2017年5月8日(月)、9日(火)にワルシャワで開催された、モバイル全般をテーマにしたカンファレンス
「MCE 2017」で日本人からただ一人、AbemaTV iOSエンジニアの稲見が登壇いたしました。
2017年9月にニューヨークで開催される「try! Swift 2017 NYC」でも登壇するなど積極的に海外でのアウトプットを行う稲見に、そのきっかけや普段から心がけている習慣について聞きました。
稲見 泰宏
AbemaTV iOSエンジニア。Web制作会社でフロントエンドを担当後、iOSエンジニアに転向。カメラやニュースアプリの開発に携わったのち、2017年3月サイバーエージェント中途入社。
入社後すぐにAbemaTVに出向し、現職。
ーー入社のきっかけを教えてください
やはり「AbemaTV」という事業に勢いと魅力を感じたことが大きいですが、中で使われている技術内容(フレームワークやアーキテクチャーなど)に興味を持ちました。もともと興味のあったRxSwiftやFluxがAbemaTVで採用されていることは入社前にAbemaTVで働くエンジニアのスライドやライブラリを見て知っていましたし、それらを見てAbemaTVで働くエンジニアの層の厚さにも惹かれました。そういった流れで、AbemaTVの開発現場はとても楽しそうだし自分もぜひ力になれるのではという手応えを感じて、入社を決めました。
実際入ってみるとすごくカジュアルな社風で、ベンチャー的な感覚が居心地が良いなと感じます。まずチームが全体的に若くて、アイディアが豊富だったりフラットな関係で気軽にコミュニケーションが取れる点がとても好印象でした。
たとえば入社2ヶ月後に海外カンファレンスでの登壇を控えていたので、入社前に上長に確認したところ、非常に快く参加を後押ししてくださったりとか。また、入社直後に「Abemaビデオ」開発というやりがいのある大きなプロジェクトを任せていただきましたが、肩書きや職種、年次に関係なく気軽に意見を言い合える環境なので、入社後早々にプロジェクトに溶け込むことができました。
ミーティングの数が必要最小限なのもポイントが高いです。また、エンジニア専用の集中部屋があったり、勉強会を定期的に主催するなど、プログラミングを楽しむ環境が整っています。
ーー現在のAbemaTVでのご担当は?
iOSエンジニアとして、主に新機能である「Abemaビデオ」の開発、運営に携わっています。
「AbemaTV」のネイティブアプリはFluxを使っていますが、Fluxだけだとつらい部分もあるので、「Abemaビデオ」では必要に応じてMVVMの構成に変えたり、ハイブリッドな設計にしています。
また、リアクティブプログラミング自体がもともと得意だったこともあり、今は ”RxSwiftをもっと使いやすくする” 工夫を進めているところです。例えば、RxSwiftCommunity/Action を新しく導入してみたり、ReactiveCocoaのアイディアを参考に、RxProperty というものを作っています。複数のフレームワークを知っていると、それぞれの長所と短所が見えたり、新しいアイディアが生まれてくるので、業務の中で積極的に取り入れながらバグを減らして綺麗なコードになるよう心がけています。
ーー先日ワルシャワで開催された「MCE 2017」にはどのような経緯で登壇することになったのでしょうか?
「try! Swift 2016 Tokyo」で登壇した際に仲良くなったスピーカーの方がいるのですが、その方のつながりでご招待いただいたのがきっかけです。「Elm Architecture in Swift」というテーマで英語で登壇しました。
一番最初に英語で登壇したのは2015年にサンフランシスコで開催されたRealmの勉強会。その次が
「try! Swift 2016 Tokyo」ですね。「MCE 2017」が英語での登壇の通算6回目でした。
いずれも人づてでご紹介いただいたもので、振り返ってみると私のエンジニアとしてのキャリアは人とのネットワークの広がりとともに充実していっているなと思いますね。
ーー母国語ではない言葉での登壇はかなり緊張しますよね?
もともと勉強会で数回登壇した程度でそこまでアウトプットに積極的なタイプではなかったので、言葉に関係なくカンファレンスでの登壇自体に最初は緊張していました。
2014年にSwiftが登場して、勢いで作ったライブラリがありがたいことに多くの反響をいただいたことがきっかけで、登壇のお声かけをもらう機会が増えたのですが、人見知りなので練習してもうまく話せなかったりとか。ただそういった反省を生かして、プレゼンテーションのセミナーを受けたりして、場を重ねるごとにどんどん話せるようになりました。
これは海外での登壇だけでなく、日本にいながらのテキストでのアウトプットでも言えることだと思うのですが、英語でアウトプットすると反応やフィードバックの量が圧倒的に違います。見てもらえる層が大きく広がるので、返ってくる情報量に大きく差があるんです。
なので私はスライドもツイートもPull Requestもなるべく英語で書くようにしています。
もちろん日本の技術コミュニティも大好きですし、勉強会にもよく参加させていただいていますが、日本だけに留まらずに世界中のエンジニアとつながって、彼らの文化や考え方を知り一緒に活動していきたいと思っています。
ーー積極的に国外のエンジニアとも交流するようになって、どんな学びがありましたか?
たとえば海外カンファレンスに行けば、ライブラリ一つ取ってもその場に作者がいて、直接会って話したり相談することができます。もちろん日本でも出来なくはないのですが、そもそもエンジニアの母数が違うとか、カルチャーの差による「人柄」や「気さくさ」が違うように個人的には感じます。
一般的なエンジニア像として、人とのつながりを増やしてネットワークを広げていくことに苦手意識を持つ方が多いかと思いますが、交流を通して得られる知見は非常に大きいので、臆病にならず積極的に話しかけていけると自分自身の成長につながると思います。
そういう私も元来人見知りではあるのですが、英語を話すと不思議とスイッチが入って、日本語で話すときよりもはるかにフレンドリーになって積極的に話しかけられるようになるので不思議です(笑)
ーー最後に、今後の展望を教えてください
これまでのキャリアで動画技術に挑戦したことがなかったので、AbemaTVでもっと貢献できるよう先端技術を引き続きキャッチアップしていきたいと思います。
また、新機能を自分から提案するなど、コード以外の部分でも積極的にアプローチしていきたいです。
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