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役員は一機能でしかない。コインチェック経営陣の覚悟と一体感

コインチェックでは、昨年11月に社長が交代し、執行役員の体制も変わりました。

意思決定のスピードをより速め、攻めに転じると決めたこの1年間、コインチェックでは、これまで強化していた新規通貨の追加や機能改善などに加え、新規事業を複数開始しています。

新規事業を始める際には、どうしても必要なのが「経営の意思決定」ですが、今回は、役員間の一体感あるコミュニケーションや経営陣の覚悟をご紹介します。

今回の登場人物

たった30分の会議で新規事業の開始を決定

大塚:思い返せば、この一年社長交代をはじめ、執行役員の体制もずいぶんと変化しましたね。コインチェックの経営陣はどうあるべきだと考えていますか?

竹ケ原:基本的には役職は組織運営上の機能にしかすぎないと思ってます。ここは創業当時から通ずる部分だと思うのですが、お客様やサービスに向き合っているのは現場なので、現場の判断や意見を基本的には尊重しています。規模が大きくなっても、日本の大手企業によくあるような役職が権威性の象徴になってしまうことは避けたいですね。

天羽:覚悟をもって誰よりもマーケットと事業の事を考え抜き、最終的に当社が進むべき方向を明確に示す役割であるべきだと思います。ただしトップダウンで落すだけではなく、ボトムアップを吸い上げる組織風土があるのもコインチェックの良いところだと思います。

具体的にいえば、NFTマーケットプレイス事業も、2019年の年末あたりに若手エンジニアから出てきたアイディアの1つなんですよね。

NFTは事業としての可能性を感じるし、コインチェックのカルチャーにも合う、ただ当時は対応しなければいけない開発案件も多く、すぐにNFTの開発を進めるのは難しい状況でした。できないことは分かりつつも考えれば考えるほど諦めきれず、その若手エンジニアと勝手にビジネス構想を固め始めていたんです(笑)

ニール:devサイドでは、通常、期初にロードマップを作成しています。ある程度バッファは見ているものの、新規の事業となると相当のリソースが必要になってしまうので、すぐにというのは難しかったのですが、ある案件のスケジュールが後ろ倒しになったので、開発リソースに余裕ができました。なので、毎日30分実施している執行役員夕会で何をしようかと相談したんです。

天羽:その際に、すかさず考えていたNFTマーケットプレイスの構想を提示しました。その場で、役員全員でNFTビジネスに関して議論することができ、すぐに資料をまとめて役員会で決議し、NFTマーケットプレイス事業を開始することになりました。

竹ケ原:NFTは資金決済法上の暗号資産には該当せず、会計においても取扱いが不透明な部分も多いんです。ただ今回の場合、リサーチ段階から話せていたので会計/税務/リスク管理等について監査法人や弁護士事務所と意見交換する際に新規事業開発部メンバーとハンズオンで対応しました。

これまでにない新たな領域で新規事業を立ち上げる際には、bizサイドがスキームを独断で決めて進めてしまうと、後に他の部署で問題となり、想定外のコストが生じることも多いと思います。

当社では夕会などのミーティングを通してかなり事前に、バックオフィスもbiz/devと情報やマインドを共有できるのですごく仕事がしやすいですね。

大塚:そういえば、和田がバーチャル株主総会運営支援サービス「Sharely」をコインチェックでやるかどうか一晩悩んで「やる」と言った時も、夕会で話して「まずはやってみよう、和田さんがやるならいけるかもしれないね」となりましたね。夕会がとても重要な情報共有の場になっていますよね。

ニール:毎日実施している夕会のおかげで、質・スピード・カバレージ、全てにおいて役員間の情報共有が徹底されていると思います。

天羽:竹ケ原さんも言っているように、顧客やサービスに向き合っているのは現場です。経営陣の中で非効率なコミュニケーションやまとまりのなさで、現場が混乱して空気が悪くなったり、やりにくくなったりしてまうことは避けたいと思っています。

また、我々の業界は本当に日々変化をしているので、意思決定スピードの遅れは会社として致命的なダメージを負ってしまいます。経営層が全体像を正しく把握して、必要な議論をすることで合理的かつスピーディに意思決定をしていけるのではないかと考えています。

とある日の役員会の様子。※和田はSharelyの開発に集中している期間のため不参加。

社長がコミュニケーションのハブとなり、会社のベクトルを合わせる

大塚:夕会などでのコミュニケーションを見ていると、蓮尾さんは「エミアブルタイプ(温厚型)」で、各役員に意見を問いかけ、意見に耳を傾け、意見を尊重し、各役員の主体性を引き出し現場が様々な案件を進めやすいようコミュニケーションのサポートをして一体感を強めていますよね。

竹ケ原:蓮尾さんとは、全員1on1をやっていて、様々な相談をしています。時には部署間の連携がうまくいかないこともあるのですが、そういった際に社長がコミュニケーションのハブとなり役員間のつながりを築き・強固にし、役員をうまくコーチングしながら、全社のベクトルを揃えていますね。

天羽:たしかに、”社長が絶対”という感じではないですね。現場の意見を実現しつつ、会社としてNGラインを越えないよう調整して、その中であれば各々自由に考えてくださいというイメージですね。

大塚:和田は自らの成果でみんなを引っ張るタイプだったので、元々コインチェックには新しいアイディアをどんどん出して、実行していくという文化がありました。組織が大きくなり、経営陣が変化した今でも、この文化は受け継がれていて、ちゃんとカタチになるような組織の仕組みになっていると思いますね。

ニール:技術やシステムと切り離せない部分が多い当社のようなビジネスでは、わからない人が独断で決めてしまうと、現場が非常に困るケースが多と思います。蓮尾さんの場合、自分はもちろんですが、現場のエンジニアの意見もちゃんと聞いて、ある程度任せるということをしているので、現場は動きやすいのではないかと思いますね。

自然と一つの方向を目指せる経営陣の関係

大塚:振り返るとこの1年、コインチェックにとって新たな一歩を踏み出せたのかなと思っています。暗号資産の取扱い数はNo.1になりましたし、アプリダウンロード数もNo.1を維持している他、IEO事業やNFTマーケットプレイス事業、バーチャル株主総会事業Sharelyなど、新たな事業に関するプレスリリースの本数も多かったです。経営陣でも本当にいろいろなことを話しましたね。

天羽:直近ビジネスについて、ヒートアップするくらい真剣に話していることがほとんどですが、経営陣でも緩い会話をすることもありますね。

竹ケ原:例えば、採用や人材育成の話になった際に、部室長をはじめとするマネジメント層は、スキルの高さも大事だけどチャーミングさも大事と話していたのですが、果たして我々経営陣はチャーミングなのかという話をしましたね(笑)

ニール:結果的に、全員一致で我々はチャーミングであるとなりましたね。社長交代をうけ、新体制を築くのに役員合宿もやり2日間みっちり話し合ったりもしましたし、緊急事態宣言が発せられた際には、リモート飲み会もやったりしましたね。

大塚:リモート飲み会もやりましたね。1年間の思い出話をすると話が尽きないので、そろそろ、締めにいきましょうか(笑)。この記事はWantedlyに出しているので、読者は転職を検討している人も多いと思います。そのような人たちへメッセージをお願いします!

天羽:最近、暗号資産業界は非常に盛り上がっています。これは価格上昇により市場が活気付いていると言うだけでなく、業界全体としてルールが整備され対応しなければならないことをしっかり対応し、実際にユースケースが出てきたこともあり、次のステージに行くための準備が整ってきたことも1つの要因だと思っています。

当社では、これまでの取引所事業単体ではなく、IEO事業やNFTマーケットプレイス事業などの新たな取り組みにより事業を多角化するための準備をしていますが、インターネットのサービスが普及してきた時のように、ブロックチェーンにもこれまでに無いような新しいサービスが次々と誕生して来るのではないかと思っています。なので、この技術革新によって新たなユースケースが出てき始めている今、暗号資産業界に飛び込むのは絶対楽しいと思うんですよね。

ニール:作りたいサービスや追加したい機能のアイデアは次々に出てきて、今すぐにでも開発に取り掛かりたいところですが、現状はエンジニアが足りないので泣く泣く諦めている状態です。

ほんの少しでもコインチェックに興味を持ったり、暗号資産やブロックチェーンに可能性を感じていたりする方であれば是非、気軽に話だけでも聞きに来て欲しいです。

竹ケ原:そのためにも、会社の舵取り役である経営陣が常に一体感と強い覚悟を持ってやっていきたいですね。

最初にも話しましたが、我々経営陣は”一機能”であり、現場が「やりたい」「必要」と思うことを一緒に実現するために存在していると思っています。従業員が可能な限り本質的な業務に集中できるような環境づくりはしていきたいです。

それから、人事担当執行役員としては、現場の人たちが輝けるような制度やカルチャーを創っていきたいです。

大塚:たしかに、このような流れの早い業界では、経営陣が一体感と強い覚悟がなければブレてしまいます。

自分から見てもコインチェックの経営陣は、すごく一体感があるなと思っています。単に仲が良いとかでは無く、言いたいことは遠慮せずに言い合うことができたり、ここぞと言う時にスムーズに連携が取れていたり。それでいて、この関係性を保つために誰かがすごく無理をして調整しているわけではなく、みんな自然体なんですよね。なんと言うか心地よい関係ですね。

ぜひ、この話を読んでコインチェックのチャーミングな経営陣や組織に興味を持った方は、同業の方はもちろん、他の業界の方も是非話を聞きに来て欲しいです!

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