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2019年春、創業から1年に満たないビットキーは、九州は宮崎に拠点を設立した。宮崎拠点が中心となって担うカスタマーサクセスチームは順調に始動し、6月にはビットキーの合弁子会社ATOMicaがコワーキングスペースをオープン。目まぐるしい成長の背景にあるのは、想像を大きく超えた壮大な構想と、「宮崎」という地域に注がれた並々ならぬ情熱だった。
【プロフィール】
江尻 祐樹(株式会社ビットキー 代表取締役CEO)
1985年生まれ。大学時代は建築/デザインを専攻、DJやアーティストとしても活動。
2008年リンクアンドモチベーショングループに入社。入社2ヶ月目に初受注を達成、その後様々なコンサルタント業務に従事。
2009年末にワークスアプリケーションズへ中途入社。コンサルタント配属後1年でMVPを獲得。2014年、4000名の中から社長賞を受賞。数百名程度のコンサルタント・サービス組織の統括も経験。
2017年末、旧知のエンジニア中心にメンバーを集め、ブロックチェーン/分散システム研究会を発足。2018年8月、そのメンバーを中心に、分散技術を活用した、全く新しいデジタルID認証/キー基盤を開発し、事業化する株式会社ビットキーを創業。CEOとして新たなスタートを切る。
目指す未来は、スマートシティ
ーー地方進出を構想した理由を教えてください。
江尻:リアルとデジタルをコネクトした事業展開をしていく上で先進的にやれるフィールドが必要であったことと、その地域に話題が生まれて地域活性化に貢献できると思ったことが大きな理由です。
ーーリアルとデジタルをコネクトする、とはどういったことですか。
江尻:ビットキーは、改ざんできない「鍵」と「本人認証」のプラットフォームが中軸のテクノロジーかつ価値の源泉となっています。このテクノロジーは、スマートロックやモビリティーをはじめとした生活に根ざしたリアルなものにも、金融やスマートシティのデータの連動といったデジタル上でも応用可能です。そしてその「リアル」と「デジタル」は単独で存在しているわけではなく、特に現代では密接に繋がってきています。人と人、モノと人、事業と人といったあらゆるものを、デジタル上で安全かつ便利にコネクトしていくことがこれからの時代に必要とされる技術であり、価値が高いものであると我々は考えます。この思想が、ビットキーを創業した背景にあります。
ーーセキュリティ面が重視されそうな事業ですね。
江尻:おっしゃる通り、情報が漏洩したり、誤った認証がなされてしまわないよう、安心安全が約束されていなくてはなりません。一方で、安全性が高いからといって、毎回長いパスワードを入れないといけない、というのはユーザビリティに欠けます。気持ちよく、便利に使えることも重要な要素です。ビットキーのプラットフォームでは、「安心安全」と「便利さ」いうトレードオフになりがちな両者を同時に実現しようとしています。
ーーリアルとデジタルをコネクトする上で先進的なフィールドが必要というのはどういったことですか。
江尻:我々はスマートロックの事業以外にも、リアルな世界にデジタルをコネクトした様々な事業展開を想定しています。それらを実現していくために、いわゆる「スマートシティ」のような場所が欲しいと考えたんです。
イメージとしては、シリコンバレーにあるグーグルキャンパスです。総合大学のような規模で、様々な事業の開発を行うことを想定しています。その中には自社工場の設立も視野に入れていますし、今後展開していく事業の実験場としても活用していきます。モビリティー事業を例に挙げると、私有地なので自動運転バスを走らせたりもできますね。自社工場の隣にカスタマーサクセス部門を置けば、お客様の声をいち早く製品に反映させることも可能になると思っています。こういったスマートシティを実現することで我々の事業開発も格段に進んでいきますし、それを東京ではなく地方で行うことで、その地域が話題になって地域活性になるというメリットもあると考えました。地域活性化への貢献は大変意味があるものだと思っています。
「宮崎」というポテンシャル溢れる特別な場所
ーー全国を行脚した上で宮崎に決定したとのことですが、なぜ他の地域ではなく宮崎に拠点を立ち上げることにしたのでしょうか?
江尻:それには大きく分けて3つの理由があります。まずは立地的なポテンシャルの高さ。羽田空港と宮崎空港間は1日に30本近く飛行機が飛んでいるので、両拠点の移動がしやすいということが一つ。そして比較的土地に余裕もあります。スマートシティを作るには絶好の場所であると考えています。
2つ目は、宮崎の方々の人の良さ。県民性と言えるかもしれませんが、真面目でホスピタリティが高い方が多いように思います。カスタマーサクセスとの相性の良さを感じました。
3つ目は、宮崎の市や県の方々が、他の自治体よりも遥かにビットキーの事業内容やビジョンに共感してくれたこと。通常、地方進出をする企業は実績があることがほとんどなので、設立初年度に進出するという企業はこれまでほとんどなかったようなんです。そんな中で、宮崎の行政の方々はビットキーの事業やビジョンに価値を感じてくださり、設立間もない僕たちに「宮崎にぜひ来て欲しい」と言ってくれました。そのことも一つの決め手になりましたね。
ーー設立初年度に進出を決めたということですが、なぜこのタイミングだったのでしょうか。
江尻:我々は社員50人以下のタイミングで宮崎に進出しているのですが、スマートシティをいち早く実現するという理由の他に、もう一つ重要な理由がありました。まだ会社が小さい頃に進出すれば、いずれ1,000人、2,000人という規模になった時に「宮崎の会社」として認識されると思ったからです。地域活性化を実現することと同時に、地場の皆さんから宮崎に必要な企業として認めてもらいたいという思いがありました。
ーー地方に進出する背景としては「人件費を抑えるため」という理由が多いように思いますが、ビットキーはそうではないのでしょうか。
江尻:一般的にはその理由が一番多いと思っています。特にサポートセンターやコールセンターと呼ばれる仕事は効率追求型になりやすいポジションだと思っているので、人件費を抑えるために地方に進出するということは理解できます。しかし、ビットキーでは機械的な仕事はどのようなポジションであっても一切行いません。人間らしく、「働く」ということが楽しくなるような環境を作っていきます。そして仕事の成果に対しては、宮崎の基準では考えられないくらいの経済的リターンを得られるようにしていきます。そうすれば、純粋に頑張ろうという気持ちも働くと思うんです。
ーー東京に本社機能を置き、業務の一部であるカスタマー対応を支社に集約しているようなイメージでしょうか。
江尻:ビットキーでは、東京本社、宮崎支社、というような上下で紐付けされるような組織構造はしていないので、厳密に言うと少し違います。両拠点が得意とすることを組み合わせて、ビットキーという会社の価値を最大化させている、という考え方が我々の思想に最も近いです。
東京は、地域柄企業の本社が多いので、アライアンスやパートナーシップが強い。宮崎は立地面や人材等のポテンシャルが高い。どちらの強みもビットキーとして欠かすことはできません。全社的に大変重要視しているカスタマーサクセスという部門を切り取って、宮崎で担っているというイメージですね。
地場から愛される企業になるために
ーー宮崎拠点の立ち上げだけでなく、子会社の立ち上げも行ったのはなぜでしょうか。
江尻:私は「ユニットエコノミクスで考える」ということを大事にしています。複合的に考えて、正のスパイラルを生み出すということです。宮崎拠点を立ち上げるにあたっては、「コワーキングスペース」と「シェアリングキッチン」のオープンも同時に着想しました。現在、ビットキーの子会社ATOMicaがこれらの事業を担っています。
ーーどのような正のスパイラルを想定しているのでしょうか。
江尻:コワーキングスペースやシェアリングキッチンによって人が集まりやすくなり、入居している百貨店内のテナントにも人が流れやすくなる。シェアリングキッチンに関しては、これまで店舗を持つことが出来なかった方々がチャレンジするきっかけ作りにもなるし、宅配サービスが実現すれば中心市街地がさらに活性化する。コワーキングスペースで人と人の新たな繋がりが生まれ、これまでにないビジネスも生み出されるかもしれない。地域からは「ビットキーは面白いことをやっているね」と注目してもらえて、中には一緒に働きたいと思ってくれる人もいるかもしれないし、事業のことも知ってもらえるかもしれない。このような「三方よし」を目指しているんです。
そもそも我々は、コンタクトセンターの競合として人材を取り合うことをしていないし、何かの事業のコンペ相手になっているわけでもない。敵を作るような会社ではなく、地場の企業や人や行政と組んで新しい事業を生んでいく企業を目指しているんです。それは、まさに関わる方々が全員が幸せになるような会社です。
ーー最後に、今後の展望を教えてください。
江尻:宮崎は大いなるポテンシャルを秘めた地域であると思っているので、九州最大の都市である福岡とは別の色で、「イケてる!」と話題になるような場所にしていけたらと思っています。県外にいる方も移住したいと思えるような場所に。そのためには、心からやりたいと思える仕事が宮崎に溢れている必要があると思うので、地場の皆さんの力をお借りしたり手を組みながら、面白いサービスやこれまでにない取り組みをどんどん生み出していきたいです。ビットキーが宮崎に来てくれて良かったと地域の企業や住民の皆さんに言ってもらえるような、地場から愛される企業を目指していきます。