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「AbemaTVの起点が自分たち」と語る、インターネットテレビ局 “編成” の仕事って?

「AbemaTV」を立ち上げたことでこれまでのサイバーエージェントには存在しなかった新たな職種が複数生まれましたが、その一つが “編成” です。24時間365日、あらかじめ決められた番組表に沿って約25チャンネルの番組を放送するインターネットテレビ局には欠かせない編成の仕事。

前例のないインターネットテレビ局というサービスで、「AbemaTV」の編成に携わるメンバーはどのようなキャリアを経てきたのか。そして「AbemaTV」における編成の仕事とは?編成戦略室室長 水野とプロデューサー 升井にインタビューしました。


水野 信之助(写真右)
「AbemaTV」編成戦略室室長。
2007年サイバーエージェント新卒入社。入社後は「アメブロ」オフィシャルブログの立ち上げに参画し、多くの芸能人・有名人のリクルーティングやブログ運営のコンサルティングを担当。2014年4月より株式会社7gogoに出向し取締役に就任し、新感覚SNS「755」のタレントリクルーティングや宣伝に関わる。2016年5月株式会社AbemaTVに出向し、当初は音楽番組の制作を担当。2017年5月の編成戦略室設立と同時に現職。


升井 亮(左)
「AbemaTV」編成戦略プロデューサー。
内定者アルバイトとして、マッチングアプリやEコマースの立ち上げに携わった後2017年サイバーエージェント新卒入社。研修を終えた2017年5月より現職。




「AbemaTV」全体で150%の力が出せるように

ーー「AbemaTV」において編成とはどのような役割を担っているのでしょうか?

水野:「AbemaTV」内の全番組を使って「AbemaTV」の視聴数やダウンロード数、宣伝効果、サービス内の視聴予約数などを最大化することが私たち編成戦略室のミッションです。編成戦略室は現在約30名規模で、CMグループ、グロースストラテジーグループ、リテンショングループ、全体編成グループの4つのグループから成り立っています。

CMグループの目標は視聴予約数。番組と番組の間に最適に番宣動画を流し、そこからできるだけ多くの視聴予約につなげることがミッションです。

グロースストラテジーグループは、「AbemaTV」の中で特に注力している番組の視聴数最大化を目的に、番組制作担当と宣伝、マーケティング担当との架け橋となる役割です。番組を最大限ブレイクさせるため、番組内外の仕掛けを考えています。

リテンショングループではプッシュ通知や「AbemaTV」内外の露出調整を通して、文字通り「AbemaTV」を継続して利用いただけるよう取り組んでいます。

さいごに、編成サイクルの進行管理を行うのが全体編成グループ。「AbemaTV」には常時約25チャンネルあるので、チャンネルごとの編成もチェックしつつ、チャンネル横断で放送番組のバランスをとることも大切です。月ごとの編成方針や今月注力するチャンネルを決めたり、特に夏休みや年末年始などの重要な期間の戦略設計には力をいれています。また番組のパッケージ化や各種キャンペーンの推進も担当しているので、社内外の様々なリソースを調整しながらどこに選択、集中させるべきか検討するのも大事なミッションの一つです。



ーーどのような経緯で編成戦略室が設立されたのでしょうか?

水野:2016年4月の本開局以来、ユーザーの皆さんに喜ばれる番組を提供すべく、目の前のチャンスに必死にトライし続けた1年間でしたが、1周年を迎えたタイミングで番組の力を借りて「AbemaTV」全体で120%、150%の力を出せるようにしていきたいという思いがあったんです。そこで「AbemaTV」全体の編成を見る組織が必要だということで、2017年5月に編成戦略室を設立しました。




どんなコンテンツも楽しめる “ザ・普通” な人が向いている

ーー編成としての具体的な業務について教えてください

升井:夏休みや週末など、その期間中にどの番組に特に注力するのか、関係各所とすりあわせながら決めていきます。その後、その番組にとって効果的な宣伝設計や視聴数を増加させるための施策を詰めていくというフローです。たとえば、この番組であればこれまで「AbemaTV」を視聴していなかった方々にも興味を持ってもらえそうだから、SNSの活用により一層力を力を入れようとか。その後マーケティングチームと目標数値の算出を行い、目標を達成させるために編成や各施策のブラッシュアップを繰り返しながら当日の視聴数最大化に向けて関係者一丸となって動いていきます。

設立からまだ5ヶ月ほどなので、今まさにノウハウを蓄積しているところですね。



水野:編成戦略で特に力を入れているのは各番組の戦力分析です。各番組から得られる想定効果を全て数値に落として、それらをもとにDAU予測を行えるようにしています。

番組を数値化することで、ここが不足しているからこういった番組を制作・調達しようといった形で、より踏み込んだ戦略に落とし込めるようになりました。




ーーお二人ともこれまでテレビ業界での経験は一切無いということですが、すぐに番組編成という役割を担えるものなのでしょうか?

水野:メディアが好きで日頃様々なコンテンツを消費している人であれば、「AbemaTV」においてはすぐに編成に携われると思います。むしろ趣味や好みに偏りのない、 “ザ・普通” のような人が向いているのではないでしょうか。

私自身は、長らくエンターテイメント業界の方々とお仕事させていただいた経験が、今編成の仕事に活きていると感じます。入社後すぐに「アメブロ」の芸能人・有名人ブログの立ち上げに携わっていたこともあり、ジャンルに関係なくタレントさんのファン層を意識して働くことが多かったんです。だから、たとえばアイドルも韓流もヒップホップアーティストも、まんべんなく色々なジャンルのタレントに詳しい方だと思います。そうやって一つのジャンルに偏らずに色々なジャンルの音楽に触れたり、テレビや漫画など様々なコンテンツに触れていると自分の中でおもしろさの "ものさし" ができてくる。選り好みしないでたくさんのコンテンツに触れることで、これはつまらないな、おもしろいなと自分なりの基準ができてくるので、そういった価値観を持つことが編成戦略を立てる上でとても重要です。

一方で、升井は多様なコンテンツに触れるタイプではないのですが、誰に対しても好かれるタイプの人間でコミュニケーションがうまいんです。編成戦略室は関係部署にお願いすることも多く、関係者をどれだけ巻き込んで一丸となり目標達成できるかという点が重要なので、彼はそこが優秀ですね。


升井:新卒研修が終わって編成戦略室に配属された時、「AbemaTV」の基礎知識や各担当者などが全くわからなくて、キャッチアップには時間がかかりました。でも何もわからない状態でも気をつけていたのは、できる限り対面でコミュニケーションをとること。お願いする時にはデスクに行って、直接お話するようにしていました。また、編成戦略室として何をしたいかという結論から話すようにして、冗長にならないよう気をつけています。


水野:あとは徐々に「AbemaTV」における編成の方法が仕組み化されていることも大きいとおもいます。細かな数値の部分はプロフェッショナルなマーケティングチームが協力してくれますし、経営層に近い部署なので担当役員も一緒になって戦略を考えてくれて非常に心強いです。





「AbemaTV」の全ての起点が自分たち、という意識

ーー編成ならではのやりがいはありますか?

水野:自分の考えた戦略が結果に大きく影響することですね。特に先月のとある土曜日は、特番があったわけではないのですが、自分たちが考えた編成戦略が功を奏し、実力値で大きく目標を達成できて嬉しかったです。


升井:プッシュ通知やサービス内のポップアップで平日から土曜日に向けて盛り上がりを作ったりと、関係者一丸となって実行した様々な施策が実を結んだ1日でした。


水野:あとは仮説から目標設計、施策のプランニング、実行と全てに携われることもやりがいだと思います。ただ、その分大きな責任が伴います。自分たちが遅れると編成サイクル全てが後手に回ってしまい、サービス全体に大きな影響を与えることになるからです。


升井:各チャンネル担当者の理解を得ながら進めていく点は日々難しいなと感じています。時には一つの番組に振り切って盛り上がりをつくる必要もあるので、なぜそのようにする必要があるのかという根拠と数字をセットで説得することで、納得してもらえるよう心がけています。



ーー最後に、今後の展望を聞かせてください

升井:個人としては、「AbemaTV」に携わることで自分のビジネスマンとしての市場価値を高めていきたいと思っています。

全体編成としては何でも仕組み化していくことで、誰がやっても「AbemaTV」を最大化させられる番組編成が行えるような環境をつくりたいです。そのためには、様々な施策の仮説、検証を繰り返すことで、しっかりノウハウとして後に残せるようにしなければいけません。

メディアサービスの運用に興味もったきっかけは感動体験を作りたいという理由からだったのですが、2017年11月に放送される「72時間ホンネテレビ」のニュースを見て、自分の母も「AbemaTV」をダウンロードしてくれたと聞き、「インターネットに苦手意識を持っていた母が」と驚きました。当たり前のように「AbemaTV」を日本中の人々が開いている状態をつくりたいです。


水野:編成戦略の責任者として、自分が一番「AbemaTV」に詳しくなるべきだと考えています。代表の藤田や取締役の小池よりも先に、中長期的な「AbemaTV」の戦略を自分から提案できるようにしたいです。

編成戦略室は「AbemaTV」に携わる全ての部署が絡むので、自分がボトルネックになることがないよう、できる限り自分のキャパシティを上げていかなければいけないとも思っています。「AbemaTV」の起点が我々編成戦略室なので、揺るがない組織力や戦略設計能力、実行力を身につけて、「AbemaTV」をマスメディアに押し上げていきたいです。


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