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ソーシャルメディアから「熱量」を視聴者に届ける。「ソーシャル・エンターテインメント」を生み出す、ALPHABOAT代表インタビュー【後編】

▼前編をまだ読んでいない方はこちら!

「ソーシャル・エンターテインメント」という新しい領域へのチャレンジ。住友商事からスピンオフしたイントレプレナー、ALPHABOAT代表の想い【代表インタビュー】 | AlphaBoat合同会社
ALPHABOAT合同会社社長 西谷大蔵 まずALPHABOATという企業のご説明をさせて頂く前にSCデジタルメディアのご説明をさせて頂ければと思います。 SCデジタルメディアは住友商事株式会社100%の小会社で、もともと住友商事のメディア事業、コンテンツ事業をやっていたチームで成り立っています。もともとの所属はメディア・エンターテインメント事業部で、この中からスピンオフして出来た会社です。
https://www.wantedly.com/companies/company_1498405/post_articles/185324


ーALPHABOATの事業についてお伺いします。ALPHABOATは「ソーシャルエンターテインメントを追及する」と掲げていますが、具体的な事業内容についてご説明いただけますか?

ALPHABOATは、アメリカのFullscreen社がやっているMCN(マルチ・チャンネル・ネットワーク)事業の日本版として創業しました。MCNは全世界で展開しているビジネスモデルで、中でもFullscreen社は言うなれば「老舗」のMCN会社として8年を超える先進的で成功した事例を数多く持つ会社として、全世界でビジネスをしています。

我々ALPHABOATは、元々Fullscreen社のビジネスモデルを日本で展開するというような形で入ってきたんですが、実際にはYouTubeはもちろん、幅広くソーシャルやそれ以外のプラットフォームでのソーシャル・エンターテインメントをお手伝いするなど、アメリカと日本では領域が違う部分があります。

ALPHABOATを一言でいうと「ソーシャル・エンターテインメント・カンパニー」という言い方を今していますが、これは様はソーシャル、つまりYouTubeもFacebookもInstagramもTwitterやTikTokも、すべて含めたソーシャル領域全体の中でどうやってクリエーターと共にコンテンツを作りそこに企業様や商品の熱量をブレンドして、それを視聴者にお届けするか、ということをやっています。


インフルエンサーのキャスティングや動画制作以外にも、熱量の発信の場としてリアルイベントもプロデュースしたりもしています。あとはリサーチですね。インサイトを捕まえる、ということをとても大事にしています。そのため、我々はGen-alpha Labというラボをもっています。Gen-αは元々ジェネレーションαの略で、2010年以降に誕生した、最大で8歳とか9歳それくらいの世代。まだ全然マーケティングの対象としてそこに別にフォーカスをあてるってことではないですが、シンボリックな形でジェネレーションXYZの次にαまで見据えているということで作っています。

実際にはXYZ世代含めて、インサイトを深掘ることを強みにしており、日本の若者からデジタルネイティブ世代のデジタル行動を可視化・検証して動画化したり、クライアントへのレポートなどで、ターゲットがどんな行動をしているのかというのを定性的に捉え、深堀りする、という機能をもっています。

このラボからあがってくるインサイトを活用して実際にキャッチコピーのご提案をしたり、映像を含む様々な表現方法をご提案したり、またはYouTube、TwitterやInstagramといったアカウントの運用についての戦略のご提案などを行っています。

これがなぜ大事かというと、我々が取り組ませていただいている根っこにあるのは「熱量」なんですね。我々はソーシャル・エンターテインメント・カンパニーと言ってますがそれはまさにこの熱量をストーリーテリングに乗せてソーシャルに拡散するエンタメ企業なんです。そのためには色んなインサイトを捕まえることがすごく大事になってくるんです。


ーかなり幅広いと言いますか、目的の為の手段のコンテンツ作りからリサーチ、仕込みなどすべてという感じがしますね。

もちろん、外部の制作会社さんともかなりご一緒しています。我々は動画制作会社さんではないので、我々の一番の意味・役割は、ソーシャルのアカウントやコンテンツ、キャスティングといった個別部分のご提案はもちろんのこと、ソーシャル全体の考え方や戦略など俯瞰した見立てに基づいた、トータルのソーシャル施策をご提案することです。

我々の主体の目的としては、ソーシャル・エンターテイメント・カンパニーとしてお客様が「ソーシャルでコンテンツやエンタメに乗せてコミュニケーションを取りたい」というニーズに対して、熱量を抽出してそれをストーリー化するという事なので、既存の制作会社さんの領域とはむしろ協業しながらやっていく感じです。我々の役割はどちらかというとインサイトから入って、キャスティングやコンテンツやトータル含めてどうやったらソーシャル上で視聴者に届くようなコンテンツや仕組みを作っていけるのか、みたいなことを一生懸命やっています。


ーALPHABOATにいる社員の主なる職種はプロデューサーになると思いますが、デジタルマーケティング領域に強いプロデューサーということでしょうか?

必ずしもデジタルマーケティング領域に強い人だけが集まっているわけではないです。例えば前職で色々なアーティストさんのマーチャンダイジンググッズに携わっていたり、あるいはリアルイベントをオーガナイズしていた仲間もいます。

この人はイベントに強いとか、この人は営業に強いとか、それぞれの強みを活かしていただいています。映画業界出身の仲間だと、映画監督とどんな風にやったらいいタイアップ型のブランデッドコンテンツが作れるか、とか、映画のスクリーンを使ってどう見せたらおもしろいとかって分かってるんですよね。


ーバックグラウンドに多様性があるからこそ、事業の幅が広がるんですね。

そうですね。実際、たとえば元MTVの出身のメンバーがブランデッド・ミュージックビデオを作っていたり、あるいはエイベックス社所属のいっくん(Every Little Thingの伊藤一郎さん)と一緒にYouTube番組を制作したりしています。エンターテイメントとして誰もが慣れ親しんでいたものを生み出してきたメンバーが、ソーシャルっていうまた新たな領域でエンタメを生み出して、活躍されています。

▲6月6日(木)より配信スタートした「いっくんTV」

ただ、我々はあくまでもソーシャルの場でエンターティンメントができるというのが、感動とかバズりを追いかけるというよりも、ターゲットにきちんと共感性をもって、その熱量が伝わるようなものを、と思っています。そこにストーリーテリングを乗せて、拡散設計をしています。

例えばなんですが、打率100パーセントで必ずバズらせます、とかってそうやって「絶対にバズらせる」事を主眼に置くと必ずズレてくる部分があると思うし、何よりブランドセーフティーとかで「クリエーターの視点とブランド企業の視点」のすり合わせとかがすごく難しい部分がいっぱい出てきちゃうケースも多いと思うんです。そもそもクリエーターとブランド企業の想いが完全に合致するっていうケースの方が稀なんだと思いますし。

それであれば、クリエーターが元々持ってるファンへのリーチ力を「オーガニックなリーチ力」と表現するとしたら、そこにペイドアド=いわゆる広告のチカラを組み合わせて戦略的に考えていくというのがALPHABOATの拡散設計で、その根っこにあるのが熱量をストーリー化するという考え方であり、さらにその前提となるインサイトを捕まえるということの重要性、です。


ーALPHABOATが大切にしているバリューやビジョンなどあれば教えてください。

我々が掲げているビジョンは、なによりもまずソーシャル・エンターテインメント・カンパニーの概念のもと、クリエーターやマーケーターやブランドや企業がもつ様々な「熱量」を、ソーシャルに最適化したエンタメに昇華するストーリーテリング企業であるということ。

もちろん、まだまだ足りない部分が沢山あるので、まずはそこを成り立たせるための努力を日々怠らないようにとは思っています。

バリューに近い意味で言いますと、「social good」です。我々のホームページにもあるように、大きく、ソーシャル・エンターテインメントとこのsocial goodを並記して掲げていて、これを大切にしています。social goodは、和訳するといわば「社会善」といった感じしょうか。

社会善を掲げているからといって、特別に大それたことが必要ではないとは思っていて、例えば友達とか家族、お父さんお母さんとか恋人とか奥さんとか旦那さんとか彼氏とかに胸を張って自分がやっているものを見せられるかどうか、とかそういう視点の方が大事だと思っています。

もちろん会社としてコンプライアンスは当然大事です。でも社会にとっての善いこととかsocial goodとかって、正解がないだけに我々は常に問いかけていくことだ大事だと思っています。

例えばなんですが、昔だったらTV局とか新聞社とかが、いわゆる「考査」とかでコンテンツをきちんと評価して、フェイクなものとかは社会に出していかない様にしていた。でもいま、小さい子供から大人までみんなが楽しんでいるソーシャル上のUGCの中には、誰もチェックする人がいないまま露出しているものが沢山あります。その中には社会に与える悪い影響があるものも、たくさんあると思います。

せっかくALPHABOATとして、大手の住友商事グループとしてこのソーシャルの領域でやっていくなら、社会全体にとって善いことという視点も大事にしていこうねというのが、このsocial goodです。

もちろんエンターテインメントとして成り立っているというのは大前提ですし、それに必ずしも教育的なコンテンツじゃなくてもいいし、上から目線でコンテンツを作るとかではまったくないんですが、いずれにしても「with social good」であるかはどうか、大切にしているバリューです。


ー最後になりますが、今後どのような会社にしていきたいか、ぜひ教えてください。

正直ソーシャル・コンテンツをつくる、とかソーシャル・エンターテインメントを作るとかいうのは、企業のマーケティング活動全体からみたらまだまだ全然一般的ではありません。まだすごく新しい領域だと思っています。すなわち伸び代がすごく大きい。

我々がソーシャル・エンターテインメント・カンパニーとしてこの領域で、ビジネスとしての成功はもちろんですがそれだけでなく、この黎明期だからこそ日本のマーケットで出来ることが沢山あると思っています。

若い人たちのロールモデルになるようなクリエーターやデジタルタレントさんをどうやって応援するとか、そことブランドセーフティな世界観やコンテンツをどう両立させてつくっていくのかなど、この黎明期だからこそ我々のような会社がお手伝いができればいいなと思っています。もちろん同時に社員がやりたいことが実現した先に、そんなことができるのが理想ですね。


ー新しい領域だからこそ、世の中に与えるインパクトはとても大きいですね!

 本日はありがとうございました!

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