――この会社が生まれたきっかけを教えてください。
もともとは、前オーナーが個人事業として、お客様の業務効率化のお手伝いをしていたんです。そこから事業が広がっていって、法人として登記するに至りました。
法人化したあとに、大手通信会社さんからお声がけをいただいて、そこからDX関連の事業に参画していった、という流れです。RPA(業務自動化)という分野の提案や活動が、その中で本格化していきました。
創業当時は、「DX」という言葉自体がまだそんなに広まっていない時代でした。新しいことをお客様にどう納得してもらって、どう導入してもらうか。トライ&エラーを何度も繰り返しながら、進めてきました。
――会社として大切にしている価値観を一言で言うと?
「最良の伴走者」です。
これは、私たちが何かを「売る」会社ではなくて、お客様の隣に立ち続ける会社でありたい、という思いが込められています。
――印象に残っているお客様のエピソードはありますか?
ネットワーク環境の構築で、他社が対応していた案件があったんです。費用だけがかかって、なかなか移行が進まない、という状況でした。
現地に訪問して、営業担当と一緒に動いて、その日のうちに移行作業も設定も完了させることができたんです。営業担当の方からも、現地のお客様からも、感謝の言葉をいただけました。あの瞬間は、今でもよく覚えています。
――逆に、苦労した話や失敗談はありますか?
ありますね。初めてご依頼いただいたお客様で、納品後にエラーが出てしまって。「システムの開発って、こんなものですか?」と、不安なお言葉をいただいたことがありました。
すぐにお客様先へ向かって、事情を説明して、謝罪して。エラーが起きないか、その場で待機させてもらったんです。最終的には感謝の言葉をいただけたんですが、あの経験から、エンジニアの品質を平準化するには、チームでの相互フォローが欠かせないと、強く感じました。
――もともと、社長自身は従業員として働いていたんですよね。
そうです。現場でのDX提案コンサルティングから、小規模なシステム構築を経験して、関西エリアでチームビルディングやマネジメントをしていました。
――社長になるとき、不安はありましたか?
ありました。正直、今でもあります。
経営者が何たるかも分からないまま就任して。最初は創業オーナーがいてくれたので、まだ少し安心感がありました。でも、オーナーが完全に離れてからは、「本当にこの会社を守りきれるのか」「スタッフの生活を守るために、売上をつくっていけるのか」と、今でも変わらず思っています。
――従業員だった経験は、今の経営にどう活きていますか?
現場上がりだからこそ、現場の苦労や悩みは理解できているつもりです。
たとえば、関係事業者とお客様との間で開発方針がずれて、ちょっと揉めそうな状況になったときも、お客様への提案価値は下げずに、でもスタッフの心労は最小限に抑えて解決する。そういう環境づくりに、活かせていると思います。
――社員に「こんな人に育ってほしい」というイメージはありますか?
社内では行動指針として「挑み、支え、価値を返す」という言葉を掲げています。
会社が責任を負うからこそ、チャレンジ精神を持って、お客様やチームを支えながら、相手に寄り添った提案ができる。そんなスタッフになってほしいですね。
――最後に、5年後、10年後、会社をどうしていきたいですか?
今いるメンバー全員、これから入ってくるまだ見ぬ新人さんたちも含めて、プライベートが充実できるくらいの収益が上がっている未来をつくりたいです。
そのために、特にAI技術に対応できる人材を育てて、AIを活かせるインフラ環境の構築を、中小企業向けに代行できる事業をつくっていきたい。大手の同業他社にはできない、現地で泥臭く、お客様の隣でサポートし続けられる会社であるために、今の組織規模を1.5倍くらいを目安に、5年後までに形にしたいと思っています。
10年後には、コンサルティング分野だけじゃなく、IoTや生活基盤のDXなど、中小企業だけでなくBtoCの領域でも支えになれる会社を目指していきたいです。