アカツキ福岡の「QA」チームにおいて、プロジェクトリーダーを務めている川上です。
アカツキ福岡のQAとは?の記事も第三弾となりました。今回の記事では、前回の記事で言及した「当たり前品質」「魅力的品質」について、アカツキ福岡で働くQAメンバーを迎えて、各々がどのように考えているのかを対談形式で、お届けしていきます。
前回の記事はこちら
今回対談したメンバー
※ 顔出しNGのメンバーについては、イラストでお届けします。
アカツキ福岡QAのテーマを聞いたとき、皆さんはどのように感じましたか?
中島:次のことに向かっていくんだなって、楽しみになりました。
僕の場合、アカツキ福岡に入社してから3年近く検証を経験してきましたが、「当たり前品質」をより高めていくために「次に何をしていくのが良いんだっけ?」と行き詰まりを感じていたところでした。そんな中でこのテーマを聞いて、まだまだやれることが沢山あるなと思いましたね。
例えば、現時点では「当たり前品質」を担保するためには、人や時間といった今あるリソースを全部費やしてそれを叶えている状態です。けれど今後は、エンジニアリングによる自動化や簡略化を進めていくことで、「当たり前品質」に費やすリソースに余白がうまれて、「魅力的品質」に向かっていけるんだろうなと。
荒木:確かに、このテーマに向かっていくための「時間をいかに捻出できるか」は、今後の大事な要素になってきそうですよね。そういった意味では、エンジニアリングによる自動化は、アカツキ福岡のQAが次のステップに進むために必要不可欠だなと思いますね。
なるほど。「当たり前品質」を高めていくために工数捻出や自動化の部分でまだまだ尖らせていく余地がありそうだ、ということですね。他の皆さんの所感も聞いてみたいです。アカツキ福岡で長く経験を積んできた中島さんに対して、入社して2ヶ月の末崎さんは、このテーマについてどのように感じましたか?
末崎:このテーマについては入社前から話を聞いていたので、テーマに向かっていくことに違和感はありませんでした。
ただ、実際に検証業務をおこなう中で、僕自身は「魅力的品質」にはまだ向かえないという実感値があります。「当たり前品質」を満たしていない今、まずは足場を固めるところからだなと…。
それから、他のメンバーが思う「当たり前品質」と自分が思う「当たり前品質」が合致しているのか?を意識することが大事だなと思いました。例えば、ここにいるメンバーだけでも、経験の長い中島さんと僕とでは、それぞれが思う「当たり前品質」が違うかもしれません。
僕は学生時代に友人とゲームを開発していたんですが、作っている最中は「俺たち、良いもの作ってるぞ!」と思い込んでしまうんですよね。けれど実際にリリースしてみて他の人に遊んでもらうと「え?ここおかしくない?」となることも多かったんです。そういった経験もあって、外からの視点や違う視点をもって、自分たちの品質を客観的に見ることが大事になってくるのではないかなと思いました。
なう:今の末崎さんの話について、私も同じようなことを思いました。
このテーマが掲げられたとき、ちょうどチームが異動になり、担当するゲームタイトルが変わった時期だったんですが、これまでのチームの「当たり前品質」の基準と、新しいチームの「当たり前品質」の基準とでズレがあるなと感じる場面が沢山あったんです。
チームの状態やプロダクトの特色で、QAとして求められる品質が変わることは理解しているのですが、我々が目指すQAとして、その状態が正しいのか分からなくなることがありました。
そんな中でアカツキ福岡QAのテーマを聞いて、「やっぱり、私たちQAチーム一人ひとりが、当たり前の品質を考え、妥協することなく、高いレベルの品質にこだわるべき」と、迷いが払拭されました。今は、新しいチーム内でも「もっと良くしていきましょう」という流れになっていて、「当たり前品質」の基準が上がってきているなと感じています。
「当たり前品質」の基準のズレを埋めるために、なうさんが率先して何かに取り組んだのですか?
なう:特別な行動をとったわけではないですが、自分が信じる「当たり前品質」の基準にそって、修正すべき点があれば、プランナーさんに妥協せずに提案し続けました。そういう地道な提案が、新しいチームの基準自体を底上げしていったのかもしれません。
そういった意味では、チームの垣根を超えて、横串で「当たり前品質」の基準について話をすることは大事かもしれないですね。自分たちのチームが考える「当たり前品質」の基準に何が足りていないのかを気づくきっかけになるんじゃないかなと思います。
自動化や効率化だけではなく、「当たり前品質」の基準を揃えていくことも鍵になってきそうですね。実際に自動化を進めていくにあたってぶつかる課題として、このチームでは自動化できるけれど、このチームでは自動化できないという点があります。なぜなら、チームによって品質の考え方やレベルが異なるからです。そういった点では、いわゆる“アカツキ品質”と呼ばれるようなアカツキ全体としての共通の基準ができてくると、チームだけではなく、アカツキ全体の「当たり前品質」の向上につながっていきそうですね。
ここまで「当たり前品質」について中心に話してきましたが、「魅力的品質」にについても、皆さんがどのように考えているか聞いてみたいです。
荒木:個人的に、「魅力的品質」とは、定義づけるものではなく、「これがあったらいいよね」というのを一人ひとりが考え続け、「魅力的品質」を追い続けることで生まれるものだと考えています。
先ほど話に出ていた「当たり前品質」も「当たり前に“目指していく”品質」という“スタンス”の認識で、当たり前にできることを増やしていくことが、魅力的品質につながっていくんじゃないかなと思っています。
「これがあったらいいよね」が「これは当たり前に追いたいよね」になって「これくらいできないと当たり前じゃないよね」となっていく。「僕がユーザーだったら、これがあったら嬉しいな」というのを、どんどん当たり前にしていく。そんな風に「当たり前品質」をアップデートしていくことで、魅力的品質になっていくのかなと…。
稲永:私は、入社するまでQAは「マイナスをゼロにする仕事」というイメージが強かったのですが、そこで満足せずに、「マイナスをゼロにして、更にプラスにしていくことも追求できする仕事」だなと、「魅力的品質」の話を聞いた時に、ふと思いました。
それから、私が担当しているゲームは原作のあるゲームなので、いかに原作の世界観を守っていけるかや、原作ファンの方にも楽しんでもらえるようにゲームを通して届ける体験を追求していけるかが、「魅力的品質」を高めることにつながっていくのかなと思っています。
お二人の話を聞いていると、「魅力的品質」にはゴールや達成がないものかもしれないですね。だからこそ「何から、どうアプローチしていくのか?」を定めるのは難しいなと…。その辺りについて、皆さんの意見を聞いてみたいです。「魅力的品質」を高めていくために必要だなと思うことはありますか?
なう:「魅力的品質」の話を聞いたときに真っ先に思ったのが、自分が担当しているゲームのお客様は、何を楽しんでゲームをプレイしてくれているのか?を知ることがすごく大事だなと思いました。
というのも「魅力的品質」って、ユーザー一人ひとりが何を魅力と感じるかによって変わってくると思うんです。
「お客様は、何を楽しんでプレイしているのか?イラストなのか、シナリオなのか、イベント内容なのか」を知ることが大事で、それをプランナーさんだけでなく、QAのメンバー一人ひとりができていれば、的外れな検証がなくなるのかな…、求められている品質をきちんと高めていけるのかなと思います。
稲永:確かに。先ほど話に挙がってましたが、「当たり前品質」だけではなく「魅力的品質」についても、プランナー・QA・ユーザー間での認識のズレを埋めていくことが大事になってきそうですね。
なう:そうですね。だからこそ、私たちQAメンバーもプランナーさんと同じ視座をもって「一般的な面白いとは?」「コアなユーザーにとっての面白いとは?」「ゲーム初心者のユーザーにとって面白いとは?」等を知っておく必要があるし、他社のゲームを常にプレイして「自社のゲームと何が違うのか?」を分析する力を養っていく必要があるんだろうなと…。
「魅力的品質」を高めていくために今の自分に必要だと思うことを並べていくと、「本当にできるかなあ?ハードル高いなあ」って思ったのが、正直なところです。(笑)
中島:今の話で言うと、きちんと分析をして根拠をもって提案していかなければならないと思う一方で、QAメンバー個人個人の想いを反映していくことも「魅力的品質」につながっていくんじゃないかなと、ふと考えることがあります。
お客様の中にも、ずっとそのゲームをプレイしいてるコアユーザーもいれば、そのゲームを始めたばかりの新規ユーザーもいる。同じようにQAメンバーの中にも、そのゲームを担当して経験の長いメンバーもいれば、浅いメンバーもいる。
そういった中で、QAメンバー個人個人から出てくる「面白い」の感覚や「この部分が好き」という感想が、たとえ根拠が浅かったとしても、色々な層のお客様の意見を吸収することに通じるんじゃないかと思うんですが、どうでしょう・・・?
なう:「根拠が必要かどうか?」という点とは外れてしまうんですが、仕様企画の段階でQAから意見を出せるようになるのは、「魅力的品質」を高めていくための一歩なのかなと思います。
私のチームでは最近、仕様の共有会が始まったんですが、次にやるイベントや施策についてプランナーさんから企画の段階で説明をしてもらって、「それだとお客様が混乱しないか?」など、QAメンバーからも意見を出していくという機会ができたんです。その機会がができてから、仕様をより深く理解できるようになりましたし、目に見えて不具合も減りましたね。
荒木:企画の段階からQAが介入していけるのは、いいですね。
現にQAメンバーの中には、コツコツと意見出しを積み重ねていく中でプランナーとの信頼関係を築いていって、企画の段階でプランナーの方から意見を求められるようになったという人もいますよね。そういったことがメンバー単体の話ではなく、アカツキ福岡QAチーム全体として、求められるようなチームになっていけるといいなと思います。
このテーマ、いくらでも話せてしまいますね。(笑)ただ、そろそろ時間になってきたので、ここまで話してきたことについて皆さんの感想を聞いてみたいです。いかがでしたか?
末崎:ここまで皆さんの話を聞いていて、QAの仕事はとにかくコミュニケーションが必要不可欠な仕事だということを改めて感じました。僕自身が未経験で入社をして実際に仕事をする中で痛感していることでもありますが、コミュニケーション無くして何も進まないなと。
中島:確かに、今後は今まで以上に、職種間や拠点間の垣根といった色々な垣根を取っ払ってコミュニケーションを取っていくことが、大事になっていきそうですよね。もっともっとワンチームでやっていきたいっていうのはありますね。
…なんだか、長くいるメンバーも最近入ってきたメンバーも同じ想いをもっているんだなって、しみじみしますね。
荒木:しみじみしますね。(笑)
そういう意味では、メンバー連携をさらに強めることで、チームの垣根を大きく超えて、一緒に進んでいけそうですよね。同じような問題を抱えていて、その問題について追い求めていくことが大事だという認識もある。対話を重ねながらお互いの認識をすり合わせていくことで、組織全体として、前に進むスピードがグンと上がるような気がします。
稲永:話の中で出てきた、アカツキとしての「当たり前品質」の基準をつくるっていうのも、ここに通じそうですね。
なう:高い基準でそれを定めていきたいですね。
皆さん、ありがとうございました!
今回の対談を通して、我々アカツキ福岡のQAが目指す方向性は、一朝一夕ではいかないことだなと改めて痛感しましたし、「当たり前品質」についても「魅力的品質」についても、皆さんともっと話していきたいなと思いました。
たくさん話をする中で、メンバー一人ひとりが自分が携わるゲームに対して目をキラキラさせながら話している…そんなチームになっていけるとすごく楽しそうだなと思いますし、そういったチームでなければ「魅力的品質」については語れないだろうなと。
ということで皆さん、今後もたくさん議論していきましょう!
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