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都市型創造産業(クリエイティブ産業)の集積を目指す人口150万人の政令指定都市「神戸市」が、【統括プロデューサー】を公募する背景とは

経済政策課 企画係長 高橋、経済政策課 企画担当課長 丹沢

神戸は海と山を有し、入り江の地形をいかした港町として発展してきました。

古くから、日本の中でも代表的な港であった神戸港を中心に海運で栄え、
近代以降は鉄鋼・造船・機械などの重厚長大産業やゴム製品、
港をいかした貿易を主要な産業として成長を遂げたのです。

また、食料品製造業や飲食店といった食分野の産業においても、大きな強みがあります。

そんな神戸で、今後集積を目指す産業が、都市型創造産業(クリエイティブ産業)です。
そして今回公募をするのが、事業の要となり、クリエイターを支援するためのネットワークを形成するとともに、クリエイターと企業とをつないでいく「統括プロデューサー」です。


都市型創造産業の成長は、既に神戸に集積している産業の成長を含め、より良い未来を生むことにつながる

「都市型創造産業」、皆さんには耳馴染みがない言葉かもしれません。

神戸市では、クリエイターが関わることで、既存産業の高付加価値化やイノベーションを誘発することができる産業分野と定義しており、クリエイティブ産業とも呼ばれていると思います。例えば、広告やデザイン、映像などのコンテンツ制作、インターネットサービス業などを想定しています。

都市型創造産業の取引構造を見ると、神戸の抱える課題が浮き彫りになります。

神戸市内で生まれる都市型創造産業の市内需要、約1兆700億円に対して、市内から供給されているモノやサービス、アイデアは約7,580億円分しかありません。

つまり都市型創造産業に関連した資金が3,000億円以上市外に流れていっている計算です。

都市型創造産業が強く、逆に市外から資金を獲得している福岡市などと比較するとその差は顕著です。


丹沢をはじめ、市役所のメンバーが統括プロデューサーをフォロー

丹沢「市の行政担当者の視点では、この市外への流出を止めたいという気持ちはあります。ただ、それよりも重要なのは、神戸市の強みである重厚長大産業や食分野を中心とした産業と都市型創造産業の両輪が成長することで、より良い状況を生んでいくことです。

都市型創造産業が成長し、クリエイティブな力が付き、強みとなっている産業と連携していくことで、イノベーションを起こすことができれば、神戸の産業全体を活性化することにつながります」

行政主導ではなく、官民が連携して作り上げることに意味がある

丹沢の話にも熱がこもる

丹沢「都市型創造産業の成長は様々な自治体でチャレンジしているテーマで、成功させることが難しいテーマでもあります。成功を目指すにあたり神戸市では、『仕事の創出』『環境の創出』『人材の育成』3つの柱を掲げました。

どれか一つだけではだめなのです。クリエイターや企業等が参画するネットワークの構築や次世代人材の育成まで視野に入れていく必要があると思っています」

3つの柱を掲げ、それを実現するために核となるのが「統括プロデューサー」です。

統括プロデューサーには、市内企業やクリエイターたちの現場の声を聞きニーズを吸い上げながら、全体を1つのビジョンのもと神戸の新しい取り組みを作り上げてもらいたいと考えています。

丹沢「どういう手法でどんな事業展開を行うか、またどういうネットワークをつくっていくかなどの根本から『統括プロデューサー』を中心に構築したいと思っています。一定の成果を出していただく必要はもちろんありますが、中長期的なスパンでの取り組みを予定しています。

何に取り組むかも含めて、あらたな視点で神戸の都市型創造産業(クリエイティブ産業)を盛り上げて欲しいのです」

「デザイン都市・神戸」のシンボルであり、デザインや創造の拠点施設として開設した、デザイン・クリエイティブセンター神戸「KIITO」
KIITO内部、元は生糸検査所

統括プロデューサーには、広告代理店やコンサル企業、IT企業などで企業をクライアントに、クリエイターを活用した事業経験のある方を求めています。

特に、ディレクションやプロデュースに長けていることが重要だと考えています。

丹沢「統括プロデューサーは、クリエイターと企業とのビジネスマッチング、クリエイターに関する情報の集約、ネットワーク形成などに対応できる多岐にわたる能力が必要だと思っています。

ただ、到底一人でどうにかできることではないので、市役所の様々な部門・クリエイター・神戸の企業、ときにはクリエイティブ系の専門学校や大学など様々な人を巻きこみ、協動していける力が一番重要になるはずです」

都市型創造産業の人材を集積し、産業を成長させていくには、行政だけでも、民間だけでも足りないのです。

自由な発想で、新しい神戸を一緒に作って欲しい

神戸市が描く未来は、都市型創造産業が神戸の基盤産業のひとつに成長していることとクリエイター人材の集積により神戸のまちの賑わいが創出されている状態。そのために統括プロデューサーの方には、自由に発想を広げて欲しいと考えています。

丹沢「前述の都市型創造産業の取引構造でも分かるように、神戸市にクリエイターがいないわけではもちろんありません。現状はそれが点在してしまい、線としてつながりきっていないことが課題です。

統括プロデューサーの方にはこの点を線にしていくことをお願いすることになります。

これまでお話したプロジェクトスキームはあくまでも私たちが想定した青写真ですから、統括プロデューサーと話し合いながら、市の様々な部門と一緒に柔軟に考え、効果的な取り組みをつくり出していきたいと思っています」

クリエイターが活躍し、賑わいのあるまちをめざして、一緒に新しい神戸を作っていきましょう。

海と山が隣接するコンパクトシティー、神戸

丹沢「最後に、神戸の紹介を少しさせて下さい。

神戸の住みやすさは全国でもトップクラスだと自負しており、特に、教育・医療機関などは非常に充実しています。

加えて、人口150万人を超える大都市でありながら海も近く、六甲山の裏側では豊富に農作物も採れます。

この規模の都市で、新たな産業をプロデュースするのは大きなチャレンジでもあり、やりがいのあることだと思います。

少しでも気になった方は、下記URLの応募フォームより応募してください。

皆さんのご応募をお待ちしています」

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