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最高の顧客体験をもたらす接客DXとTwilio

2022年4月28日にtwilio様主催の講演イベント「小売業における「デジタル接客」最前線ー最新の顧客エンゲージメント強化法ー」に、弊社取締役の鈴木と三越伊勢丹リモートショッピングのプロダクトオーナーである河村が登壇しました。当日の動画がこちらで公開されています。

はじめに

私たちは百貨店の強みである「接客」に「デジタル」を掛け合わせることで、「最高の顧客体験」を実現しています。そして、接客DXにおける重要なポイントとして以下の3つを挙げています。

これらの3つのポイントを押さえた接客DXの実例として、YourFit365三越伊勢丹リモートショッピングアプリがあります。

「YourFit365」は3D計測と店頭接客を組み合わせた、靴のパーソナルフィッティングサービスです。このサービスでは、お客様が靴を買う際のフローを変えたのがポイントです。従来、靴のデザインだけを見てから試着する流れを、まずは3D計測をすることで足に合った靴を絞り込んでから試着する流れに変えたのです。さらに、一度計測したデータをアプリに登録しておくことで、家に居ながら、自分の足に合った靴を買えるようになりました。

もうひとつは「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」です。これは、テキストチャットとビデオチャットを通じて接客を受けられ、そのまま店頭の商品が購入できるサービスです。

試行錯誤を続ける開発の裏側

進化し続ける開発

「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」は、2020年7月に開発をスタートさせ、10月には内部リリースと、3ヶ月間で初期開発をしました。開発チームはPOチーム2名、開発のAPIチーム10名、モバイルチーム6名という構成で、フルリモートのスクラム開発で行いました。

2020年10月以降、リリースは100回以上、対応チケットは約7000枚と、現在も毎週リリースを続けています。これは、お客様の声から機能を追加し、現場スタイリストからのフィードバックを反映させ、毎週アプリに手を加えているからです。この進め方については、三越伊勢丹内部でも「なんだかわからないけど、ものすごいスピードで改善されていく」という声が上がっています。

Twilioの導入で効率的に

「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」には、クラウドコミュニケーションAPIであるTwilioが活用されています。Twilioの導入により、テキストチャットやビデオチャット機能はすぐに完成し、UIの調整等も含め、初期開発は数週間で完了しました。そのおかげで、その後の管理機能や基幹システムにつながるシステム開発に集中でき、アプリのサービス提供が早期に開始できました。

またTwilioにより、後からの機能追加もスムーズにできました。例えば、「接客開始時アンケート」の導入です。当初、お客様がチャット登録後、実際にチャットをスタートされないケースが多く、課題となっていました。そこで、店頭ではまずスタイリストからお客様にお声がけをするように、チャット上でも最初のお声がけとして、売り場別自動応答機能を追加したのです。最初にお客様とのやりとりを加えることで、チャットの開始率がかなり改善しました。

このように、段階的に開発を積み重ねる中で、どんどん改善点を修正し、完成度を上げていくことができました。

開発チーム、導入チーム、店頭の連携

リモートショッピングサービスの売場への導入については、専門の導入チームが組成されています。売場がリモートショッピング提供する前には、導入チームがお客様役をし、店頭スタイリストとデモンストレーションをして、訓練をしていました。

リリース後も、毎週のように導入チームが店頭に出向き、現場の声をヒアリングし、開発チームに伝えるというサイクルが上手く回っています。また、アップデートが週に1回あるため、きっちりと決まったマニュアルはありませんが、社内のグループチャットで、毎週のリリース内容を事前に発信しています。

運用が始まってからの気付き

実際に運用を始めていると、当初の想定とは異なるいろいろな気づきがありました。

来店のための事前接客

開発当初、ターゲットはご来店が難しいお客様が、アプリ上でお買い物を完結することでした。しかし、想定よりもご来店を前提にチャットを使うケースが多くありました。

平日の日中帯に気になる商品についてチャットで問い合わせを行い、最終的には店頭で試着をして購入する、といったケースです。店頭では商品を用意してお待ちしているため、スムーズな購入が可能になります。
逆に来店しても商品が決めきれない場合、チャットにて商品情報をお送りし、その後、リモートで決済をいただくこともあります。

お客様と百貨店のつながり

お客様からテキストチャットで、ご購入後のフォローをいただけることがあります。子ども服売り場が地方のお客様にご提案をし、ご購入いただいた後、後日、お礼の言葉と洋服を着たお子様の様子をチャットでお送りいただいたケースがありました。店頭では、こういった体験はできなかったため、販売員も非常に喜んでいました。

まとめ

「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」というサービスを開始してわかったのは、お客様はスタイリストからの提案や接客を求めているということです。「これください。」ではなく、「こういうものはありますか?」というお問い合わせが多く見られます。テキストチャット、ビデオチャットでの接客は、新たなお客様に、新たな購買体験を提供できる可能性があると信じています。

三越伊勢丹は、百貨店として350年の歴史があります。その歴史で培った接客力は大切にしつつ、接客DXでやり方を大きく変え、今後も新たな可能性を追求していきます。

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三越伊勢丹グループのDXの取り組みをご紹介いたしました!いかがでしたでしょうか?アイムデジタルラボでは、現在新しいチームメンバーを求めています。老舗企業のデジタル化にご興味のある方は、ぜひご応募ください。

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