最初のオフィスは『カレー屋の2階』。チトセロボティクス創業ストーリー(1)
書いてる人
西田亮介。チトセロボティクス社長。ロボットが好きで好きでたまらない。(写真は最初のオフィス)
チトセロボティクスの創業までのストーリー(記事書いてる今日:2018/02/12でまだ法人化していないけど)を書きたいと思います。今回は、はじめてのロボットが到着するところまで!
ロボットで、ワクワクすること、はじめよう
西田(以下、僕)と、創業メンバーである立花京(以下、京さん)は、立命館大学 川村研究室の先輩と後輩でした。僕はリクルートを辞めて、別の会社を経営して半年ほど経っていて、京さんはソフトバンクの新卒1年目をちょうど終えようとしている時期でした。
ソフトバンクではロボット関係の仕事をしていなかった京さんから、「そろそろロボットに戻りたいんです」と相談を受けました。実は僕もちょうど、なにか新しいことを始めたいなーと考えていたので、「ロボットで、なにかワクワクすること」をはじめようか?と日本橋のカフェで盛り上がりました。
え!もう辞めちゃったの!?
大学の研究室時代に僕と京さんが発明した『感覚統合制御技術』をベースに、二人で新しい理論体系を構築して、その技術をもとに、ロボットの制御と産業を変えるビジネスをしようということになりました。
カフェで話した日から1ヶ月くらいたったある日、「あ、私、ソフトバンクに辞めるって言ってきましたのでー」と衝撃の報告がきました。早い、早すぎる行動。気持ちが切り替わったら即行動する彼女に唖然としながら、僕も自分の会社の株を売却して、技術開発に専念する体制をなんとか整えました。
まずは、ロボットを置くためのスペースが必要です。僕と京さんは不動産屋を回りながら、新しいオフィスを探しました。
カレー屋の2階ってなんかよくないですか?
僕たちがオフィスを探したのは『東京駅より東のエリア』でした。理由は、僕たちのビジネスは、アプリとかITとか、そういう洒落た感じではなく、作業着を着て、金属と強化プラスチック、動力ケーブルと油にまみれた世界だから。まぁ、結局、家賃が低くて、ロボット用の単相200Vがあって、ロボット運搬のためのエレベータがあって、となると下町エリアが一番良い、ということになります。
契約した最初のオフィスは、築40年、40平米、家賃8万5千円の一室。決め手は、『カレー屋の2階ってなんかよくないですか?』という京さんの一言でした。
人よりロボットのほうが恵まれたオフィス
日本で2番目に古い商店街「佐竹商店街」の南端に、僕たちのオフィスはできました。昼になるとカレーのいい匂いがやってくる場所でした。
家具の組み立ても、ロボットの設置場所の設計も全部自分たちでやった最初のオフィス。このオフィスに初めてやってきたロボットは、三菱MELFA RV-2F-D ちゃんです。この当時、人間用のエアコンはなく、信じられないくらい暑いオフィスで、ロボットだけは涼やかなファンで冷却されていました。
このオフィスから僕たちは始まりました。次回は、3人目の創業メンバー、立花舞が研究開発資金獲得のために奮闘したお話です。