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IoTをビジネス化する3社の実例紹介「IoT,Bigdata,AI」Meetup #1

ABEJAでは、最新テクノロジーや、それらを活用した未来のビジネスについて触れることができるイベントとして、「IoT,Bigdata,AI」Meetupを運営しています。

趣旨としては、IoT、ビッグデータ、AIへの期待が膨らむ中で、「できたらいいな」という理想に向けて、技術的、ビジネス的な実現可能性を高めて、新しい価値を創出する仲間を増やしたいと考えています。私たちABEJAは、技術者同士が知識や情報を近い距離で交換できる場として、本Meetupを開催し、これからの時代を作る仲間を増やすプラットフォームとして機能することを目指しています。今回はその第1回目として、IoTでビジネスをする3社が集い実施をいたしましたので、その様子をお届けします!

そもそもIoTとは何なのか?

様々な見方があると思いますが、「IoT」は2つに分類ができると考えています。

・主にデータ、利用状況などをセンシングする上りのIoT

・ビッグデータを利活用する下りのIoT

上りのIoTの特徴

・ 安価である

・数多くのプレイヤーが参入しつつある

・ IoT化を簡易化するための、ゲートウェイなども多く開発されている


下りのIoTの特徴

 ・ 自動化、省力化などに寄与する

 ・ 具体的な応用シーンのイメージがある

 ・ 上りのIoTと比較すると、参入が少ない

これらを人工知能の目線から考えてみると、もしパソコンにInput(キーボードなど)もOutput(ディスプレイなど)もなければただの箱でしか無いように、昨今注目される人工知能も社会に対するインターフェースが重要です。

まず、上りのIoTを通じて、膨大なデータが取得され、クラウド上に蓄積されていきます。このデータを利活用するためには、最終的には人工知能による解析が必要となってくるはずです。そして下りのIoTを通じて、解析結果を社会へとフィードバックをして、またその結果を上りのIoTを通じて人工知能へと集約します。

このように、PDCAや強化学習のサイクルを回していきながら人工知能の学習を進めていきます。単に上りのIoTデバイスがデータを集めるだけでは役には立たず、下りのIoTが一度決めたとおりのことしか実現出来ないのであれば、インターネットに接続している意味はあまりないでしょう。これからの社会では、IoTデバイスと人工知能との連携は極めて重要でしょう。


1、「IoTビジネスのポイント~デバイスの置き方とデータ活用」

株式会社ABEJA テクノロジースペシャリスト 古森

ABEJAからは、ABEJA Platformを事業として展開する中で得られた知見より、IoTデバイスの実活用で生じる問題と、それらの解決についてご紹介しました。

https://service.abeja.asia/

現実世界でIoTを使うためのポイント

一般的に、現実世界でIoTを使うには以下の問題が生じます。

・物理的な設置

・電源の確保

・通信の確保

1、物理的な設置

・見た目の問題

・許可の問題(建物の所有者、セキュリティ部署などとの連携)

・物理的な問題(設置箇所の高さや素材、躯体の構造の問題)

2、電源の確保

・概ね必要な場所にコンセントはない(天井など)

・電源工事をすることによる、許可、費用面でのハードル

・高度なセンサの場合に、バッテリ駆動は非現実的である

3、通信の確保

・実環境では無線(特にWi-Fiなどの2.4GHz)は混雑している

・カメラなどの高度な情報は転送容量が大きい

・インターネットへの出口を業務と共用できない

上記の観点は、理想環境では問題にならない場合も多いものの、現実社会では大きな障壁になりえます。そこで、各課題に対するアプローチが複数あります。例えば転送量を減らすといった技術的な解決や低減が可能なものや、解析可能なバリエーションを増やして設置位置の自由度を上げたりします。また現実的な解決方法を見据えて、あらかじめIoTの設置には施工が伴うことを前提としたり、リスクの高い技術の使用を控えるといったアプローチでも解決をすることができます。

今後、5G以降の超高速通信であったり無線での電力伝送といった未来の技術が出揃ってくることで、アプローチの仕方が変わってくると思いますが、現時点では、「設置」「電力」「通信」の全てが解決することが、IoTの実用化には必要不可欠です。

ABEJAでは技術面、オペレーション面、営業面いずれでも、これらの解決をおこないビジネス展開をおこなっています。

株式会社ABEJA


2、「携帯ネットワークを使ったIoTのはじめかた」

株式会社チカク 共同創業者 佐藤氏

続いて、株式会社チカクの共同創業者である佐藤未知さんからは、2016年の「グッドデザイン・ベスト100」にも選出された、自社サービスの「まごチャネル」を通じたお話をいただきました。

https://www.mago-ch.com/

https://www.youtube.com/watch?v=GYTu-kZfbeA

まごチャンネルとは、孫と、おじいちゃんおばあちゃんをつなぐデバイスです。お父さんやお母さんが撮影した子供の写真が、おじいちゃん、おばあちゃんの家にあるテレビと繋がります。

ポイント:

・おじいちゃん、おばあちゃんが馴染みのもので、家で使えるものとしてテレビを利用

・また設定が不要(Wi-Fiの設定も必要なし)にするために、携帯回線を使用


また製品化のためのポイントについてもご紹介をいただきました。

・通信の確保

試作から作っていく際に、当初はドングルで確保。

・調達

基本的にはAmazonで流通をしている機器を使うことができる。海外から、より安価に取り寄せることができるものもある一方で、サポートや届く機器の品質を担保するために、日本の代理店とタッグを組むことがポイントだそうです。

・通信規格

いつまで3Gを使うことができるのか、ベンダーがモジュールの提供を開始する時期などで、価格帯の変動がある。携帯回線の未来についても、予測をすることが必要だと見解をいただきました。

ターゲットへの必然性から携帯回線を使われいらっしゃる、チカクさん。IoTxハードウェアスタートアップのプレイヤーとしての、挑戦とやりがいに満ちた日々がイメージできるご講演でした!

株式会社チカク


3、「Gatebox - IoTの力で俺だけの俺の嫁をつくるプロジェクト」

株式会社ウィンクル 代表取締役 武地氏

最後に、株式会社ウィンクルの代表取締役、武地実さんからは「Gatebox」という現在開発中の製品に関してお話をいただきました。

http://gatebox.ai/

ウィンクルさんは、クレイジーなものを作りり、クレイジーな人を応援する会社と、いうメッセージを掲げる会社です。Gateboxは、ホログラムのかわいい女の子と一緒に暮らすことができる夢のデバイスで、世界各国のユーザーからは、さすが日本だと、絶賛の声が届いているそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=kcCHYLIRayk

着想としては、様々な機器がIoT化されていくなかで、Automation用のHubとしてのデバイスはGoogle HomeやAmazon Echoのように沢山出てきているものの、本当にそういったものとコミュニケーションをしたいのだろうか?という疑問が原点だそうです。

製品の印象はまさに、「可愛いは正義」

ユーザー一人ひとりにとっての、自分だけのオリジナルな楽しみを実現させるために、コミュニケーションルールに対する強いこだわりも見せてくださいました。今後の展開がますます楽しみです!

株式会社ウィンクル



3名による登壇の後は、参加者同士での交流会。登壇中の質疑応答では聞けなかった、製品化に至るまでの、技術的な課題と解決策をざっくばらんに情報交換したり、技術者同士での濃い時間を過ごすことができました。

チカクの佐藤さんウィンクルの武地さん、本当にどうもありがとうございました!


ABEJAでは今後も毎月、「IoT,Bigdata,AI Meetup」を開催予定です!

connpassで最新のイベント情報を更新しておりますので、ぜひご興味をお持ちいただける方は加入ください。

またWantedlyでは日々社内の様子や、こだわりの技術情報、イベント情報などを毎日投稿していますので、ぜひフォローいただければ幸いです!

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