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ユーザーファーストの機能美を追い求める インフォメーションアーキテクト長谷川 大輔

Web業界未経験からのスタート。努力と謙虚さで急成長した、若きインフォメーション・アーキテクト

「PARTNERS」では、A.C.O.のパートナーを紹介しています。今回登場するのは、UX/IA部所属のインフォメーションアーキテクト 長谷川 大輔。主に企業サイトの情報設計を担当しています。Web未経験ながら自動車業界からの転職、UX/IA部の若きホープして活躍しています。

長谷川 大輔 | DAISUKE HASEGAWA
神奈川大学工学部機械工学科を卒業。自動車内装部品メーカーにてプロダクト設計の経験を経て、現在に至る。UXデザイン、情報設計担当。UX/IA部所属。

「ユーザー目線に立ったデザインをしたいという想いは、ずっと変わっていません」

– そもそも、どんな仕事がしたいと考えていたのでしょうか?

子供の頃から工作をするのが好きで、なにかを創る仕事がしたいなと考えていました。大学進学は機械工学科を選びました。機械工学科では、材料力学、流体力学、熱力学、機械力学と言われる力学の基礎に基いて、モノをつくるために図面をどうやって書くか、どうやって作るのか?ということを考えてきました。工作機械に触れることも多かったですね。作る過程を知らないと設計はできないので。

例えばMacBookのボディ。これは1枚のアルミ板を削り出して作られるんですが、売り手としてはより軽く、より安く、でも丈夫に作りたいと考えますよね。それに対して設計者として、そのためにどんな材料を使えばいいか、どんな形の補強材をつければいいのか、加工費を抑える方法はなにか、みたいなことを考えていました。


研究室では大手自動車メーカーと自動車の振動を解析する研究をしました。車の運転中ってかすかにハンドルが振動していますよね。あの振動の要因の一つは路面の凹凸をタイヤが拾い、ハンドルにまで伝わってしまっていることなんです。振動がどのような経路を伝わってハンドルに届いているのかを、実験と解析を用いて特定し、対策を施すという研究です。

自動車と触れ合う機会が多かったので、卒業後は自然と自動車の内装部品メーカーに入社しました。自動車メーカーが考案したデザインデータを、実際の製品という形あるものにする設計の仕事です。

– 自動車の内装設計を選択した理由はなぜでしょうか?

人の目や肌に触れて、使い心地に直結するからです。エンジンなど見えない内部のパーツを作る会社より、作ったものが実際に触って使ってもらえる、そういうところに魅力を感じていました。あとはなにより、自動車がかっこいいからですかね(笑)

– その頃から、ユーザー目線でのデザインがしたいと思っていたんですね

自動車の内装部品は安全性が特に厳しく求められます。使用中に怪我をしてしまったなんてことがあればリコールにもなりかねません。ユーザーは赤ちゃんからお年寄りまで、言うならオールターゲットです。小さな隙間に子供が指を挟んで怪我をしてしまうとか、物が挟まって取れなくなってしまうとか、あらゆるところに危険性が潜んでいます。そういった可能性を設計の段階で予測して、一つでも多く潰さないといけません。

ユーザー目線に立って、自分たちが作っているものを改めて考える。そういう目はこの時に養われたかなって思います。

「君のやりたいことってIA(情報設計)じゃない?」と言われて気がついた


– Web業界に転職したのはなぜでしょうか。

設計の仕事は突然転勤になることもありました。例えば家を買ったり子供が出来たというタイミングで、1ヶ月後にアメリカの拠点に居ることもありえます。そのような働き方では今後の人生においてワークライフバランスを両立させるのは難しいと感じ、転職することにしたんです。

デザインに関わる仕事で時間や場所に制限されない、将来性のある業界が良いなと考えたとき、思いついたのがWeb業界でした。とはいえWebの知識はなにもない、全くの未経験者でした。それでもWebデザイナーを目指し独学で勉強しました。退職後は収入もなく不安でしたが、HTMLやPhotoshopの講座に通いつつ本を30冊ほど購入したりと、とにかくがむしゃらに勉強しました。

そんな中、A.C.O.に話を聞きにいきました。Webの経験はないけれど、使う人のことを考えながらものづくりをしたい。ユーザーのニーズや使い心地を満たした結果として利益が生まれるような仕事がしたい。そんな思いをぶつけたら、「君のやりたいことってIA(情報設計)じゃない?」って言われたんです。それがA.C.O.の代表、倉島さんとの出会いです。

当時の自分は「IAって何?AI(人工知能)のことじゃなくて?」と思うくらい、情報設計という言葉を知りませんでした。ですが話を聞いているうちに、自分のやりたいことが実現できるのはWebデザインよりも情報設計なのかもしれないと気づいたんです。Webデザイナーとして内定をいただいていた会社もあったのですが、A.C.O.でIAとしてのキャリアを選択しました。


– 入社後はどのような仕事をしましたか?

コーポレートサイトのリニューアル案件の、情報設計のアシスタントを勤めました。リニューアル前のウェブサイトはコンテンツがサイト内に散らばっており、非常にわかりにくいサイトでした。

僕のタスクはサイト内にある全ての情報を洗い出して、バラバラだったルールを統一することでした。そしてユーザーに伝わるよう意識しながら、ワイヤーフレームを再構築することです。キャッチーな情報は画面上部に、細かい情報は下部に配置したりと、足りない情報はクライアントからもらいながら、ワイヤーフレームを完成させていきました。

先輩にはたくさん面倒をみてもらいました。ガイドラインを間違えてワイヤーフレームを書いた時は、紙が真っ赤になるまで添削してもらいました(苦笑)。他にもさまざまなツールの使い方、調査の仕方、資料の作り方などを手厚く教えてもらえたことは、すごく感謝しています。


情報設計はパズルに似ていいます。一方のバランスをとると一方が崩れてしまったり。時間をかけて考えていたものが、上手くはまった時は興奮します

– 情報設計の仕事はどんなところが面白いですか?

いままで知らなかったことを知っていけるところです。クライアントと対等に話ができるレベルはもちろん、より専門的なこともリサーチしていくので、多くのことを知ることができます。そうして得た深い知識があればあるほど他のプロジェクトと繋がり、活かせるところも面白いと感じています。

とはいえ僕はまだ経験も浅いので、自信をもって「これが正しいです」と言い切れる場面は少ないです。なのでその分、クライアントへのヒアリングに積極的でいたいです。課題を一つでも多く聞き出し、その裏にある本質を引き出すことで、プロジェクトを引っ張っていけるような存在になりたいと思っています。

情報設計はパズルに似ていて、一方のバランスをとると一方が崩れてしまうことがあります。時間を取られることが多いのですが上手くはまった時は興奮します。デザインはアートではありません。かっこよくても使いにくければ価値が薄れてしまいます。僕は機能美を大事にしたいです。

– 今後はどんなキャリアを描いていますか?

ディレクションをできるようになりたいです。情報設計はディレクターが担当している制作会社も多いです。プロジェクト全体を俯瞰して見ていかないと、よりよい情報設計や、より説得力のある提案がでできません。

そのためアサインされたプロジェクトではクライアント企業のことはもちろん、その企業のおかれている業界やユーザーの動向について理解し、プロジェクト全体をリードできるような存在になっていきたいと考えています。


「テニスをしたいんですが、友達がいないので絶賛募集中です(笑)」

– なにか趣味はありますか?

コーヒーが大好きで、豆から買ってミルで挽いて飲んでいます。コーヒーは同じ豆でも焙煎具合や挽くときの粒度、抽出方法、お湯の温度、抽出時間、どれか一つが変わっただけで味が全く変わるので、毎回ちょっとずつ抽出条件を変えて味の変化を楽しんでます。奥が深すぎてどこまでもはまり込んでしまいます。

あと、学生時代にやっていたテニスをまたやりたいんですが、友達がいないので絶賛募集中です(笑)。 長谷川 大輔のテニス友達になる


– 最後に、場所に縛られない働き方を実践してみてどうですか?

ノートPCさえあれば仕事の場所を選ばず好きなところで作業できるのは嬉しいです。午前中は家で仕事をすることも多いですし、原稿作成なんかはカフェでやったほうが集中できるので。もちろんセキュティ対策はばっちりです。場所に縛らねない働き方を選んでよかったなと思います。

京都では鴨川の土手で作業したこともあります。直射日光の下での作業は過酷だったので二度とやりませんが、新しい働き方を模索しながら実践していくことで仕事の質もあがり、同時にプライベートも充実させられると実感しています。

WRITER

石井宏樹

HIROKI ISHII
ASSISTANT DESIGNER

早稲田大学創造理工学研究科建築学修了。建築設計事務所にて意匠設計の経験を経て、現在に至る。デザイン担当。デザイン部所属。

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