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[連載]特許取得の記念インタビュー!part 2

こんにちは!コーデンベルクPRをしている長谷川です。

今回は先月掲載した「特許インタビュー」の連載のpart2をお送りいたします。
前回のpart1ではコーデンベルクが特許取得のプロジェクトを始めた経緯とその道のりについて吉崎氏のインタビューをもとにご紹介しました。
[連載] 特許取得の記念インタビュー!part1

さて、今回はコーデンベルクの特許出願の中身について、少し掘り下げてご紹介したいと思います。

そもそも、IT技術について特許取得というのはあまり馴染みがない印象がありますが、コーデンベルクの特許取得について、プレスリリースでは以下のように示されています。

プレスリリースより:
”印刷プラットフォームの開発・運営事業を行う株式会社フライデーナイトではデジタルデータやプログラムと印刷のワークフローをつなげるプラットフォーム「コーデンベルク」においてクラウド環境で印刷用データの取り扱いを自動化する技術を開発し特許を取得いたしました。”
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000015.000018202&g=prt

クラウド環境、プラットフォームなどIT企業であれば違和感のない 言葉ですが、特許取得においてどのような工夫や取り組みが あったのでしょうか。

前回に引き続き、プロジェクトを担当した吉崎氏にコーデンベルクの特許文献をもとに解説してもらいました。


(これがコーデンベルクの特許文献。難しい文章と、解説図がずらっと並んでいます…。)

ー吉崎さん、まずは今回の特許を一言で表すとどんな特許なのでしょうか。

ひとことで言ってしまうなら「人の命令でなく、ITが特定の条件にもとづいて自動で印刷用データを生成する技術」です。


ーそして、それを説明するこの特許文献ですが…
まず冒頭から「印刷サーバ装置」という言葉が続きます。これは社内でもあまり聞かない言葉ですが、どういう意味なのでしょう?

これはコーデンベルクで使用しているデジタルオフセット印刷機のindigoサーバとコーデンベルクが提供しているクラウドサービスまでを含んだ範囲を示す言葉です。 特許文献は基本、他者に侵害されないようになるべく広い範囲を含めて取得したいと考えて構成されているので、こういったわざと広い意味を含む言葉を選んでいるんです。


ーなるほど…
その請求項ですが、一通り読んでみると「未完成の印刷物を作ることができる」という文で締めくくられている項目がいくつかあります。これも特許ならではの言葉でしょうか。

はい、コーデンベルクのサービスの特徴になる「可変領域を含む印刷物を作ることができる」を特許文献用に言い換えた言葉です。

コーデンベルクが作る印刷物は、ある条件を基準にして固定領域と可変領域の2種を設定することができる。そして、その両方の領域を含んだ印刷データを作ることができる。
可変領域を含む印刷物、 つまり未完成な印刷物を作ることができる。ということになります。


ーなんだか特許独特の、難しい言葉が続きますが…この申請のポイントになるのはどの部分でしょうか?

このような未完成な印刷物をどう構成するのか?についての説明が特許申請の軸になっています。
indigoサーバは実は2ギガほどの容量しか持たないサーバ。従来のような一般的な印刷データなら、特にその容量を気にする必要はありません。
でもコーデンベルクで扱う印刷データは、大量の可変領域を含んだ大きなデータなので、このサーバの容量では扱うことができない。

そこで解決策として、印刷データを一括ではなく、僕らの技術によって分散入稿できるようにしました。という流れで特許文献を作成しています。

特許取得には主に進歩性・新規性という2つの基準があるので、そこに基づいて説明をするために、これら項目を立てひとつひとつ説明をしているんです。


ーこの文献は吉崎さんが書き起こしたものでしょうか?

この特許文献は、僕らがコーデンベルクの技術アイディアについて説明したものを、弁理士の方に書き起こしてもらったものです。
なので、弁理士の方が書いたこの文章が僕らの発明と申請したい内容とかみ合っているかどうか、それを読解していく。それが僕らの作業のメインになりました。

また読解の作業の中では、言葉の調整も必要になりました。
申請内容は間違いなく構成したい。でも侵害されないためには、なるべく広い範囲を含んだ内容にしたい。
コーデンベルクの技術について説明する要素と、 広い範囲を含むための要素。

特許として出願・審査をしてもらうためには、その調整も大事なポイントとなりました。

ーー

このプロジェクトを通して特許文献をたくさん読み込んで、無事出願が終わった頃には弁理士の先生に「本職はデザイナーだったんですか!」驚かれたという吉崎氏。
特許独特の文体にも慣れてきて、今では他社の文献を読んで出願内容について学ぶこともできるようになったと言います。

そんな取り組みも実を結び、無事に特許取得に至ったこのプロジェクトですが、実はフライデーナイト内では早くも次へのステップへと進んでいます。

また皆さんに良い報告ができることを目指して、 今後も特許プロジェクトを進めていきたいと思っています。
今後もぜひ、私たちフライデーナイトとコーデンベルクにご注目ください!

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