第8回超異分野学会トークセッション、未来の医療やデータ・ドリブン研究について熱くディスカッション!

こんにちは、広報の山本です!

アメリエフは3月9日に開催された株式会社リバネス社主催の、第8回超異分野学会にてトークセッションを開催しました。

超異分野学会は、学生や大学の研究者のみでなく、町工場から大企業、海外のスタートアップまで、様々な立場の参加者が連携するきっかけを提供する場です。2日間で総勢1,016名が国内外から集まりました。

トークセッションでは「医療と研究開発を結ぶ情報エコシステムの実現に向けて」というテーマのもと、「情報を提供する側 × 情報を利用する側 × 双方の橋渡し役」の三者が集まり、未来の医療やデータ・ドリブン研究について熱くディスカッションしました!

情報を提供する側

ー 生活習慣病の情報を優れた研究リソースとして提供する

東京大学 新領域創生科学研究科 教授 松田 浩一

 私はもともと整形外科医で、現在はバイオバンク・ジャパンに所属し、ゲノム解析を中心に取り組んでいます。バイオバンク・ジャパンでは、2003年から現在まで、生活習慣病の症例情報を収集しており、この5年間で約27万人・約44万症例を、国内12の協力医療機関から集めています。データバンクとしては、日本で最大の規模です。

 収集対象は、身長、体重などの患者さんの基本情報と、血液やDNAなどの試料です。これらは、企業での活用も視野に入れ、非常に高いクオリティでDNA濃度やデータ解析結果などを集めることができており、様々な研究利活用をするうえで優れたリソースと言えます。

 このリソースをより便利に活用していただくため、保有試料検索システムを立ち上げました。検索システムからバイオバンク・ジャパンが保有している試料の概数を見ることができ、自分の目的とする研究や開発に適したデータを事前に確認してから利用申請できます。実際に、企業やアカデミアに試料を配布した実績もあり、企業が2割、アカデミアから8割くらいの割合です。

ー 収集データで研究を加速させ成果を社会に還元する

株式会社ジーンクエスト 代表取締役社長 高橋 祥子

 2013年にジーンクエストを創業し、2014年より日本初となる「個人向け遺伝子解析サービス」をスタートしました。遺伝子解析サービスを個人向けに提供しながら、同意を得たうえでデータを蓄積しています。

 ユーザーは自宅に届く遺伝子解析キットで唾液を採取し、それを返送すると、1ヵ月後にはWebのマイページから遺伝子情報を確認できるようになります。マイページでは、遺伝子情報以外にも疾患のリスクや遺伝的な体質、祖先の情報などを見ることができ、現在では300項目以上の情報を提供しています。一回遺伝子検査を受けると、その後に増えた項目については結果をメールで受け取れる特徴があり、実際にこの5年間で増えた150項目について、情報を配信しました。

 個人向け遺伝子検査サービスは、特にアメリカではかなり進んでおりトータルで2600万人以上が検査サービスを受けています。こういう波が日本でも起きると考えられます。ただ、欧米とアジアでは遺伝的なバックグラウンドが違うので、ジーンクエストは大きなプレーヤーがいないアジアに特化して、日本人やアジア人のゲノムデータを収集しています。

 収集したデータを新しい研究に活用し、さらに、その研究成果をサービスにフィードバックして向上させていく、というサイクルを回し社会に還元していきたいと考えています。

情報を利用する側

ー 蓄積された医療現場の情報を創薬に役立てる

協和発酵キリン株式会社 創薬基盤研究所 浦川 到

 私は、疾患バイオロジーの研究員だったのですが、この10年くらいデータサイエンスに関わりながら、創薬の特に初期探索の研究に取り組んでいます。

 近年、創薬を取りまく環境は非常に厳しくなってきています。簡単に作れる薬はほぼ発見しつくされているので、創薬のコンセプトを見つけるのが難しい疾患が残っている状況です。人の遺伝子は約2万個ありますが、そのうち薬が認可されているターゲットは1000個ほどです。ターゲットになっていないタンパク質は既存の創薬技術では標的にすることが困難なことから”Undruggable”とされていますが、松田先生のお話しにありましたように、色々なデータの蓄積が進んでいますので、”Undruggable”の中から”Duggable”なタンパク質を探索することができるという意味でデータサイエンスが重要になると考えています。

 そのほかにも、核酸医薬、細胞医薬、中分子医薬など創薬技術の高度化や、ゲノム医療、画像診断など疾患を理解するための技術の高度化が進んでおり、こういった技術を良い薬作りに結び付けることが求められています。

 一方で、細胞株を用いて作った薬が人の体内では効果がないということがあり、医療現場の情報を実際の薬作りに役立てることが非常に重要視されています。

 我々のようなモノづくりの会社が、データから導き出した仮説をうまく疾患バイオロジーで検証するサイクルを回すことで、創薬研究が効率的に進むのではないかと考えいてます。

双方の橋渡し役

ー 医療と研究開発を結ぶ情報エコシステムを構築する

アメリエフ株式会社 代表取締役社長 山口 昌雄

 ゲノム情報を高速に低コストで読み出せる次世代シーケンサが使われ始めた2009年に創業しました。大量にゲノム情報を産出できるようになったことで、人種間の違いや、疾患に関連する遺伝子を調べる研究がどんどん立ち上がり、弊社はこれらの研究のデータ解析に尽力してきました。

 医療現場でゲノム情報の活用が進む社会的背景の中で、2015年からゲノム医療分野に参入し、がんや遺伝性疾患の医師向けのクリニカルレポートを提供するサービスを始めました。同時に、医療機関が持っている電子カルテや予後の情報などをゲノム情報と結び付けることで、治療精度向上に貢献できるのではないかということで、データを蓄積する仕組みづくりに精力的に取り組んでいます。

 ただ、日本人のがんの症例データベースというのは個々の病院で蓄積されていますが、公開されて広く活用できるようなものはありません。データを蓄積するのみでなく、データが好循環するプラットフォームを提供することで、将来的には病気を発症していない人へもメリットを広げたい考えています。今後は、自分の健康を「資産」と捉え、それを生涯にわたって高められるようなプラットフォームを社会実装させたいと考えています。

 最後に、情報を提供する側と情報を利用する側、双方の橋渡し役の三者が相互に協力することで、情報エコシステムを実現させていこうということで、セッションは終了しました。

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