客先常駐に良いイメージがない
西:対談よろしくお願いします!それではまず簡単な経歴、何故SES会社に良いイメージがないか教えてもらえますか?
藤井:私は新卒で「自社受託開発、小規模自社製品、SES」の3つを軸としている会社に入社して三年ほど働きました。
最近辞めた理由は「受託ではなく、自社サービスの事業会社に入りたい」と思ったからです。
実際私は自社受託メインでSES経験はないのですが、良いイメージがない理由はこれらが推定されるからです。
客先都合での急な契約打ち切り、就業環境の当たり外れがあるため常に不安定
客先企業の古い技術を使っているため、最新技術に携われない
外部会社のため、テストなどの簡単な仕事しか任せられない
今後オフショア開発などで客先常駐モデルは縮小する
SESはデメリットだらけか?
西:まずはSES経験もある私なりの回答をしますね。
客先都合での急な契約打ち切り、就業環境の当たり外れがあるため常に不安定
これはご指摘通りあります。
トラブル・契約終了になった際、どれだけ早く案件を見つけたり迅速な対応出来るかがSES営業マンの腕の見せ所ですね。
客先企業の古い技術を使っているため、最新技術に携われない
WEBベンチャーでもない限り、最新技術を使ってる会社は少ないです。
前記事⑨に書いた通り、古い技術でも一定の需要はあります。
結局の所、どの技術に特化するかですね。
外部会社のため、テストなどの簡単な仕事しか任せられない
案件内容と会社の営業力、営業担当者の考え方によります。
簡単な案件の方が営業担当者にとっては楽に成果が出て、就業させやすいからです。
ちなみに私が常駐していたのは事業会社のPMやコンサル系なので、全然簡単な案件じゃないです。
今後オフショア開発などで客先常駐モデルは縮小する
コロナの影響で働き方がリモートに移行するだけで、外部会社を使う割合が縮小する事はまずないと思ってます。
どの業界でも外部のパートナー会社を使ってアウトソースするのは古くからある歴史ですし、自社で人的リソース確保するのは手間かかりますから。
むしろ今よりもっと楽な働き方で、今までは週5常駐だったのが週2〜3リモートで働く流れになります。
今現在も既にそのような案件増えてますし、今後常駐していく人は結構楽な働き方になりますよ。
特定技術特化型エンジニアになれば外国人含めた世界の競合とも差別化を図れますしね。
SIer下請け企業の実態
藤井:SESと言っても選ぶ会社によって変わるんですね。
西:大体の会社が自社内で2~3か月研修を終わらせた後、「自社内受託・小規模製品開発・客先常駐」いづれかにOJTで先輩と一緒に実務経験を積ませて、そこからは客先常駐へ促すのが一般的です。
会社としては一年ほど新人赤字の投資期間になるんですけど、政府からの雇用助成金も出るし、SESの利益率と新人の給料を考えると充分2〜3年で回収出来るんですよね。
中途で即戦力エンジニアを採用となると相当ハードルが高い。
会社としては求人広告・人材紹介してもらうのにお金がかかるので、自社で新人若手を育てて客先常駐させるやり方が利益率も高くて社内定着率も高いのです。
客先常駐ではない自社受託開発を進めている企業もありますけど、前記事④で書いた通り案件毎に技術内容が変わるのでオススメしないですね。