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【福祉書評15】『人生を豊かにする「菜根譚」の言葉』守屋洋著~答えがない中で考え続けることの大切さ~

新年ということで、私が愛読する「菜根譚」の入門編でもある、『人生を豊かにする「菜根譚」の言葉』(守屋洋著)をご紹介する。

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「菜根譚(さいこんたん)」は中国古典の一つで、一般の人から、経営者・政治家まで、人生訓として読んでいる人は多い。

しかし、原本は前集222条、後集135条から成っていて、非常に難解だ。

「菜根譚」が書かれたのは、戦乱の最中の中国の明代末期だ。

作者の洪自誠(こう じせい)による随筆集である。

昨年から続くコロナ禍による経済低迷や、テレビから流れる心が沈むようなニュースで、不安になる方も多いだろう。

1年先ですらどうなっているか分からない、先行き不透明な時代に、どう自分を磨き、どう生き抜くかの知恵を身に着けられる一冊だ。

「菜根譚」に色濃い思想は、「中庸」という姿勢

「中庸」とは極端な行動に走ることなく、その状況や時代に合わせ、「答えがない中で考え続ける」ということを重視する。

私が自分自身や社員にも言う、「凡事徹底」も中庸の精神からきている。

私がこの中で好きな名言をいくつか挙げる。

“「心をいつも落ち着かせていれば、 他人の意見に惑わされることもない」わが身を、いつもあくせくする必要のない状態に置いておけば、 世間の思惑がどうあろう と、いささかも動揺させられることはない。わが心を、いつも静かな境地に落ち着かせて おけば、世間の評価がどうあろうと、それによって少しもかき乱されることはない。(後集・四二)“

私は周囲の人の声で落ち込んでしまう、自分の意見を貫けないといった悩み相談をされることが多い。

情報があふれているこの時代に、マイペースを貫くことは難しいことだ。

私自身は、常に自分のペースや日課を崩さないように心掛けている。

忙しいビジネスパーソンほど、自分だけの時間を大切にしているものだと思う。

余暇を大切にすることが、新しいビジネスのひらめきにつながることも多い。

‘’「好調なときこそ慎重に行動する」元気盛んなときに不摂生を重ねれば、年をとってから病気が出てくる。羽振りのよいとき に無理押しすれば、 落ち目になってから報いをうける。元気盛んで羽振りのよいときこそ、 いやがうえにもにも慎重を期さなければならない。(前集・一 〇 九)‘’

私は事業が好調なときほど、慎重に行動しようと心掛けている。

今年は、「2020年末ご挨拶(https://anispi.co.jp/president_blog/post-3835/)」でも書いているが、社会問題解決のために必要な事業を拡張しつつも、管理部門を確立し「堅固な」管理体制を構築し、財務・人事・総務・直営管理などをしっかりと行い、質の高い福祉事業「経営」に邁進したい。

好調な今こそ、基盤を固めたいと思っている。

“「生半可な処世術を身につけるより、むしろ愚直であれ」人生経験が浅ければ、世の中の悪習に染まることも少ない。経験をつむほどに、さまざまな 駆け引きが身についていく。君子は、 なまじ世故にたけるよりも、むしろ愚直でありたい。バカ丁寧であるよりも、むしろ率直でありたい。(前集・二)“

組織のリーダーとしては、駆け引きも大切とはなるが、私は処世術よりも愚直に取り組むことに価値があると思っている。

そして、社員たちにもそうあって欲しいと思っている。

以上、3つ、お気に入りの名言をご紹介したが、「菜根譚」を読めば、人間関係や経営、心の強さについて、皆さんにも必ず役立つ教えが見つかるはずだ。

これを機会に、興味がなかったという方にもぜひ、手に取っていただきたい。

本年もアニスピホールディングスをよろしくお願いいたします!


2020年1月4日

株式会社アニスピホールディングス

代表取締役 藤田英明

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