【致知とは】
「致知(ちち)」は、人間力を高めることをテーマにした月刊誌です。各界で道を極めた方々の生き様や言葉が詰まっており、「人間学を学ぶ雑誌」とも呼ばれています。
正直、会社で購入するように言われなかったら、自分から手に取ることはなかったと思います。タイトルも内容も、これまでの自分とは少し縁遠い世界に感じていたからです。
しかし、実際に読んでみると、思っていたものとまったく違いました。華やかな成功談よりも、挫折や苦難をどう乗り越えてきたか、人としてどう在るべきかという話が圧倒的に多く、有名な経営者やアスリートが登場するのに書かれているのは弱さや葛藤の話でした。そのギャップが、逆に言葉の重さを生んでいるのだと感じました。
読み進めるうちに気づいたのは、登場する方々に共通していることがあるということです。それは、どれだけ結果を出している人でも、「人間としての土台」を何よりも大切にしているということ。結局、そこがなければ何も始まらないんだなと、改めて痛感しました。
【致知を通じての変化】
大会では様々な企業の発表がありましたが、中でも株式会社千坂さんの発表が印象的でした。
テーマは「利他の心」。個人の都合や自分さえよければいいという考えから離れ、会社は社員の人生を守るために存在し、社員はお客様に喜んでもらうために仕事をする——そのシンプルだけど深い考え方が印象的でした。
「お客様にどうやったら喜んでもらえるか」を突き詰めると、結局は人間としての成長が問われる。スキルや知識よりも先に、どういう人間であるかが土台になります。そのことを、発表を聞きながら改めて感じました。
スポーツの世界でも、強いチームには必ずと言っていいほど「自分ではなく、チームのために」という文化があります。個人の欲よりも、チームの勝利を優先できる人間が集まった時、チームは本当に強くなる。千坂さんの発表を聞きながら、その本質はビジネスでも変わらないのだと思いました。
【「挨拶・返事・靴を揃える」】
大会の最後には、致知出版社の藤尾秀昭さんによる講演がありました。
藤尾さんが伝えてくださったのは、「挨拶・返事・脱いだ靴を揃える」という話でした。一見、とても地味なことです。でも藤尾さんは言いました。「これが教育であり、躾の原点だ」と。
当たり前すぎるからこそ、できていない人が多い。当たり前のことを当たり前にやり続けることが、人間としての土台を作る。その言葉が、胸に刺さりました。
「挨拶・返事・靴を揃える」。どれも習ったことのある話です。でも正直、社会人になってからその大切さを改めて意識していたかと言われると、自信を持ってそうだとは言えません。だからこそ、藤尾さんの言葉は刺さったのだと思います。
私自身、サッカーをしていた頃を思い返すと、強いチームほど挨拶がきちんとしていました。練習前後の挨拶、コーチへの返事、道具の片付け——そういう基本的なことを徹底しているチームが、苦しい試合で勝ち切ることができる。逆に、そういうことが雑なチームは、苦しい場面で必ずほころびが出ていた気がします。当時はなんとなく感じていたことですが、藤尾さんの言葉を聞いて、その理由がはっきりとわかった気がしました。
基本的なことを馬鹿にせず、丁寧にやり続ける。それが積み重なって、人としての信頼になり、土台になる。どんな場所でも、どんな仕事でも、結局そこに戻ってくるのだと思います。入社3ヶ月の自分に、あらためてそのことを教えて頂いた一日でした。