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エイシングのオフィスは、Chaosが生まれる構造。Chaosは" 2つのA “から生み出される
エイシング社のエグゼグティブデザイナーであるK氏は、自らが手がけたエイシングの内装デザインについて上記のように語っている。
今回はK氏へのインタビューを元に、エイシングオフィスのChaosと2つのAについて考えてみたいと思う。
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– K氏のコメント –
AIを内包する科学とは、世界のChaosを数式化すること
数式に嵌まらなかったものはArtとなり、Artが生まれた時、またChaosが生まれる
Chaosはリスクを孕むものの、イノベーションを生む力強さの源泉であり
エイシングが持つべき性質であり、エイシング独自のBusiness Valueを創出する核である
エイシングのオフィスは、AIとArtが織りなすChaosが生まれる構造とした
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K氏の指す2つのAとは、" AI " と " Art "である。
K氏へのインタビュー内容を元に、下記の通り考察してゆく。
拡大するAIの市場と、進むコモディティ化
1956年のダートマス会議にて、人工知能という言葉が生まれてから60年以上の月日が経過している。
多くの壁を乗り越え、AIは市場に定着しようとしているわけだが、ある調査では2030年におけるAI関連の日本国内市場規模は86兆円に至るということである。
日本のGDPが500兆円程度であることと比較すると、そのマーケットの大きさと期待感が理解できる。
第3次AIブームの最中である2015年前後には、世界中の大手企業が中心となって多額の費用をAI技術に投資してきたわけだが、この投稿を執筆している2020年時点では、ある程度のパッケージ化が行われ、コモディティ化が進んでいる。
オンプレミスでのAI開発に数千万円~数億円かかっていたものが、パッケージ化されたことで、数十万円程度で導入できるコモディティAIが登場している。
新たな技術は、このように一定の投資レベルを超えることで安価なコモディティ製品の普及により、市場に浸透してゆくものである。
K氏が語るように、科学はコモディティのように数式へと収束するのである。
一方で、エイシングのAIが発揮する価値とは、コモディティではなくイノベーション
エイシングのAIは、コモディティAIとは対極の存在である。
原理原則に従いながらも、大きなエネルギーを持ち、リスクをとって挑戦を渇望するそのスタンスは、グローバルブランドに例えるのならば、エルメスであるという。
それは数式や理論では表し切れるものではなく、理路整然としていない。
量子力学の基本方程式として知られているシュレディンガー方程式なら、系の全エネルギーであるハミルトニアンには、正準量子化によって発生する直感的な揺らぎ、また、そもそも学問として、各人が持つアポステリオリな認識に反する共通認識の存在、更には、数式自体に存在する" 成立するための前提 "に当て嵌まらない部分がArtなのだとK氏は言う。
19世紀以降のArtはinnovativeであることを求められた
Artといえば、現代では絵画や写真、映像、彫刻、工芸品等と我々は認識しているが、古くルネサンス時代のArtといえば、専ら絵画を指すだろう。
キリスト教を布教するために神を表現していた絵画は、やがて写実的な欲求に応えるように繁栄し、モナリザが生まれた。
その後テクノロジーによって繊細な映像の技術が高まり、Artは写実性の体現でなく概念を破壊することへの挑戦に向かった。
フィンランドを代表する建築家、北欧モダンデザインの思想を構築した一人、Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)のスツールとテーブル。L-レッグの曲線美は秀逸。
AI( = Science)はテーゼ、Artはアンチテーゼ
エイシングの最も理想的な状態は、AI、Art、Chaosがバランスしている状態であり、ヘーゲルの弁証法で説明するのであれば、AIはテーゼ、Artはアンチテーゼである。
その正反から合であるジンテーゼに近づき、アウフヘーベンを繰り返すとK氏は静かに語る。
エッジAIのリーディングカンパニーとして、世界を舞台に革命を起こす
今回のK氏へのインタビューと考察から、エイシングという会社の深遠に触れることができたと筆者は感じている。
AIとArtからChaosが生まれ、その三者の微妙なバランスによって創り出されるBusiness Valueが競合優位をつくってゆく。今回はオフィスデザインのコンセプトに関するヒヤリングとしてこのような話を聞くことができたが、この哲学は、エイシング内の文化や教育、採用にも深く浸透しているようだ。
世界の産業界に革命を起こすその軌跡を、皆様にもぜひ見守っていただきたい。
キーワードは、" 2つのA "である。