【検証】PayPayのPR効果を数字で出してみました ~PayPayのマーケティングは成功だったのか?~

※2019年3月5日:MMD研究所が実施した「2019年1月 QRコード決済サービスのキャンペーンに関する調査」の結果を追記しました。


ビルコムの田中です。12月のボーナスシーズン前、良くも悪くも注目を浴びたスマートフォン決済サービス「PayPay」。サービスリリースと合わせて実施した100億円還元キャンペーンはマスメディア、SNS上を騒がせ、特にビックカメラでの家電購入を口コミするシーンが目立ちました。

「PayPay」以外にも、「LINE Pay」や「Origami Pay」などキャッシュレス時流が流れる中、戦国時代の様相を示しています。

今回は当社が提供するPR効果測定ツール「PR Analyzer」を使って「PayPay」のメディア露出の効果を数値的に可視化すると同時に、他キャッシュレスサービスとの露出比較を実施してみました。

「PayPay」とは

ソフトバンクとヤフーが2018年6月に設立した合弁会社PayPay(東京都千代田区)は7月27日、バーコードやQRコードを活用したスマートフォン決済サービス「PayPay」の提供を2018年秋から始めると発表しました。

参照記事

2018年12月4日から、「100億円あげちゃうキャンペーン」を2019年3月31日まで実施すると発表し、大きく話題になりました。

「100億円あげちゃうキャンペーン」を起点に大きく盛り上がり

【図1】

PR Analyzerは、クラウド型のPR効果測定ツールで、ブランド名を登録することで、Webやテレビ、新聞、雑誌の4マスの露出効果をクリッピングして一覧化するものです。

まずはトレンドの反映が早いWeb記事の掲載数推移を、PR Analyzerで取得してみました。ここは予想通り、100億円あげちゃうキャンペーンのメディア露出量が突き抜けていました。その後、システム障害やクレジットカードの不正などが発覚。一気に社会ごととされ、キャンペーン発表時の2倍以上の露出量となっています。2018年7月以降でみると、約3,700件のWebメディア記事数(一部言及も含む)がありました。(ネガティブ記事も何%か含まれるという前提ですが)Web露出量を広告換算費に計算すると、約45億円でした。

 また、同様にPR Analyzerで取得したテレビクリッピングデータを元に集計すると、テレビ露出(※1)の広告換算費は約58億円(コーナー単位で約130件)ありました(※2)。ただし、クレジットカード不正利用などネガティブ露出も24%(換算費ベース)あり、論調については課題が残りました。とは言え、WebとTVの露出量だけでも、広告換算費100億円を超えていることになります。

※1 PR Analyzerで取得したテレビ露出データは首都圏キー局を対象

なお、PR Analyzerで新聞・雑誌をより正確に測定をするには事前のクリッピング稼働が必要なので今回は省きますが、日経テレコンの「新聞トレンド」検索機能を使って、簡易的に新聞の露出推移も確認してみました。WebやTV同様に12月に大きく露出数を伸ばしています。

(参照)日経テレコン 新聞トレンドより http://ntrend.nikkei.co.jp/

次に、Web記事掲載量とTwitter投稿数の相関性を見てみると、キャンペーン開始直後にはそれほど大きく口コミされていないようでした。その後、障害等に関する報道が盛り上がったタイミングで、PayPayに関する口コミも大きく反応していました。

【図2】

 最後に、図3、図4にて競合3社(LINE Pay、Origami Pay、楽天ペイ)と比較した推移を見てみました。競合含めた4社比較をすると、各社コンスタントにメディア露出していますが、10月以降、PayPayのメディア露出が突出していることがわかります。LINE Payも還元キャンペーンで追随するなど、12月にメディア露出量が伸びています。Origami PayやLINE Payはコンスタントに露出をしているものの、それぞれの露出記事の中身を見てみると、キャッシュレス市場に関する記事の中で並びとして紹介されている傾向にありました。

【図3】


【図4】


本キャンペーン期間中、PayPayの認知度が大きくアップしたと仮定するならば、100億円還元キャンペーンの内容云々だけではなく、伴って発生したシステム障害や事件が起きたから、結果的にアップしたと捉えることがもできるかもしれません。

「100億円あげちゃうCP」のニュースはSNSの反響が強い傾向

PRの世界では、単に報道に関する量・質の検証だけではなく、その後のSNS波及まで含めてPR効果を測る動きが広がりつつあります。PR AnalyzerでもWeb記事ごとのFacebookいいね・シェア数ランキングを見ることができます。

今回のPayPayに関連する報道についても、SNSへの波及について見てみましょう。上位15位を並べてみましたが、反響が大きかった記事傾向が分かります。

反響が大きかった内容は「100億円還元終了」のニュースでした。100億円がわずか10日で消化されてしまった驚きや残念さなどが影響しているのかもしれません。

「PayPay」のマーケティングは成功だったのか?

今回のマーケティングでは、キモとなる「PayPayを使った購入」が促進されたことは自明でした。全額キャッシュバック等は含まれるものの、20%還元がほとんどだとした場合、約2週間で約500億円の流通額があったということになります。

PR的な視点からみた効果をPR Analyzerで検証しても、広告換算費が100億円超えていること、競合に比べ大きな露出シェアを獲得した点など、「PayPay」の認知率アップという点では大きく伸展したといえるでしょう。ユーザー還元やコンテンツに投資をすることで、メディア露出や口コミ波及に影響を与えるのは現代のマーケティングトレンドかと思います。

後半ではシステム面での課題に議論が集中してしまったものの、ユーザーへの補償や速やかな改修が行われることで、ユーザビリティは進化されることが期待されます。

今後は、玉石混交のキャッシュレスサービス市場において、ロイヤルユーザーの確保に向けた動きが始まるでしょう。今後も、メディア露出や口コミ動向を見ながら、ウォッチしていきたいと思います。

【2019年3月5日追記】

MMD研究所が行った「2019年1月 QRコード決済サービスのキャンペーンに関する調査」によると、2018年秋~冬に、各QRコード決済サービス会社が行ったキャンペーンの認知度では、PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」が62.6%でトップという結果になりました。この調査結果を見る限りは、キャンペーンはPayPayの認知度向上に貢献している、ということが言えそうですね。

終わりに

今回紹介したPR Analyzerですが、競合他社との露出シェアを簡単に比べられる「シェア・オブ・ボイス」機能を追加しました。

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