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“安定したスタートアップ”を経験できる、アバナード関西の面白さ
日本のDXが「周回遅れ」と言われて久しいですが、その目を日本国内に向けてみると、東京と他地域においても大きな格差が見えてきます。
2018年、関西地域のDXを盛り上げるべく誕生した、アバナード関西オフィス。
開設から数年、いま彼らの現在地はどこにあり、どんな未来をみているのでしょうか。そして、アバナード関西が秘める、可能性と面白さとはどういったものなのか—。
アバナード関西メンバーの杉本 礼彦さん参加のもと、関西オフィスのトップである西日本統括責任者、住岡 晋一郎さんに話を伺いました。
※このインタビューは2021年9月13日に実施されました。
[ 写真左:住岡、右:杉本 ]
住岡 晋一郎(すみおか しんいちろう)/西日本統括責任者
大阪大学 大学院工学研究科修了。BPR(ビジネスプロセスエンジニアリング)への関心から、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)に入社し、エンジニアとして経験を積む。その後、日本ユニシス社、リアルコム社を経て、2011年アバナードへ。SharePointエンジニア、セールスとして活躍した後、2018年9月より現職。
杉本 礼彦(すぎもと よしひこ)/シニアディレクター
ソフトウェアエンジニアから30歳で株式会社ブリリアントサービスを設立。スマートフォンアプリ、スマートデバイスの受託開発を展開し、2013年にメガネ型ウェアラブル端末「mirama(ミラマ)」を発表し、国内外から注目を集める。2017年に同社をコグニザント社に売却し経営から退き、2019年5月アバナードに入社、関西オフィス所属。
「人」に向き合い、組織の礎を築いた一年
——住岡さん、アバナード関西のこの1年はいかがでしたか??
住岡 晋一郎(以下、住岡):アバナード関西にとって、この一年はすごくいい時間だったと思っています。これまでどこか固まりきっていなかったものが、1年間で地固まり、組織になったなという印象です。
私は、アバナード関西に加わってくれた人が、そこでしっかり働き続けられる環境があること、安心して働ける土台があることがめちゃくちゃ大事だと思っているんです。
だから、組織規模を求めるとか、ビジネスを先行させるというよりは、働きたいと思ってくれた人たちが、気持ちよく働けるような環境づくりにみんなで取り組んできて、それが結果として今に繋がってきたように思います。
——ビジネスよりも「人」「組織」にこだわって来られたと。
住岡:極端に言ってしまえば、そういうことですね。アバナードのビジネスは、人と組織の上で成り立つものですし、関西に進出して規模を急拡大したのはいいものの、あるタイミングで崩壊してしまったら意味がないですからね。
我々のビジネスの場合、マネジャーレベルの人材がプロジェクトを回していく要になります。マネジャーを頂点にして、その下にメンバーがつくことでピラミッドを形成し、ピラミッドごとにプロジェクトを担いますから、マネジャーが増えないことにはメンバー自体も増やせません。
メンバーが増えすぎるとケアしきれないですし、ケアしきれていないと、「何やってるかわからない」「自分がどこに所属しているか分からない」という人たちが増えていく。そうすると組織としては崩壊してしまいますから。
現在は全体で32名。4人のマネジャー陣が組織を支え、いよいよ、ビジネスの基盤が整ったという感じがしますね。
——杉本さん、マネジャーのおひとりとしていかがですか?
杉本 礼彦(以下、杉本):社内に向けても、社外に向けても、お客さんに向けても、アバナードには関西オフィスという組織が存在するぞ!というのを、これまで地道にアピールしてきました。住岡さんが言うように、組織が整ってきて、ようやく関西のビジネスができ始めたなぁという実感があります。
▲左:アバナード代表取締役の安間社長Tシャツを着てインタビューに望む、住岡さん/右:アバナード関西所長である住岡さんのTシャツを着てインタビューに望む、杉本さん。仲の良い様子がうかがえる。
想定外人事でスタートした、アバナード関西
——遡ること3年。どのような背景で、アバナードの関西オフィスを立ち上げることになったのですか?
住岡:アバナードの生みの親であるアクセンチュアが、関西オフィスを開設したところに連動する形で立ち上げたのは、ある意味事実です。アバナードは、アクセンチュアがマイクロソフトビジネスを動かしていくためのエンジンなので、それに応えるため、というのは我々が関西に存在する意義のひとつではあります。
ただ、我々はテクノロジー集団でありユニークな会社ですから、アクセンチュアのためだけに存在するのでは面白みがない。マイクロソフト専業ベンダーは関西にはないですし、世界各国で培った経験を活かし、関西地域のDXやグローバル化を牽引していくという意思が、そこにはありました。
——住岡さんはそれをリードする立場にいらっしゃいますが、自ら手を挙げられたのですか?
住岡:そうではなく、当時の上司だった営業本部長の橋本さんに、「(責任者に)推薦しといたよ」と突然言われまして…(笑)
関西オフィスを設立することは全社ミーティングで知っていましたが、まさか自分がリードする立場になるとは思っていませんでしたね。
——そうだったんですね。でも引き受けたということは、きっとそこに思いや考えがあったんですよね。
住岡:私は神戸で生まれ、神戸で育ち、就職して東京に出るまでの時間をずっと関西地方で過ごしました。ですから、率直に面白そうだと思いましたし、関西に仕事という形で貢献できるのは純粋にありがたいなと思いましたね。
また、私自身のキャリアステップとしてもいいタイミングでした。
——と言いますと?
住岡:どこか飽きっぽい性格があるので、これまでだいたい6~7年で転職をしていたんですね。アバナードの場合は居心地がよかったので、社外に気持ちが向くことはなかったですが、入社して7年ほど経っていたので、何か変化を加えたいと思っている時期ではありました。
——そうして責任者が決まり、関西オフィスが立ち上がったわけですね。
住岡:まぁ、立ち上がったといっても、プレスリリース配信時は、ふわっとしたイメージはあるものの、何も具体的になっていなかったですし、関西オフィスのメンバーは0人だったんですけどね(笑)
杉本:そういえば、僕のアバナード入社が決まってはじめて住岡さんに会った時、「え?関西オフィスに入社するの?」みたいな感じで、目が泳いでいましたよね。あの目は忘れないです(笑)
住岡:あの頃はまだ、採用フローも整ってなかったですからね。現在は採用フローもきちんと整って、関西オフィスに入社される予定の方の面談は、必ず関西メンバーが行います。もうそんなことはないので、安心して応募してきて欲しいです(笑)
▲ちょっと目が泳ぐ住岡さん
アバナード関西は、超安定の外資系スタートアップ
——東京と関西では、同じアバナードでも雰囲気も違ってきますか?
住岡:数百人規模の組織にジョインするのと、数十名ほどの組織にジョインするのでは全然違いますよね。東京からの移籍組ばかりで構成されているのではなく、アバナード関西オフィスに新規採用された方が大多数なので、アバナードのことを知らない人ばかりで新たな組織をつくっています。
——新しい会社をつくる、そんなイメージに近いですね。
杉本:まさにそうです。実際、採用面談のときも「関西オフィスはスタートアップです」って言うこと多いですね。
欠点としては、多くのことを並行してやらなければいけなかったり、雑用もあったりと、そういうことは絶対あります。その一方で、自分が早いうちに入って成功して、そのビジネスに貢献できたときのうまみってあるじゃないですか。
一般的に、スタートアップって不安定さもあるしリスクもあると思うんですが、アバナードは経営母体がしっかりしてますから。非常に安定したスタートアップですよ。
▲話し出したらアバナード関西への愛が止まらない杉本さん
住岡:ビジネス的な視点で言うと、現状は、関西オフィスは少ない人数なので、アバナードが提供できるサービスすべてをカバーすることはできません。どのビジネスをやっていきましょうかと、みんなで話合いながら進めているのが現状です。
そのビジネスの選択肢を増やしていくのも楽しさのひとつですし、それを大きくするのも楽しさのひとつです。そういう意味でも、スタートアップ感があるんじゃないかなと思いますね。
——実際、関西ではどんな方が活躍されていますか?
住岡:全員が全員ではないですが、結構アグレッシブというか、いろんなことに手を出したいというか、そういった気質を持った人が多い気がしますし、そういう人を採用してきた気がします。
たとえば「この技術にフォーカスして仕事したいです」という方は、現時点だとなかなか馴染みにくいかもしれません。もっと大きくなってくると、また違ってくるんですがね。
とにかく、我が事として「全部自分でやってるんだ!」みたいな気概を持ったような人や、「新しいことやってやろう!」って熱い気持ちを持った人が多いです。杉本さんが典型ですよ。
杉本:自分の打席がいつ回ってきてもいいように、結構気合入れて待ってる人が多いですね。
——ビール作り「TECH BEER」を含め、関西オフィスは面白いことも積極的に取り組んでますよね。
住岡:面白いことはどんどん取り組んでいきたいと思っています。アバナードは基本リモートワークを継続しているので、雑談機会を極力減らさないように、ミーティングやオンライン飲み会など、できるだけ会話の機会を設けていますね。
杉本:「熱いエネルギーを消さないようにしたいですね」っていうのは、よく住岡さんと話しますよね。なんか面白いことできへんかなって、しょっちゅう言ってます。
数字との乖離の裏にある、ブレない意思
——スタート当初は、3年で100人規模を目標にされていましたが、やはり計画通りにはいかない難しさもあったのでしょうか。
住岡:そうですね。関西に来てみてはっきりしたことは、東京に比べて圧倒的にIT系人材が少ないということ。そうしたことも関係して、東京にいながら立てた計画通りの数字にはならなかったという事実はあります。
とはいえ、一度は目標に掲げた数字ですから達成したかったですし、反省すべき点もあります。
でも、それを達成することよりも、先に申し上げたように、組織として安定してやっていける方を優先したかったという思いがあります。
マネジャー4人とともにしっかりと立ちあげられたので、さらにマネジャーの採用が広がっていけば、ここからさらに組織を拡大する可能性は広がっていきます。
——組織づくりで気をつけていたことはあるのでしょうか。
住岡:コミュニケーションを多くとって、働いてくれているメンバーが今どうなのか?というのは気にしてますね。新しい人ばかりなので、アバナードに馴染んでもらう、関西オフィスに馴染んでもらうのがやっぱり大事ですから。
おかげさまで、去年は誰も退職することなく、従業員満足度調査の回答率は100%を達成したので、それはひとつ誇りに持っておこうかなと思ってます。
——杉本さん、関西メンバーの視点からみていて、いかがですか?
杉本:もう顔を見ていただいたら分かると思いますが、住岡さん、いい人なんですよ。当然、求めることははっきり言いますが、その中でも温かさを感じるというか。
勝手ながら、過去に挫折をした経験があるんじゃないかなと。人が挫折する気持ちを知ってるんで、そういう人を見捨てないんですよ。
▲「いい人」感が滲み出ている住岡さん
住岡:まぁ長いキャリアですから、途中でお休みした経験なんかもありますよ。誰しも、嫌なことをやっていても続かないし、無理をしても続かないですからね。
そうしたところは、できる範囲で僕のところで受け止めてコントロールしたり、気にかけたりはしています。
たとえばですが、もし「ビジネス」と「働く人たちの満足度」を天秤に掛けなきゃいけないとしたら、「満足度」の方を優先したいという思いでいますね。
これからの関西が秘める、面白さと可能性
——いよいよ組織基盤が整った現在、アバナード関西の面白さはどこにあると思いますか?
住岡:まずビジネスにおける面白さでいえば、関西には製造業の現場が数多く存在します。小さくてニッチだけど実は世界的に有名な企業があったり、これからグローバルを目指そうとする会社があったりと、DXによる今後の可能性を秘めた企業がたくさん存在していることですね。
でも、そこにまだ我々はリーチできていません。そうした企業のビジネス拡大のお手伝いをしていきたいし、そうすることで、我々のビジネスも大きくしていくことができます。
その中で本当に面白いことができるんじゃないかなと思っているので、これからアプローチを進めていきたいと考えています。
組織という面でいえば、私はいろんな人が働ける場所にしたいなと思っていて。
多様性というのは大事なキーワードのひとつですが、人数が少ないとそもそも多様性を実現できないので、今後は組織を拡大していくことにも注力していきたいです。
ですから、これから組織が大きくなっていく、そこに関わっていく面白さというのはあるのではないでしょうか。
——杉本さん、すごくニヤニヤされてますね。
杉本:僕は、関西の面白さってやっぱり住岡さんかなと思ってて。
優れたマネジャーって、バランスシートでは見えないところをいかに見抜くかだと思うんですが、住岡さんはそこをズバリ見抜いてらっしゃるなって。
技術者のモチベーションなんて、バランスシートには出てこないですからね。
損益分岐だとか、数値目標の100人を追っていたら、この「密造酒計画」(アルコール度数1%以下)をあっさり受理しないですよ。
——TECH BEERは、密造酒計画だったんですね(笑)
杉本:そうそう。やっぱりそこで、メンバーを大切にしているのが感じられてしまうんですよ。
僕は関西の一番面白いところは住岡所長だと本気で思っていますし、この人が仮に関西所長じゃなくなったら困ります、というのが、関西メンバーの気持ちです。
——関西メンバーの熱い思いが伝わってきます…!
住岡さん、今後どんな方にメンバーに加わってもらいたいですか?
住岡:アバナードという場所を使って自分を輝かせたい、みたいな思いがある人に来ていただけると嬉しいなと思いますね。
マイクロソフト技術を極めたい人っていう人、関西のビジネスを大きくしたいみたいという人、面白いことやってみたいって人も。
そういう前向きな意欲がある方だと、楽しく仕事ができると思うので、ぜひ一緒に働けるといいなと思っています。
▲終始、笑いの絶えないオンラインインタビュー