Takumi Furukawa Profile - Wantedly
Director/manager 2014年新卒でNagisaにジョイン 動画系のアプリをたくさん作ってますー ▼ 代表作 『SLIDE MOVIES』『GOODTIME』『SeaCamera』『POPS』 『おさんぽハローキティ』『おでかけマイメロディ』など
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2011年にインターンとしてNagisaに入社して、現在FanTech事業部のマネージャーの古川さん。数多くのアプリを生み出してきたアイデアマンがいま最も注力しているのがライブ配信サービス「ONSTAGE」。そのルーツとコロナ禍で起きたことについてインタビューしました。
古川:FanTech事業部は 多くのファンを持つキャストとの方とファンの方々をテクノロジーの力で結ぶサービスを作る事業部です。
現在はライブ配信サービス「ONSTAGE」の運営を中心として、アプリの制作はもちろんですが、番組の制作、またその番組のイベントやグッズのプロデュース、俳優さんを起用したWeb広告などのプロデュースも行います。
配信するキャストは男性の2.5次元俳優さんと声優さんに絞っており、主に女性の方々に楽しんでもらえるサービスづくりをしています。
古川:ファンの熱量に対して、市場、メディアが追いついていないのでは?と思ったからです。
SNSを見ているといわゆるテレビに出演している俳優さんのツイートとかよりも、2.5俳優さんや声優さんのツイートの方が圧倒的にエンゲージメント(RT数やいいねの数)が高いんですよね。もっと広告のお仕事とか、番組とかに露出していていいはずなのに、まだまだ機会を提供する側が気づけていないなと思いました。
一方で2.5次元俳優さん側のことを考えると、彼らは基本、稽古と舞台の繰り返しです。1ヶ月稽古して、1ヶ月舞台をする。予めガッツリとスケジュールをとられるので、その間に露出をするのは難しいですし、1公演でいくらというギャランティ形態である場合が多いので、収益的にも苦しいタイミングがあります。ただ機会を作るだけでなく、それらを解決できるサービスを作ろうと思いました。
また、稽古や舞台は終わるのが21時とか22時すぎ。そこからスタジオに入って配信を行うのはきついと思います。また、地方公演の際はスタジオが近くにないので配信ができない状況でした。そんな忙しい俳優さん達が、時間にとらわれず配信できるサービスになったらいいなあと思いながら作りました。
古川:「ONSTAGE」では番組ごとに、チームの中で担当プロデューサーを立てています。担当の意向に合わせて番組内容を決めているので、内容は様々です。
キャストに合わせて、テレビ番組っぽくやることもありますが、僕自身はラジオのようにゆるっと話すのが面白いと感じているタイプなので、僕が担当のものはゆるっとした配信が多いかもしれません。
ちなみに僕が好きなラジオは、木曜ジャンクのめがねびいきです。(笑)
大枠の企画はこちらで考えるものの、メインであるキャストの俳優さんや声優さんと一緒に番組を作っていきたいので、割と自由に配信してもらっています。なので、キャストのテレビや舞台では見られない一面を見れるんじゃないかなと思います。
コメント欄の盛り上がりをリアルタイムで見ているのは、運営チームとしてもすごく楽しいです!
古川:新型コロナウイルスが流行りだしてしまい、僕らの事業でも大きな割合を占めていたイベントが全部飛んでしまいました。更にスタジオでの収録もできなくなってしまい、瞬間的に売上が0になりました。
一方で俳優さんたちも主な収入源である舞台の公演やファンミーティングなどのイベント、テレビ収録などがストップしてしまい、大変な状況だという声も聞いていました。
僕らとしては、そのときONSTAGEに関わってくれているキャストの方々はもちろん、同じような境遇にいる他の俳優や声優の方々も支援できることはないか、と日々メンバーと話していました。
わいわいとアイデアを出し合って企画作りすることもあったため、自分たちにとっても厳しい状況になっていたそう
まず初めに今までの制作・配信スタイルをすべて見直しました。キャストの自宅でのライブ配信を始め、打ち合わせから配信まですべてをオンラインで完結する番組制作にシフトさせました。通信の問題だったり、配信機材だったりの問題もありましたが、郵送で必要機材をキャストさんに送って、なんとか解決しました。
またあえて閉鎖的にしていたONSTAGEを、2.5次元舞台を演じている方や声優さんへ向けて広く解放し自由に配信できるようにし、さらに配信した番組の売上の7割をバックするというプレスリリースも打ちました。
それがSNSなどで拡散されて、キャストさんがあれよあれよと集まり、1ヶ月で100番組以上配信が行われました。番組内容も自宅からの配信だったので、かなりレアなものが多かったと思います。
古川:そんな中、仲の良い俳優さんが「自粛ムードで辛そうなファンのみなさんを、少しでも励ましたい!」と、50日間連続でライブ配信をしてくれることになりました。しかも、毎日違うゲストで。
正直最初は、ゲストのキャスティングが厳しそう…と思っていたのですが、事務所の社長さんとマネージャーさんが物凄く頑張ってくれて、なんとか50日間走りきりました。
同業者であるニコ生さんとコラボをしてニコニコ超会議と同時配信をしたり、とんでもない豪華キャストに出演して頂き、めちゃくちゃ盛り上がりました。
期間終盤では視聴者の方々から「本当にありがとうございました」という感謝の声や「辛い中、活力になりました」といったコメントをたくさんもらうことができ、嬉しかったですね。
システムを解放することは、マネージャーである古川さんにとってはひとつの大きな決断だった
大成功したこの企画はキャストである俳優さんがファンを想って申し出てくれて、そしてこの状況下だからこそ実現したものなのかもと思うと、僕らにとっても辛い時期ではありましたがONSTAGEのシステムを解放してよかったなあと思いました。
古川:最近ではありがたいことに事務所側からお問い合わせを頂くようにもなってきたので、このタイミングで番組数をさらに増やしたいなと思っています。オンラインイベントもやりたいですし、新規サービスも計画中です。
なので、2.5次元の世界観が好きで面白い企画を作りたい!という方にはぜひONSTAGEに来て欲しいですね。もちろん、テレビの制作経験や、YouTubeチャンネルの運営経験がある方なども大歓迎です。
芸能事務所でデザイナーを抱えている事務所って滅多にないでしょうし、エンジニアを抱えているところなんてより少ないと思います。一方僕らはあくまでもIT企業で、そこに強みをもっています。
番組制作をしているメンバーが、ここまで密接にサービス開発にも携わっている企業って他にないと思うんですよ。そういうところに面白みを感じてくれる人が興味を持ってくれたらと思います!
会議はフラットに意見を出し合うことを意識しているそう