今から4年前の2013年2月に会社を創業しました。それと同時に、一軒家を借りて創業メンバーと寝食を共にしながら毎日ひたすら仕事をする生活が始まりました。当時僕は27歳。体力も充分にあったし、独身というのもあって、仕事に全ての精力を注ぐことができ、とにかくやる気に満ちていました。
3年目で気付いた自分の疲弊
1年目
とにかく「自由」という感覚に満ち溢れていました。何をするにも自分次第。知識も経験もなかったですが、色々な方にお会いして知識をどんどん仕入れて、キャッチアップしていきました。創業メンバーも集まり、サービス開発も進み全て順調に思えました。また、大学時代に起業していたとはいえ小さく回していたので、経営の経験も実質なく、恐いもの知らずだったと思います。
2年目
サービスをローンチして、これからガンガン伸ばしていくぞー!とやる気に満ち溢れていました。サービスの反応もまだ探りながらの状態でしたし、数値も伸びていたので、このまま伸ばしていけば事業化余裕だろー!と思ってました。
3年目
それなりにサービスは動き出しており、本格的に事業化していかなくてはいけないフェーズに突入しました。しかし、当初想定していたように事業化が進まない...。もしかしてこの状態がずっと続くのだろうか...。現実ってそんな甘くないっていうけど、本当だわ...しかも、周りは結婚して子供が生まれたり、明らかに人生のステージが変わっている。にも関わらず、自分は一軒家で毎日ハードワークで結婚できる気配なんて全く無い。そもそも時間というよりも精神的に友達と仕事のことを忘れて遊んだり、デートをしたりする余裕なんて無い。マインドキャパシティ0。また、30歳になって明らかに体力が衰え、これまでの2年間のような勢いで走り続けるのは結構厳しいし、気力が持つかどうかも不安になり始めました。大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせながら毎日走っていましたが、ただのごまかしで実際超絶疲弊してました。
自分から仕事を取った時に何に幸せを感じるのか
事業形態にもよると思いますが、僕たちが取り組んでいる教育分野はとても足が長い分野です。したがって、2〜3年で一気に攻めて会社でっかくするぜ!と意気込んでいても、全然思ったように進まない。
そんな超絶疲弊している折、お世話になっている方から質問をされました。
Aさん「はるき君の個人としての幸せって何なの?」
自分「会社の成長を通じて社会に価値を提供することです(かなり省略してます)」
Aさん「それって仕事を通じた幸せでしょ?仕事抜きにして、仮に今の仕事がなくなったとして、何に幸せ感じるの?」
自分「...(仕事しかしていないし、仕事するのが生きがいなんだから、そんなこと言われても...)」
この会話からしばらくして僕は気付きました。毎日、事業化のことしか考えられず、夢でも考えて、睡眠効率は悪く、視野もどんどん狭くなり、発想も貧困になっている自分に。加えて、このタイミングで創業メンバーが辞めると言ったり、資金が底をつきそうになったり。そして、資金が底を尽きそうなタイミングで思いました。あれ...俺からこの仕事取ったらただの廃人出来上がりだわ、どうしよう...と。自分から仕事を取ったら空っぽの人間になってしまう。実は僕はとても貧しい人なんじゃないか。結婚式呼ばれたら、お金でてくなーやだなーとか正直思ったりしていて。友人の結婚祝えないってやばいなと。もちろんやりたい仕事ができているのは幸せです。ただ、仕事以外に自分の幸せがないって、すごく人生として貧しいんじゃないか、僕の人生は現状豊かではないんじゃないかと考えるようになりました。
冷静になって考えてみると、体力的にも今のペースで走り続けるのは困難だし、このままでは自分が壊れてしまうと客観的に自分を見れるようになってきました。
そこで、自分個人としての幸せや人生の豊かさについて真剣に考えるようになりました。結婚、年収、働き方etc...例えば、結婚して子供が生まれた時に今の生活では明らかに子供に良い教育環境は用意してあげられないし、妻にできることも精神的にも物理的にも少なそうだし、親が病気になったり介護になった時に、親の面倒を見るだけの余力もない。今みたいな刹那的な働き方はいかんわ、もっと自分のことを大事にしなきゃだし、周りの人を大事にできるような生き方をしなきゃいかんなと気付き始めました。
結果が出なくても継続的に走り続けるには、個人としての幸せを考えることが重要
仕事そのものにやりがいや生きがいを感じることはとても素晴らしいことだと思います。ただ、仕事だけしか自分の幸せを感じないとなると、結果が出ない中継続的に走り続けるのはなかなかしんどいなと個人的には思っています。結果が出ない中でも継続的に走り続けるためには、個人としての幸せが何なのかをきちんと把握し、仕事以外の幸せを担保しておく必要があると思います。仕事そのもののやりがい以外の強いモチベーションが多ければ多いほど、仕事は頑張れると思います。パートナーを幸せにしたい、子供に良い教育を受けさせたい、友達と行きたい時に旅行に行ける、美味しいものが食べれる、広い家に住める、なんでもいいと思いますが、欲望がはっきりしてる人ほど仕事はどんな状況であっても継続的に頑張れる気がしています。
個人としての幸せを考えるようになったら途端に事業は急成長
当時付き合っていた彼女と事業がうまくいったら結婚しようと思っていましたが、それは家庭を持つことで自分1人ではコントロールできない領域が増えることを嫌がっている、ただのリスクヘッジだということに気付きました。そこで、まずは一軒家を解散して彼女(現妻)と同棲をスタート。その後、全然事業はこれからでしたが結婚を決意して、即入籍しました。
続いて、結婚したのもあったし、創業メンバーが辞めてこんなダメダメな僕に見切りをつけず残ってくれたメンバーを僕は幸せにしないとあかんと思って、とにかく必死に営業しました。結果、売上はどんどん伸びていきました。これまでうまくいかなかったのが嘘かのように。僕を含む妻及びメンバーという身近な人の幸せのために頑張ったからこそできたことだと思います。
新しい仲間が入り、事業は拡大フェーズへ
ちょうど1年前、僕は明らかにどん底でした。ですが、自分の幸せについて再考した結果、自分の欲望が何で、自分が何のためなら頑張れるのか、走り続けられるのかがよくわかるようになりました。その結果、事業は拡大していき、僕のモチベーションも息を吹き返して発想も広がっていきました。一時期は僕とエンジニアの2名だけになった会社も、メンバーが増えていき、さらに新しい仲間を積極採用できるようにまでなりました。働き方についても、メンバーにはなるべく残業はしないようにいつも声がけをしています(職種によりますが、実際ほとんど残業なし)。いまだに僕はハードワークですが、少なくとも徹夜はほとんどなくなりましたし、友達と旅行に行ったり、妻とたまに出かけたりするくらいの余裕はできてきました。働くモチベーションって仕事だけではなく、例えば彼女と前日デートしたとか、イケメンとご飯食べたとか笑、子供とゆっくりご飯が食べれたとか、好きなアニメが観れたとか、人間として豊かであることが重要だと思っています。例え経営者であったとしても。賛否両論あるかもしれないけど、会社の代表として走り続けるため、Creativeであるためにも、豊かでありたいです。
最後に
僕は、本当に不器用ですし、凸凹が激しい人間です。ただ、学ぶことを止めることはないし、不器用なりに成長をしていこうとはします。
これからまだまだたくさんの課題と向き合うことになるでしょうが、不器用なりに真摯に向き合っていきたいと同時に、会社は1人で大きくするものではないので、自分ができないことはできないと素直にカミングアウトして、自分の強みは生かし伸ばしつつ、不得意な部分は優秀な仲間たちに任せる、多様性に溢れたチームを作っていきたいなと思います。
最後に告知で恐縮ですが、現在弊社では幾つかのポジションで積極採用中です。一緒に成長していける「仲間」を募集しています。至らぬところばかりかもしれませんが、この会社に入ってよかったと思ってもらえるように引き続き頑張っていきたいと思います。
それでは!
株式会社ARROWSでは一緒に働く仲間を募集しています