今回はアカツキ福岡内で開催された『キャラクター企画書コンペ』についてレポートします。「ゲームづくりに興味がある!」「企画やクリエイティブなことに興味がある!」そんな人たちにぜひアカツキ福岡の取り組みを知っていただけると嬉しいです。
# 企画書コンペとは?
企画書コンペとは、アカツキのオリジナルタイトル『シンデレライレブン』『シンデレラナイン』に登場する新キャラクターを、普段制作に携わっているメンバーだけではなく、アカツキ福岡全メンバーから募った社内コンペです。
企画書のフォーマットには①外見、衣装などの特徴 ②立ち絵のポージング ③性格の特徴 ④キャラクターを登場させるイベントのシナリオ の4つの項目があり、2回目となる今回は、受賞者にゲーム内実装を目指して企画を進行することが約束されての開催となりました。
そんな企画書コンペの様子を、vol.1「審査員インタビュー」とvol.2「受賞者インタビュー」の2回に渡ってお届けしていきます!
<今回インタビューにこたえてくれたメンバー>
ウエキ:2018年5月にアカツキ福岡に参画。現在は『シンデレライレブン』『シンデレラナイン』のシナリオライター・シナリオディレクターを務める。
ナゴミン:2018年1月にアカツキ福岡に参画。ゲームテスターとして活躍した後、『シンデレライレブン』『シンデレラナイン』のイラストプランナーに転向。ちなみに同企画第1回目の最優秀受賞者。
ー まずはじめに。今回2回目となる企画書コンペですが、元々第1回目が開催された経緯を教えてください。
ウエキ:このコンペは、「アカツキ福岡に制作の場をもっと増やしたい」という僕の思いから始まりました。
というのも現状、福岡では、企画から携われるタイトルが『シンデレライレブン』と『シンデレラナイン』の2本で、他にはアカツキのタイトルの検証とカスタマーサポートを福岡が担っているという状況からです。多くのタイトルの企画の機能は東京のアカツキにあります。そういった背景もあって、「シンデレラシリーズに携わっているメンバー以外にも、制作の機会を創出したいな」とは、ずっと思っていたんです。
それから、「ゲームをつくりたい」という思いを持っているメンバーが、アカツキ福岡にどれだけいるのかを把握したかったし、実際に声をあげてくれたメンバーを応援したかった。それがコンペを開催しようと思った理由ですね。
ー 2回目を開催することは、1回目が終わった時点から決まっていたんですか?
ウエキ:いや、決まってはいなかったですね。
ナゴミン:2回目は僕が手を挙げました。「企画書コンペ、またやりましょうよ」って。
1回目が開催された当時、僕はゲームテスターとして検証を担当していたんですけど、企画を練って、その企画が最優秀賞をもらって、ゲームに実装されて、世にリリースされて…と、初めての体験ばかりだったんです。その体験すべてが、当時の僕には感動的で。
それで自分が制作側になった今、「他のメンバーにもこの体験を届けたい」と思って手を挙げました。
ー 今回の受賞企画はすんなり決まったんですか?
ウエキ:いや、すごく難航しましたよ。
ナゴミン:しましたねぇ〜〜。
ウエキ:イラストの目線、シナリオの目線、それから、もうひとつ大切な目線があって、「ユーザーの皆さまに喜んでもらえるものになるか」という目線。それぞれの目線の言い分があって、思っていた以上に議論が白熱しました。
ー 実際に意見が割れた企画はありましたか?
ウエキ:ナウさん(vol.2で登場)の企画は割れましたね。
僕はその企画にシナリオの観点から最高点をつけたんですよ。とにかくシナリオが面白かった。ただ、イラストに関しては全く着手できていないような企画書だったんです。「これは、シナリオから発想したキャラクターなんだな」ということが一目瞭然でした。
ナゴミン:ゲーム内に実装するとなると、具体的な画をイメージできないと難しいんですよね。だからイラストプランナーとして点数をつけるのが難しかったんです。売れるかどうかの判断もしにくいですしね。それで審査が難航したんですけど、話し合いの末、イラストについては僕たちが一緒につくっていこうということで決着がつきました。
ー 逆にナゴミンさんが高い得点をつけた企画はありましたか?
ナゴミン:僕はツッキー(vol.2で登場)の企画に高得点をつけました。
ツッキーは今回2つの企画を出してくれたんですが、それが面白いほど正反対の内容だったんです。1つは、シナリオ中心で完成度は高いけれど、良くも悪くもお利口さんの企画。もう1つは、ツッキーがやりたいことを全部盛り込んだような、貪欲な企画。僕はそのうち後者の方が面白いなと思って、高得点をつけました。
ウエキ:「唐揚げ弁当にハンバーグもステーキも入れちゃいました」みたいな企画だったよね。(笑)
ナゴミン:「胃もたれするよ!」って、突っ込みたくなるような企画でしたね。(笑)でもそれくらい貪欲にやってくれる方が面白いんですよね。「なんだ、こいつは」って思わせる何かがあった。
僕たち制作側でちゃんとまとめていけば、すごく良いキャラクターになるって確信がありましたね。
ー 上の2つは優秀賞を獲得した企画ですよね。 最優秀賞を獲得したもっさんの企画についても、審査は難航しましたか?
ナゴミン:いや、この企画だけは、制作チーム全員が「良いね」って。もう、満場一致でした。
ウエキ:企画に芯が通っていて、やりたいことが100%伝わってきました。そうなると、「ないものを足していくのではなく、あるものをより良くしていこう」という風に、建設的な話し合いができるんですよね。それくらい完成度が高かったです。
ー 今回選ばれた企画と選ばれなかった企画には、どのような違いがありましたか?
ウエキ:「その人なりのこだわりがあるかどうか」という点かな。
ナゴミン:イラストの観点からも、それは言えますね。残念ながら落としてしまった企画は、模倣が強かったんです。元のキャラクターのイメージに引っ張られすぎて、そのまま外見をつくってしまっているんだろうなって。
ウエキ:完全なオリジナルを生み出すことはクリエイティブにおいてほとんど無理です。だから模倣から入ることは、別に悪いことではないんですよ。けれど、そこに自分のやりたいことをきちんと詰めたうえで再生産しなくちゃいけない。僕が今まで学んできた中の言葉をお借りすると、「拡大再生産」と表現されます。
ナゴミン:他には「テーマやモチーフがわかりやすかった」という点かなあ。特にイラストは、何も考えずに作り始めると、とっ散らかったイラストにしかならないんです。なので、なにかひとつ核となるテーマがあるかどうかが大事になってきます。
ウエキ:その点で言うと、受賞した3人とも凄くテーマがわかりやすかったですね。
先ほど「自分なりのこだわりがどれだけあるかが、企画をつくるうえでは大切だ」と話しましたが、それと同じくらい「自分の企画を売り込むために、そのこだわりをきちんと伝えられるか」も大切なんです。
3人の企画からは、「これだけは伝えたい!」「このキャラクターを一言で表現するならば!」というこだわりがテーマを通して伝わってきました。
ー 最後に、今回開催した感想を聞かせてください。
ウエキ:正直、1回目の受賞者であるナゴミンが「またコンペやりましょうよ」って手を挙げてくれたことが一番うれしかったですね。「アカツキ福岡に制作の機会をもっと創出したい」っていう元々の僕の思いがつながっていると思えた。とにかくうれしかったですね。
それから、前回も参加してくれたメンバーの成長を感じられたことはうれしかったですね。今回受賞したツッキーは、1回目も参加してくれていて、実は落選してしまっているんです。それでもめげずにもう一度チャレンジしてくれて、その成長曲線がすごかった。コンペ後のフィードバックもすごくうれしそうに聞いてくれて、「やって良かった」と思えましたね。
ナゴミン:僕は今回のコンペで、皆の企画から刺激を受けることがたくさんあって、そういう素質というか、秘めたものをもっている人がアカツキ福岡にはまだまだいるんじゃないかなって、わくわくしました。なので、今回出せなかったけど実は制作に興味があるってメンバーがいるとしたら、次回はぜひ挑戦してほしいなって思いますね。
ウエキ:それこそ、制作以外のメンバーから「コンペやりたい!」っていう声があがれば、僕たちはいくらでもサポートする気満々ですしね。(笑)
ー ウエキさん、ナゴミンさん、ありがとうございました!シンデレラシリーズのチームを起点として、アカツキ福岡に制作の輪がどんどん広がっていくと、素敵ですね。また、ゲームづくりを目指す人たちにとってアカツキ福岡が夢を叶える場になっていけると良いなと思いました。
さて、今回の審査員インタビューに続き、次回は「受賞者インタビュー」をお届けします。優秀賞を受賞した2人のメンバーから、コンペに参加した理由や受賞に至るまでの経緯などなど、たくさんの面白い話を聞けたので、ぜひ今回の記事とあわせてご一読ください!
(vol.2受賞者インタビューはこちら)
(同ゲームについてはこちら)
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