女性ITエンジニアのリアルなキャリアに向き合うイベント「経済的自立とキャリアを諦めない。女性のための『ITエンジニア』という最強の選択肢」が開催されました。(イベントレポートはこちら)
イベント本編では、登壇者の方々がこれまでのキャリアで直面してきた葛藤や壁、そしてそれを乗り越えるために大切にしてきた考え方が語られました。華やかな成功談だけではなく、迷いや悔しさ、技術的な壁、ライフイベントとの向き合い方まで率直に語られたことで、参加者からも多くの共感が寄せられました。
今回は、イベントに参加したブルームテックの山田さんと新井さんに、当日の雰囲気や印象に残った参加者の反応、女性エンジニアが自分らしくキャリアを築くために必要だと感じたことを振り返ってもらいました。
リアルな葛藤に共感が集まり、キャリアの迷いを前向きに捉え直す場に
― イベント当日の雰囲気はどうでしたか?参加された方々の熱量や、印象的だったリアクションを教えてください。
山田:会場は終始、温かさと熱気に包まれていました。
特に印象的だったのは、登壇者の方々がきれいごとではない「リアルな葛藤」を語った瞬間に、会場全体が深く共感していたことです。キャリアの悩みや不安を自分ごととして受け止めながら、真剣に耳を傾けている参加者の姿がとても印象に残っています。
アンケートでも、「ロールモデルが見つかり、今後の視界が開けた」「自分の経験も肯定された気がした」といった声を多くいただきました。単なるセミナーではなく、登壇者と参加者が互いに刺激を受け、深くつながり合う場になったと感じています。
― 新井さんは、どのような手応えを感じましたか?
新井:キャリアイベントと聞くと、少し身構えてしまう方もいると思います。ただ、今回は参加者同士が自然に会話を交わしていて、会場全体にとても良い空気がありました。
特に交流会では、「これからどう成長していきたいか」「今の環境で何ができるか」といった前向きな話が多く、皆さんが主体的にキャリアと向き合っていることが伝わってきました。
また、「今後もこういうコミュニティをつくっていきたい」「勉強会にも参加してみたい」といった声が、参加者の方から自然に出てきたことも印象に残っています。イベントをきっかけに、次のつながりや学びが生まれそうな手応えがありました。
― イベントでは、キャリアにおける壁や苦労も率直に語られたそうですね。参加者の共感を特に集めていたのは、どのようなエピソードでしたか?
山田:特に共感を集めていたのは、ライフイベントや性別によるバイアスから生まれるキャリアの葛藤、そしてスキル不足に直面したときの孤独感に関するお話でした。
戸倉さんの「同じ資格を持っていても、男性の方が早く評価された悔しさ」や、「子育てで急に仕事を抜けるとき、周囲に引け目を感じてしまった」というお話には、多くの方が深くうなずいていました。自分の経験と重ねながら聞いている方も多かったように感じます。
また、和泉さんが語ってくださった、文系出身であることへの思い込みや、最初の現場で感じた理想とのギャップ。山下さんの、実務で思うようにコードが書けず、悩んだ経験。そうした技術的な壁のお話も、参加者の心に強く響いていました。
キャリアの明るい部分だけではなく、迷いや悔しさ、苦しさまで率直に話していただけたからこそ、その後の「どう乗り越えたのか」という言葉にも、よりリアリティが生まれたのだと思います。
― 新井さんは、どのエピソードに参加者の反応を感じましたか?
新井:一番反応が大きかったのは、「理想のキャリアと現実のギャップ」に関するお話でした。
私自身、普段キャリアアドバイザーとしてエンジニアの方々と接していますが、「このままでいいのか」「自分には強みがないのではないか」と悩まれている方は、決して少なくありません。
だからこそ、登壇者の皆さんが最初から順風満帆だったわけではなく、迷いや壁を経験しながらキャリアを築いてきたというお話には、参加者の方も安心されたのだと思います。技術面で壁にぶつかった経験や、環境によって挑戦のしやすさが変わるという話には、多くの方が深くうなずいていました。
女性エンジニアが長く活躍するために必要な、言語化・スキル・つながり
― 今回のイベントを通じて、「女性エンジニアが自分らしく、長くキャリアを築いていく秘訣」は、どこにあると感じましたか?
山田:大きく3つあると感じました。1つ目は、自分のやりたいことを言語化し、周囲に伝え続けることです。戸倉さんがお話しされていたように、自分の意思を発信し、味方を増やしていく姿勢が、キャリアを切り開く力になるのだと思います。
2つ目は、自分の成果や価値を客観的に伝えられるようにすることです。山下さんの「数字は嘘をつかない」という言葉にもあったように、成果を数字で語れることは、自分の強みを伝えるうえで大きな武器になります。
3つ目は、環境を選べるだけのスキルと、社外にも相談できるつながりを持つことです。和泉さんの「環境を選べる立場になるためにスキルを磨く」という言葉や、mayocornさんが体現されていた社外コミュニティとの関わり方からも、その大切さを感じました。
特別に「すごい人」になる必要はありません。大切なのは、自分の現在地を言葉や数字で把握し、必要なときに相談できる仲間やサポーターを持つこと。それが、自分らしく長くキャリアを築いていくための秘訣だと感じています。
― 新井さんは、どのように感じましたか?
新井:登壇者の方々のお話を聞いて共通して感じたのは、「完璧なキャリアを描いてから動く必要はない」ということです。
キャリア相談の場でも、「次に何を目指せばいいか分からない」というご相談は多くあります。でも、最初から明確な答えを持っている方ばかりではありません。
大切なのは、小さな挑戦や経験を積み重ねながら、自分が大切にしたい価値観や得意なことを、少しずつ言語化していくことだと思います。
そして、一人で答えを探し続けるのではなく、相談できる人や環境を持つこと。それが、自分らしいキャリアを長く築いていくうえで、大きな支えになると感じました。
「時間・体力」ではなく、「どんな価値を生み出せるか」で評価される市場へ
― このイベントを終えて、今後の採用市場や、多様な人材の働き方は、どう変化していくべきだと感じましたか?
山田:採用市場は、これまでのように「長時間働けるか」「体力的に無理がきくか」といった基準だけで評価するのではなく、多様なライフスタイルを前提とした評価へ変わっていく必要があると感じました。
単に女性の採用枠を増やすだけでは、本質的なダイバーシティとは言えません。リモートワークの活用や、育児・介護などの経験をその人の強みとして捉える視点など、働き方や評価のあり方そのものを見直すことが大切だと思います。
特にAI時代においては、単に技術を扱えるだけでなく、システム全体を俯瞰する力や、人間らしい判断力も重要になります。だからこそ、多様な視点を持つ人材を受け入れ、その強みを活かせる企業こそが、これから選ばれていくのだと感じています。
新井:私も、多様な人材が活躍できる組織ほど、変化の大きいIT業界では強みを発揮できると思います。
日々エンジニアの方々と向き合っていると、同じ職種であっても、経験してきた環境や価値観によって、発揮できる強みは大きく異なると感じます。
これからは、性別や国籍、肩書き、働ける時間の長さだけで判断するのではなく、「その人がどんな価値を生み出せるのか」という視点で評価される市場になっていく必要があると思います。
迷いは未来に向き合う証。小さな一歩がキャリアと組織の可能性を広げる
― 最後に、キャリアに悩むITエンジニアの方や、多様な人材を求めている企業に向けて、メッセージをお願いします。
山田:今回登壇された4名も、まったく異なる背景からキャリアをスタートし、それぞれ多くの迷いや挫折を経験しながら、今の場所にたどり着いています。
だから、「自分には誇れる実績がない」「すごい人になれない」と悩みすぎる必要はありません。
まずは、自分のやりたいことを言葉にしてみる。コミュニティに一歩足を踏み入れてみる。自分の成果を、少し数字で振り返ってみる。そうした小さな一歩の積み重ねが、自分らしいキャリアをつくっていくのだと思います。
自分の可能性を信じて、ぜひ一歩を踏み出してみてほしいです。
新井:キャリアに迷うことは、決してネガティブなことではないと思っています。むしろ迷うということは、自分の未来に真剣に向き合っている証だと思います。
私自身、多くのエンジニアの方とお話しする中で、ご本人がまだ気づいていない経験や強みが、新しいキャリアの可能性につながる場面をたくさん見てきました。だからこそ、一人で悩み続けるのではなく、誰かに相談したり、外の世界を見たりすることが大切だと思います。
企業の方にとっても、多様な人材を受け入れることは、単なる採用活動ではなく、組織に新しい視点や可能性を取り入れることにつながります。
ブルームテックは、エンジニア一人ひとりの経験や想いに寄り添いながら、その方らしいキャリアと、企業にとって本当に意味のある出会いを一緒につくっていきたいと考えています。キャリアや採用について考えるタイミングが来たときは、ぜひ気軽に相談していただきたいです。
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