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オフォスの香りを科学する

人事の笠松です。従業員が気持ちよく働く環境を作るのも人事の大切な仕事。そんな環境づくりについてひとつのエピソードを共有します。ある日、従業員からこんな声がかかりました。


「会議室にアロマを導入したい!」


この提案を受けて私は内心悩みました。

会議室はオフィス内でも公共性のある場所で香りには好みがあり、1つの香りを導入するのは難しいのではないか。でもせっかくの前向きな提案を「よくわからないから」と断るのも人事としてどうなのか。


そこで客観的に導入をするメリットがわかるようにある実験をしてみることにしました。


(実験1) 名付けて「マイナスの潰し込み実験」


この実験では香りがもたらすマイナスの影響を確認します。気分を害したり、不快に思うメンバーがいると本末転倒なので、まずはマイナスの影響がないか確認します。


実験内容

・1週間社内の特定の会議室にアロマを設置

・アロマは隠れた場所に設置し告知はしない

・使用する香りはレモンバーベナ

・この香りはリラックス効果、ポジティブな気持ちにさせる効果があると言われている

・期間中に会議室を利用した従業員へアンケートを実施する

・アンケートの設問は「会議室の総合的な快適さについてどうでしたか?」で10段階評価をさせる

・10段階評価でネガティブだと捉えられるのは1~4を選択した場合。


実験結果

・期間中41名が対象の会議室を利用。

・アンケート回答者は29名

・ネガティブ率は6.8%だった。

・相対的に評価をするために香りのない他の会議室でアンケートとると結果はネガティブ率16%だった。


ここからレモンバーベナの香りがあるほうが、そうでない場合と比較して2.3倍快適であるというアンケート結果が得られた。また香りがマイナスに働いているという兆候は確認できなかった。


よし!!!!!!これは素晴らしい結果だ!!!!


でも本当にこれだけでいいのか?香りにはもっとプラスの効果があるのでは?

そこで予定になかった新たな実験を行うことにしました。



(実験2) 名付けて「香りが引き出す潜在効果実験」

この実験では香りがもたらすポジティブな影響を確認します。


実験内容

・集中力を確認するテストを香りの影響下と、そうでない環境下でそれぞれ同じ人に受験してもらう。

・受験者は社内からランダムに選定する。

・テストは以下のものを使用する。



・会議室を2つおさえ、1部屋にはアロマを設置し、1部屋には置かない。

・集中力テストは1回目用と2回目用で設問を変え2種類用意し慣れのバイアスを抑える。

・1回目の受験と2回目の受験で解き方について慣れのバイアスがかかるので、受験グループを以下の通りA郡とB郡に分ける。

A郡 1回目:香りなしの部屋で受験 → 2回目:香りありの部屋で受験

B郡 1回目:香りありの部屋で受験 → 2回目:香りなしの部屋で受験



実験結果

A郡 8名受験 2回目のスコア上昇率 平均106.1%

B郡 9名受験 2回目のスコア上昇率 平均100.7%

ここでテストの解き方の「慣れのバイアス」を除く計算を行います。

a=香りでの上昇率

b=慣れでの上昇率

A郡の人たち 1回目 : x 2回目 : abx 上昇率 : 106.1

B郡の人たち 1回目 : ax 2回目 : bx 上昇率 : 100.7

ab=106.1

b/a=100.7

a=100.6/b

b=100.6/a

a=√(106.1/100.7)

b=√(106.1*100.7)

a=103.3647425

b=103.4155298

慣れによる結果の上昇率は103.4%

香りによる結果の上昇率は103.3%


この実験を通して慣れの要素を差し引いても香りには集中力に対してポジティブな影響がある可能性が高いことがわかりました。この結果を導くきっかけを作ってくれたりRIKIさん、そして多忙でありながら社内アンケートや集中力テストに協力してくれた多く社員へ改めて感謝の意を表したいです。今後は五感にやさしく働きやすいオフィスを作っていけたらと思っています。


試験的にフリースペースに導入したアロマディフューザー

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