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ハエの解剖からマーケティングへ!?研究と商品企画の意外な共通点。

ビーズに入社し約4年となった商品企画部の緒方。
大学院では応用生物学を専攻していた理系男子。成人病の解決の糸口を見出すためにショウジョウバエの研究をしており、将来は食品か製薬の研究職をと就活。内定も出ていましたが、何故か、モノづくりをしているビーズ株式会社へ入社することを決めました。今日はその人事担当から見た採用の思い出と何故ビーズだったのか、緒方の現在を綴ってみようと思います。

人事担当者からみた採用の思い出

当時、私はビーズで人事担当者に着任したばかりで慣れない日々でしたが、緒方はじめ素晴らしい人材の出会いのおかげで、梅雨頃には採用計画の終了を迎えようとしていました。内定を出した方にメルマガを配信したり、メールでやりとりをしていたり。こういう時期が一番楽しいなと、人事という仕事っていいなと感じていました。

人事としての喜びを噛み締めていたある日、内定を通知していた緒方から「正直入社するか悩んでいる。」と、それはもうストレートなメールが届いていました。

メールにはそれ以外にも、就職に対する自身の考え方やこれまでの背景、今後のスケジュールが端的に書かれており、メールの最後には「研究職として進むか、ビーズに入社するか、今一度考える上で、第一線で働くビーズ社員とお話をさせてほしい」とありました。

採用計画のことが頭をよぎりましたが、メールと見て「本人が納得して一番必要とされるところに行ってほしい」思いました。

メール内容を経営陣に報告したところ、同様以上の気持ちだったようで、緒方の希望に応じ、DODのブランド責任者達との時間を設ることとなりました。

当日、緒方とブランド責任者達との話は1時間もかからず、「仕事のやりがいとかこれからの夢なんかについて質問があったから回答しておいた」とのことでした。

緒方の反応がまったく分からない状態で、それから一ヶ月近く返事を待ちました。
予期もしないタイミングで緒方から「ビーズに入社します」と、これまた端的な内容のメールが。

それから半年を過ぎ、緒方含め5人の新入社員がビーズに入社。
新入社員5名は入社前に、花見をしたり、一人暮らしをするという新入社員の引っ越し先を一緒に見つけたりと、私が知らないうちに積極的に交流をもっていたそうです。
初出社日となった4月1日は、「社内で使用するスリッパを新入社員でお揃いにしました!」と、色違いのスリッパを携えてドヤ顔で初出社。
「君たちと同日入社のキャリア採用が1人いるねん…」と思った記憶があります。

そうして5人はお揃いのスリッパを履いて、ビーズで社会人としての一歩を踏み出しました。


最前列の6人が同日入社。※ど真ん中の女子はバズの神様です。

入社を決めた理由

入社から数日経った頃、緒方に「ビーズで本当によかったの?」と聞きました。

「正直、研究職とすごく迷いました。大学院での研究は、成人病解決の糸口に貢献できるかもしれない内容で面白かったし、ビーズへ入社となれば、これを活かせないかもしれない。

それに「研究職になれなかったから中小企業?」と思われたくなくて、真剣に考えたいから時間がほしいとメールしたら、すぐにドッペルギャンガーアウトドア(DOD)というブランド責任者と話ができる機会をもらえてよかったです。

あの日、やりがいや今後の夢なんか質問させてもらいました。
責任者Tさんが『今はまだ小さなブランドだけど、いつか絶対誰もが知っているブランドにするのが目標』って語る姿を見て、素直にめちゃめちゃかっこいいなって。

自分でブランドを育てていくなんて、雲を掴むような話だと思っていたけれど、先輩が描いている未来を聞いて「中小企業こそ、いろんなことに直接関わっていける環境かもしれない」 って。だから、僕はビーズに入社したんです。」

そうはっきりと答えてくれました。

採用する側としての責任をひしひしと感じました。
ビーズで働く期待やワクワクを裏切るようなことはできないな、例え、採用計画が未達成に終わったとしても正直に真摯に語っていこう。そんな人事としての責任や在り方を、緒方の言葉から学ぶことができました。


入社した緒方。

新入社員と鈴なりで初出社した緒方。

OJT研修で全部署をまわり、最後に1ヶ月ほど製品サポート課にてコールセンター業務を経験したのちに、念願のDODを担当する商品企画2課に配属。

配属後しばらくは、ずっと市場調査がメインの仕事でした。
「このコンセプトで商品をつくると、他社ならどんなスペックになるか?」というお題について、ひたすら調べ一覧にまとめる。

またある日には、「テントの支柱に使うポールの直径と厚みを調べて」というお題が先輩から出され、ネットサーフィンをしながら一つひとつ製品ページを確認。詳細をみれどもスペックが書かれていないものもあり、直接調べるしか道はない。

「ちょっと面倒なことになってるぞ」と思いつつも、いろんなポールを買い集めては、ひたすら直径や厚みを計る日々。

こんな日がいつまで続くだろう。

正直私だったら、そう思っていたかもしれません。
が、明確な目標を持って働いている人ってどこか強いのでしょう。そうした市場調査漬けの日々でも、商品開発のアイデアを企画・提案し、先輩社員達に追いつけとばかりに本を読み漁り、責任者の目線に立つ努力をしていました。
言葉で表すなら、頑張っているじゃなく、本気なんだなと。

その本気が実を結んだのは、ビーズ1年目が終わろうとした時でした。

研究とマーケティングの共通点。

緒方は、ついに自分の提出した企画が通り、企画開発の業務を担当するようになりました。

採用された企画は、 ワンポールテントのポールにワンタッチで取り付けできる「UFOライト」というモノ。

ワンポールテントはスタイリッシュな外観、組み立ての手軽さから人気のテントです。 しかし、テントの真ん中にポールを設置する必要があり、ポールが邪魔でランタンを吊り下げにくいという不便さがありました。

その問題点となっているワンポールテントのポールを有効活用し、 ワンポールテントの支柱上部にライトをガシッと挟み込むように付けられる形状にしたのがUFOライト。
暖色系のLEDライト28個を広く配置し、テント内に光が均等にゆきわたるように設計し、キャンプでのリラックスシーンを演出してくれる製品となりました。

このUFOライトでは、ポールの直径と厚みをひたすら計ったあの経験が活きました。
開発中、どれくらいのポールに対応できるように設定すればいいだろうとなった時、「!?…これ調べたことある」と本人にとっても衝撃な出来事だったようです。

一見ラッキーな出来事にも見えますが、あの「テントの支柱に使うポールの直径と厚みを調べて」というお題に本気で取り組んだからこそ、生まれた企画だったのかもしれません。

また、こういた企画開発の業務を通じて研究と共通する点があったことにも気づきました。
まず仮説を立て、それを実行して検証して次を考えるという工程は同じだということ。
大学院研究室時代から築いてきた思考力、経験は活きていました。

仮説・検証した商品を開発し、リリースし、開発担当者としてメディアに登場し製品の魅力を語れる-というのは、中小企業ならではの意思決定のスピードゆえだとも思います。

緒方、メディアにも登場。そして隣の人間国宝になる。

入社2年以降の緒方。開発業務とDODの広報を兼任し多忙な日々でしたが、ブランディングとモノづくりへの情熱はとどまることはありませんでした。

星空を見ながら眠ることができる「ほしぞらテント
小さいお子様でもひとりでお片付けできる「くるくるシュラフ
時には、DOD以外のブランドからも、趣味のマジックを応用した「サプライズ名刺入れ」や「ノマドスーツケース」等、次々と今までの市場ではあまり見られなかった商品を開発。

商品のユニークさもあって、緒方の開発した商品は数多くのメディアで取り上げられるようになりました。緒方が初めてTVに登場(確か、「WBS トレたま」だったと記憶しています)した翌日は、「TV見たよ!」とともにエールが飛び交っていました。

「TVを見たおばあちゃんが喜んでました」と嬉しそうに言っていたのを聞いて、「ビーズで活躍している緒方さんに、ご家族は不安もあったかもしれないけど、今となっては喜んでくれているんだろうな」と感じました。

昨年は、緒方が開発した「ノマドスーツケース」を取材したいと海外(タイ)メディアが来日され、海外メディアの数々のオーダーにも笑顔で応える等余裕を見せていました。

また、とある雨の日。
突然、突撃訪問~!ということで、関西TVの方がお越しに!
軽いパニックになりましたが、突撃取材の方の目に最初にとまったのが、緒方が開発した「ほしぞらテント」でした。

開発の背景等、熱意をこめて話していた緒方の様子に、
「君、おもろいな、すごいな」と、隣の人間国宝の認定マークをいただけることに・・・!
※関西の方なら、あの番組か~となりませんか?

認定マークは社内で大切に保管しておりますが、希望者にはご来社の際、お見せしています。
※「見てみたい!」という方は、ご連絡ください。


クレイジーが褒め言葉。

ビーズは企画に特化し、アジア圏の協力工場と協力して生産するファブレスメーカー(生産のための工場を自社で持たない会社)という位置づけです。そのため、 自転車用品やアウトドア関連用品を中心に、オフィスチェア、インテリア関連用品、ペット用品、ギター等、多岐にわたる商品を展開しています。

Having fun?-というコーポレートスローガンのもとに、他にはないモノ(FUN)をつくっていますが、 単に“面白そうだから”という理由で開発していません。

例えば、人型寝袋。
業界のスタンダードは手足が出せない封筒型ですが、現代のキャンプでは就寝前でもみんな電子機器は触ります。今までは封筒型が当たり前だから踏襲してきてた寝袋に手足をつけてみました。これまでだったら「ない」カタチですが、論理的に考えれば合理的だと思いませんか。



私たちは感性のおもむくままにつくり、それがこれまでたまたま上手くいった、というモノづくりはしておりません。
・誰が使用しているか
・世の中の流れはどうなっているか
・自分たちが掲げるブランドコンセプトに合致しているか
こうした考えのもとで、そういったことをしっかりと狙い企画しています。

時には企画内容を協力工場に伝えると
「 こんなの作れないよ 」
「 こんなこと言ってくるのはお前たちくらいだ、クレイジーだよ! 」
と言われることもあるそうなのですが、実は、そうした言葉は、「いままでにないものを作る」という企画開発精神に対する、最上の褒め言葉でもあるそうです。

これからも、もっともっと、ビーズからたくさんのFUNを届けたいと、 そして、誰もが知っているブランドに向けて、緒方は今日も働いてます。


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