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Bioinformatics×Society 5.0 バイオエコノミーとは?【役員対談】

バイオ分野をめぐる世界情勢

取締役COO 金:前回は、Society 5.0時代のデータ解析技術について、会話しましたね。世界的な情勢としては、OECDが提唱した「バイオエコノミー」、つまり、バイオをこれからの経済社会の前提とする大きな流れがあります。

代表 山口:OECDは2009年のレポートで、「バイオエコノミー市場は、2030年には全GDPの2.7%(約200兆円、OECD加盟国)に拡大し、工業分野は39%、健康医療分野は25%、農林水産36%に達する」と予測しています。これを受け、2012年頃に各国がバイオ経済の形成に向けた戦略を発表しましたね。

取締役COO 金:「バイオエコノミー」は、生命科学とデータサイエンスの融合がもたらす技術革新によって社会問題を解決する点が革新的だと思いますが、日本の強みは何でしょうか。工業分野だと化学薬品や新素材、健康医療分野だと個別化医療、再生医療、未病予防、農林水産分野だと飼料や育種技術による生産性向上が期待されていると思いますが。

代表 山口:工業分野で例を挙げると、⽣物由来の新素材である、スパイバー社の⼈⼯クモの⽷が有名ですね。具体的には、クモ糸を構成する遺伝子配列を設計して、微生物にタンパク質を作らせることで量産を可能にしました。クモの⽷は、鉄鋼の約340倍の靭性があり、「バイオ×⾐料」の融合で高付加価値を生み出した代表例と言えます。

バイオ×個別化医療 バイオ×早期診断技術 バイオ×ゲノム編集

取締役COO 金:個別化医療では、2019年6月に健康保険でがんゲノム医療が受けられるようになりました。実際には、バイオデータと医療がどのように結びついたのでしょうか?

代表 山口:医療現場では、医師は、患者さんの様子や検査結果から、最も可能性が高い病名を予測し治療しますよね。複雑な要素を統合し行動できるのは、医学と医師の経験に基づく「人間の知能」によるものです。これに加え、患者さんの様子や検査結果、これまで見てこなかった遺伝子情報などのバイオデータをデータ化し、人工知能を病名の予測や治療に活用することで、バイオデータと医療が結び付きます。

取締役COO 金:AIによる画像分析は、まさにその通りですね。医師は、大量のレントゲン写真や病理画像をみる訓練を受けていますが、判断のばらつきのリスクや、負担も大きいです。自動化することで、医師にも患者さんにもメリットがあります。

代表 山口:がんゲノム医療で、診断支援に遺伝子データを活用するために、バイオインフォマティクスは最も重要な技術のひとつと言えます。今後は医療機器メーカーによる検査機器の開発が進み、検査が普及するでしょう。研究や検査が進むと、治療結果や遺伝子データが蓄積され、人工知能の開発がますます進みます。

「バイオ×個別化医療」のサイクルとしては、バイオインフォマティクスの最先端技術を実装し、臨床研究での探索的解析段階を経て、臨床現場への導入とデータ蓄積が進み、人工知能が開発されるイメージですね。

取締役COO 金:バイオデータ とヘルスケアはどのように結びつくのでしょうか?例えば、悪化して治療するよりも、早期発見・早期治療が実現すると、体への負担も経済的負担も少なくてすみます。日本は、世界的にも早い段階で⾼齢化社会を経験するので、先進的なモデルを形成し世界に発信していく役割がありますね。

代表 山口:「バイオ×早期診断技術」の例としては、尿や血中RNA検出技術を使ったがんの早期診断技術など、負担が小さく簡便な技術を持つベンチャーが誕生しています。将来的には、個人のリスクを下げる任意型がん検診だけでなく、集団の予防対策として行われる対策型がん検診でも使われるようになるでしょう。

取締役COO 金:ひとつひとつの細胞の遺伝子を調べる技術が発展したことで、免疫系の多様性の研究が進み、新薬開発に応用できるようになりましたね。

代表 山口:そうですね、「バイオ×ゲノム編集」の例として、患者さんやiPS細胞由来の免疫細胞を、ゲノム編集技術によって活性化し、がん細胞への攻撃力高める技術も注目されています。

バイオインフォマティクスの役割としては、日々進化する測定技術の開発や改良に柔軟に対応し、様々ながん種や疾病への適用を見据えた探索的解析段階を支えるデータ解析・蓄積システムを担うことができます。

次回は、バイオデータの新しい活用モデルについて話しましょう。

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