったことの方が多いと思っています。

■「現場で何してたんだよ」

警察担当をしていた頃、早朝にとある事件が起きました。現場に真っ先に行った私。捜査状況を幹部に教えてもらおうと、すぐ警察署へ移動しました。質疑応答が始まり5分程経ったころ、幹部が私をギロリとにらみつけて言いました。

「君さ、現場で何してたんだよ?何を見てきた?気づいたことないの?質問のレベルが低いんだよ」

当時23歳。相手は千軍万馬の超強面おじさん。震えあがりました。私が半べそモードになったことを察した幹部は、ヒントをくれました。

「もう一度現場に行ってこい。目ぇかっぴらいて、気になることを片っ端から見つけろ。どんなことも現場に答えがあんだよ」

この時から、仕事では「観察する」ということをなるべく意識するようになりました。現場にどんなものがあるのか、どんな匂いがするか。そこにいる人達の格好、話す内容、持ち物…。

自分の五感で得た情報をまずは信じるようにしました。業界も職種も当時から全く変わりましたが、今も通じるものがあると思っています。商談で目の前にいるお客様の仕草、何を特にメモしているのか、どんな言葉をよく口にされるのか。相手の方の背景が少し分かりやすくなる気がします。

■「共通言語を持ちなさい」

新人時代、仕事相手との会話がどうもうまく弾まないのが悩みでした。どの業界にも言えますが、若手の頃は仕事相手が一回り以上年上であることは珍しくありません。私は年長者へのヒアリング力を持っていませんでした。学生時代の私が日常的に話していた年上といえば、大学の教授と先輩。あとはバイト先の社員さんくらいでしたから。そんな時、先ほどとは別の警察幹部に諭されました。

「いろんな経験をして知識の引き出しを増やしなさい。相手との共通点を見つけやすくなる。共通言語を持てば話の突破口になる。」

この方はお仕事柄、色々な事情を抱えた老若男女から話を聞き出すプロ。ふむふむなるほど。確かに共通のネタがない相手との会話なんて楽しくない。上手くいかないわけです。

「今の君は武器を増やす時期だよ。20代は愛嬌があれば、アホな失敗をしても大抵のことは何とかなる。でも30代からはそうもいかなくなってくる」

たしかに「社会人1年目です!」と笑顔でハキハキと言うと、初対面の掴みは大体いけました。「平成生まれです!」も効果抜群でした。今の就活生は平成どころかミレニアム生まれ。私の鉄板ネタはもう古い。かつて頂いたアドバイスが、今身に染みています。初対面の方と会話をするときは、観察し、そこで得た情報に関連する自分のネタ(経済ニュースから芸能ゴシック、うんちくでも自分の経験談でも何でもOK)を選び、スピーディーに会話を広げたり深堀りしたりする脳みその瞬発力が、必要なのだと思います。

言われてから約10年。今でも、この2つの言葉はふとした時に頭をよぎります。もはや「御守り」のようになっています。自分がどれだけできているか自信はありませんが、大切にしていきたいなと思います。

3回目の執筆がもしあるなら、今回書こうか迷った「『棺桶に入れてくれ』と夫に遺言として伝えているいるほど好きな漫画の名言集」でもご紹介したいなと思ってます。誰得(笑)

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