── 21歳で挑んだ新規事業。壮絶な1年半を振り返る
株式会社カチカでは、IT・Web事業や福祉事業に加え、さまざまな新規事業の立ち上げにも取り組んでいます。
今回は、新卒で入社してから約1年半の間に、複数の事業部を経験し、新規事業であるB型支援外食事業の側面もある、テイクアウト焼き鳥専門店「鳥周」の立ち上げと店長業務を担ってきた小柳さんにインタビュー。
21歳という若さで新規事業の責任者、そして店長という役割を任された小柳さんに、立ち上げの苦労や仕事への向き合い方、挑戦を通じて得た自信についてお話を伺いました。
入社から1年半。さまざまな事業に関わった日々
インタビュー担当:
小柳さんは入社してどれぐらいになりますか?
小柳さん:
1年半ぐらいです。
インタビュー担当:
新卒で株式会社カチカに入社して、1年半が経ったわけですが、振り返ってみてどうですか?
小柳さん:
そうですね。それはもう、壮絶な1年半でしたね。
インタビュー担当:
では、その「壮絶な1年半」だった理由を聞きたいです。
小柳さん:
はい。カチカはたくさんの事業があって、その事業部がたくさんある中で、いろんな事業部に関わってきて、やはりその中で大変なことだったり、分野が違うことに取り組むことが多いので、それこそがもう波乱万丈な1年半でしたね。
最初はITやWebの事業部から始まり、福祉にも並行して関わり、その途中から外食事業の立ち上げにも携わることになりましたので。
インタビュー担当:
新規事業の責任者のような立場を、小柳さんが担うことになったわけですが、今何歳ですか?
小柳さん:
21歳です。
インタビュー担当:
21歳で、そうした経験をすることになったわけですね。周りの同年代の方からは、どのような反応がありますか?
小柳さん:
僕の年代だと、大学生だったり、新卒になったばかりだったり、まだアルバイトをしている人も多いと思います。
その中で、僕がこういう役割を担当させてもらって、店長という立場でも仕事をしているので、友人や知人に「すごいね」と言われることはあります。
インタビュー担当:
「お~すごい。お前店長?」という感じですか?
小柳さん:
そうですね。確かに、そう言われることはあります。
「鳥周」の立ち上げ。新規事業に挑戦したかった理由
インタビュー担当:
小柳さんは店長という立場でもありますが、今回特にお話を伺いたいのは、新たな事業を創るという経験についてです。
カチカでは現在、「THE 100ビジョン」を掲げています。今ある事業をさらに増やし、将来的には100個の事業をつくっていこうというビジョンです。
小柳さんは、入社前や就職活動をしているときから、新規事業に挑戦してみたいという思いがあったのでしょうか?
小柳さん:
そうですね。
僕がこの会社に入った理由の一つは、宮原さんと話をしたことです。福祉やITに関わりながらも、宮原さんが話していたサウナやバーなど、ITや福祉とは直接関わりがないであろう事業にも取り組んでいくという話がありました。
その中の一つとして立ち上がったのが、焼き鳥店の「鳥周」です。ですが、このお店は福祉も現在並行しています。
もともと4つだった事業が、「鳥周」の立ち上げによって5つ目の事業として形になったと聞きまして、そういう、今までにないものを1からつくっていくことが、僕にとっては楽しそうだなと思いました。
インタビュー担当:
いろいろなことに挑戦できる、ワクワクする会社だと感じたことも、入社理由の一つだったということですね。
小柳さん:
そうです。
「新規事業開発」は華やかではない。1から形にする大変さ
インタビュー担当:
新規事業開発というと、世の中的には少しかっこいい印象を持つ方もいると思います。
ただ、実際に「鳥周」の立ち上げを始めてから、約1年ほど経ちました。去年のこの時期ぐらいから、少しずつ外食事業の立ち上げを進めていたと思いますが、実際に新規事業開発を経験してみてどうでしたか?
小柳さん:
本当に1からの立ち上げだったので、営業の方のところに行ったり、業者の方とやり取りをしたりしました。
鳥周はフランチャイズなので、本部のやり方に沿って進める必要もありました。また串焼きの焼き鳥だけではなく、それ以外のメニューも豊富でして、それも含めて覚えなければいけないことも多かったです。
新しく事業を始めるというのは、本当に力が必要なことだと感じました。今回は、すごくハードなことだと思いました。
インタビュー担当:
その「ハードさ」は、体力的な部分でしょうか。それとも、何もないところから形にしていく大変さでしょうか?
一番しんどかったのは、どのような部分でしたか?
小柳さん:
頭も使わなければいけない場面もありましたし、想像力も必要だった事もありました。正解が分からない中で進めなければいけない一方で、会社からは成果も求められています。ですが、一番大変だったのは、ある程度の期日が決まっていたことだと思います。
営業開始日というものが決まっていて、そこに向かって進めていかなければいけません。その日までに本当に営業を開始できるのかという不安がありました。
営業開始が1日でもズレてしまうと、売上も何十万円単位で変わってしまう可能性があります。
責任感は常にありましたが、上の人が助けてくれることもありました。しかし、今回の新規事業の立ち上げでは、僕が主体となって進めることが多かったです。
その中で、「ミスをしてはいけない」「本当に営業開始できるのかな」という不安が常につきまといました。
オープン直前のプレッシャー。心が折れそうになった時期
インタビュー担当:
気持ちの面で一番しんどかったのは、オープンの1か月前ぐらいですか?
小柳さん:
その通りです。
オープンできるか、できないかというところで、どんどん期日が迫ってきます。まだいろいろなものを揃えなければいけないのに、オープンの日が近づいてくる。
言葉にするのは難しいですが、「もうオープンが来てしまう」という事に追われている感覚がありました。それが本当にプレッシャーでした。
インタビュー担当:
そのプレッシャーを抱えながらも、なんとか乗り越えてきたわけですね。心が折れそうになりながらも。
小柳さん:
折れていました。ほぼ折れたんですけど、そこで逃げ出してはいけないと思いました。
逃げずにやり切ったことで得られた自信
インタビュー担当:
逃げ出さずに立ち上げをやり切ったことは、今振り返ると、小柳さんのビジネス人生の中で一つの自信になっていますか?
小柳さん:
そうですね。
まず、立ち上げを実現できたこと。そして、若いながらも任せてもらえたこと。その中で、信頼してもらえているんだと感じられたことは、嬉しかったです。
僕の、この店長という立ち位置はアルバイトの上の立場でありながら、社員さん、他アルバイトさん、利用者さんの方々をまとめる立場でもあります。その中で、実際にやり切れたことは、本当に良い経験になりました。
それによって、自信もすごくつきました。
人から何かを与えてもらって自信ってつくものではなくて、やはり自分で乗り越えたとか自分でやりきったっていうところからしか、自信ってつかないじゃないですか。
インタビュー担当:
社会人1年目、2年目の段階で、逃げずにやり切ってくれたことは素晴らしいと思います。
小柳さん:
そうですね。
もちろん、「またあれをやるのか」という怖さもあるんですが、同時に一度やり切ったという自信も付いたように感じます。
今回の経験が僕自身の自信につながって、次に新しいチャレンジをするときの力になればと思っています。
インタビュー担当:
私自身はこれまで新規事業を何度も経験しているので、大変さも分かりますし、乗り越えて形になったときの達成感も知っています。
小柳さん:
そうでしたか。
今回の経験を通して、達成できなかったことや、もう少しこうすればよかったという部分もありました。
もし次に新規事業の立ち上げをする機会があれば、そこに繋げたいという気持ちはもちろんあります。
店長になって感じた、マネジメントの難しさ
インタビュー担当:
ここからは、立ち上げ後のお話を伺いたいと思います。
鳥周がオープンしたのは今年の2月なので、店長業務を始めてから半年ほど経ったタイミングですね。実際に店長をやってみて、どうですか?
小柳さん:
この立ち位置は、個人的には結構難しいなと思っています。
店を運営することが仕事ですし、宮原さんなど上の方々とも連携を取っていかなければいけません。
もちろん、最初は忙しかったということがあります。
ただ、最初の頃は店舗を守るというか、店を切り盛りすることに集中してしまいました。そのため、売上を上げることや、もともと担当していたITの仕事、マネジメントなどが、序盤はあまりできなかったと思います。
それに加えて、自分から提案することがなかなかできませんでした。「こうしたらいいんじゃないか」ということが、なかなか思いつかなかったんです。
インタビュー担当:
マネジメントの方針は、こちらから示していましたよね。
ただ、それを実際の現場に落とし込む方法が、あまり分からなかったということでしょうか?
小柳さん:
そうなんです。
書籍に書かれている方法の中から、こういうものを導入しよう、オンラインサロンや塾で学んだ内容の中から、こういうものを取り入れようという指針は示していただいたのですが、例えば、最初に取り組んでいたライセンス制度なども、忙しい時期の現場にすぐ落とし込むのは難しかったです。
徐々に良くなってきた部分もありますが、実際には店舗で働く皆さんの負担になってしまうこともありました。
そこに配慮してしまい、実行しづらかったという部分もあります。
社長のマネジメントを間近で見て感じたこと
インタビュー担当:
マネジメントは、今の小柳さんの年代だと経験が少ないので、難しい部分も当然あると思います。
しかも、周りには年上で一緒に働く方々もいます。
最近、私がリモートで現場に入ることが増えましたが、それを見てどう感じましたか?
小柳さん:
僕だったらなかなか言い出しづらいことや、絶対に言えないようなことも、結構ズバズバ言っていただけていると感じました。
マネジメントの技術があるということはもちろんですし、考える力もあると思います。
「こうしたら、こうなるだろうな」というビジョンが見えているのだと思います。そこが僕との違いなのかなと感じました。
宮原さんが現場に入るようになって、お店の雰囲気は変わりましたし、少し大変になった部分もあったのではないかと思います。
でも、売上も伸びてきていますし、お店の評判も良くなってきているという実感もありまして、口コミの☆5の数が増えたり、売上も今までの最高売上に届きそうなぐらいになってきたりしています。
大変さの中に、やりがいを生み出すマネジメント
インタビュー担当:
少し前は、働く皆さんに不満が溜まっていた時期もありました。
もちろん、業務が大変になったという意味での愚痴は出ていると思います。ただ、私が目指しているのは、単に大変にすることではありません。
大変だけれど、その分、充実感ややりがいがある。以前よりも仕事にやりがいを感じられる。そういう状態をつくるために、マネジメントをしているつもりです。
そのあたりは、どう感じていますか?
小柳さん:
新しい日報などを増やしていただいたことで、それをやらなければいけないという意識が生まれたと思います。
その分、手間や時間もかかるようになりました。日報は、やったことを書いていけばいいという事は理解していますし、日報を書くために、何かをやらなければいけないということとは少し違いますよね。
ですので、日報に書くためには、ちゃんと業務をしなければいけないという意識にも繋がりました。
そして、それでも皆さんの意識の根底には、少しずつ根付いていると思います。
インタビュー担当:
実際、改善提案も日々上がってきています。
私が言っているマネジメントが、少しずつ分かってきたということでしょうか?
小柳さん:
そうですね。
最初は心苦しい部分もありましたが、思い切ってやってみることで、売上なども変わっていくのだと思いました。それを素早く現場に落とし込んでいくことで、一緒に働く皆さんも「ここも気になる」「こうした方がいいのではないか」と考えるようになってきました。
意識のレベルや、気づく力が高まっていると思います。
実際にやった方がいいという実感があります。
でも、最初は本当になかなか言い出しづらかったです。
インタビュー担当:
今は、皆さん本音で話すようになったのではないでしょうか?
小柳さん:
本当に変わったと思います。
最初のうちは、お互いに気を使っていました。
ただ、「気を使う」ということは、不満を溜め込むことにもつながります。そこで、宮原さんが、できるだけ皆さんに感情を表に出してもらうようにしたことで、今は、皆さんが本音を出しあいながら、「もっとこうしよう」「ああしよう」と話せるようになってきました。
「手が空いているなら手伝って」というように、単なる愚痴や悪口ではなく、現場を良くするためのコミュニケーションが増えていると思います。
前編では、21歳で挑戦した「鳥周」の立ち上げや、オープンまでに感じたプレッシャー、逃げずにやり切ったことで得られた自信についてお話を伺いました。
- 店長業務を通じて感じたマネジメントの難しさ
- 宮原さんのマネジメントを間近で見て学んだこと
- 人と向き合うことの大切さ
- AI時代に求められる、人間だからこそできる力
- 次の事業部での挑戦と、これからの目標
後編では上記についてご紹介します。