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アナリスト歴20年。スタートアップに飛び込んだ覚悟と数字への信念【ユートラとわたし】池本賢司

YOUTRUSTメンバーの素顔を探るインタビュー連載企画「#ユートラとわたし」。今回登場してくれたのは、アナリストの池本賢司(いけもと・けんじ)。

初めは気軽な「お試し副業」のつもりだったはずが、副業開始して半年経たずに正社員としての入社を決意。その背景には、アナリストとして事業に携わることへの覚悟がありました。

YOUTRUSTに転職するつもりはなかったはずが半年経たずに入社した理由

——これまでの経歴を教えてください。

新卒ではSIerに入社し、海外製品を扱う部署でプリセールスを担当していました。技術調査や、クライアントへのプレゼンの場でデモを行うなど、技術者とセールスの中間のような役割です。そこからティファニーの日本法人へ転職し、本格的にアナリストとしてのキャリアをスタートさせました。

ティファニーの後、別の外資系企業に転職したのち、MERYという女性向けサービスを提供していた株式会社ペロリにアナリストとして入社しました。そこで、当時DeNAから出向していたイワヤン(YOUTRUST代表・岩崎由夏)さんと同じ部署になり、数ヶ月ほど一緒に働いていました。

その後MERYは一度サービスを閉じてしまいますが、運営元の変更を経て、サービスを再開することになりました。そのための準備に奔走し、無事再開を見届けて1年ほど経ったくらいで、株式会社メルペイに転職して。マーケ所属で初めは分析寄りの仕事が多かったのですが、サービスの領域が広がるにつれ、利用ユーザーを獲得するためのCRM寄りの仕事も増えてきて、最終的には分析とCRM周りの両方を担っていました。

——YOUTRUSTに出会ったきっかけはなんでしたか。

イワヤンさんが新しい事業を始めたと知ったことですね。すぐに登録はしたもののその後はしばらく離れていました。再開したのが株式会社メルペイ在籍時。採用サービスとして全社でYOUTRUSTを使い始めたときに「イワヤンさんのユートラだ!」って思ったのを覚えています。

ある時、そろそろ次のキャリアを考えようと、転職のステータスを変えてみたんです。そうしたら、イワヤンさんからすぐに「YOUTRUSTの分析に興味はありませんか?」と連絡をもらって

それまで副業をやったことがなかったことと、自分に合うサービスや企業を副業をしながらみつけられればなと思い始めていたこともあり、「まずは副業から」とちょっと気楽な感じでジョインを決めました。

——副業から正社員になった決め手はなんだったのでしょうか。

2021年の1月末から副業を始めて、同年の5月に正社員として入社しました。お試し副業として業務をスタートしたものの、始めて割とすぐの頃から副業で携わる難しさを感じていたんです。

というのも、分析はビジネスの理解やそれにまつわる数字の理解に時間を要します。その理解が甘いと、実際のビジネス課題の分析も非常に甘いものになってしまう。そういった意味で、中途半端なコミットでは自分が思うようなパフォーマンスが出せないという思いがありました。

そんなときにイワヤンさんから「ぜひ正社員で入社しませんか」と打診してもらったんです。彼女から言われたのが「YOUTRUSTはパフォーマンスのみで評価するのではなく、カルチャーフィットしているかどうかや、周りの人たちをどう巻き込みコミュニケーションしているかを大事にしています」というようなことでした。

当時はまだフルタイムが10名くらいの組織規模。そんな初期フェーズで専任アナリストを置くということは、分析の重要性を分かってもらえていると実感できたことで、正社員としての入社を決めました。当初は、YOUTRUSTに転職するつもりはなかったので、自分でも意外でしたね。

アナリストの本質は信頼をどれだけ積み上げられるか

——当時、YOUTRUSTに対して抱いていた期待感はどういうものでしたか。

メルペイでは分析チームがしっかり組まれていたので、もう一度小さなチームでやってみたい思いはありました。チームでやる良さはもちろんありますが、どうしても事業全体を見るというより、区切られた領域を担うことになるので、1つの事業に絞った組織でチャレンジしてみたかったんです。

また、SNSサービスの分析経験がなかったので、その領域にチャレンジできることは魅力でしたね。テキストって一見無機質なものですが、そこから人の感情——好き嫌い、怒っている、悲しんでいるなど——が出てくるじゃないですか。そういうものを分析することに興味がありました。

——YOUTRUSTの第一印象はどのように感じましたか。

Slackの「脳内チャンネル(※)」が活発だなって思いましたね(笑)。ジョインしたての頃は、他の人の「脳内」に全然入っていなくて、意外とSlackコミュニケーションが静かなんだなって思っていたんです。でも、いろんな人の「脳内」に入り始めると、雑談も含めてコミュニケーションがとても活発で。

自分の脳内でちょっと発信したことに対して、違うチームの人もどんどん絡んでくれるのもすごいなと思いました。「放っておかない文化」がYOUTRUSTにはあるんです。

※脳内チャンネル:YOUTRUSTのSlackに自由に作成できる個人のオープンチャンネル。業務の合間に思いついたことや雑談など、思いのままに発言できる場所。

——YOUTRUSTに入って感じるご自身の変化はありますか。

変わらなければいけないと思っているのは「発信」の部分です。YOUTRUSTのみんなはTwitterなどのSNSを活用し、サービスを使ってくれる人を増やす力を持っているので、自分も発信力を付けたいと思っています。

僕はすごく自己評価が低くて、その気持ちが発信を阻害しているのですが、日々の成功体験にきちんと気づいて自己評価につなげる姿勢をメンバーから学んでいます。

また、日々の小さなことから社内の信頼を積み重ねていくことを、改めて心がけるようになりました。これはさとりょう(COO・佐藤亮太)さんが話していたリモートワークの話がきっかけです。リモートワークって相手がちゃんと仕事をしている信頼があって成り立つというような内容が、分析の仕事にもつながることだと思ったんです。

分析という仕事は、アナリストへの信頼がないと説得力が生まれないと思っているんです。ビジネスには必ず下降する場面があるので、時にネガティブな数字や分析を伝えなければいけません。そんなときに、アナリストに対する信頼の度合いで、数字の伝わり方が異なると感じます。だからこそ、誠実に現実を伝えられるように、日々の信頼をきちんと積み重ねることが重要なんです。ですから、社内の信頼を積み上げていくことこそがアナリストの仕事の本質なのではないかと思います。

分析でモメンタムを生み出し、事業で勝つ

——資金調達リリースに紐づく一連の施策が走っていた時期には毎日、昼夜、日によっては1時間ごとに目標値の達成度をSlackで報告してくださっていました。どのような思いでしたか。

これはメルペイ時代の経験が大きく影響しています。当時の上司が「マーケはどんどん今の成果を社内に発信していかなければならない」という考えの人で。社内のモメンタムを作って、みんなで目標を達成しているんだという空気を作るのも、マーケの役割なんだと学びました。

数字を追いかける人として、日々「今この数字が出ました!」「目標まであとこれくらいです!」と発信していると、みんながSlackで反応してくれて「もっといける!」という空気を作れるんだなというのを何度も体験しました。数字責任のあるマーケ所属だったことも行動に移せた大きな要因だったと思います。

特に印象に残っているのは、ある年の年末。目標未達が見えてきた中、マーケのメンバーと一緒に最後までもがき続けて12月31日の22時台に目標の数字に到達したんです。

大晦日なのでみんな休みなんですが、自分たちは諦めてないんだ、最後の最後まで数字を作っていることを「あといくつ」「あといくつ」と発信し続けて、残り2時間で結果が出せた。最後は一緒に見てくれていた社内中が大盛り上がりしているSlackを、スキー場の宿の部屋で眺めながら達成感に浸っていました(笑)。

その経験があったので、YOUTRUSTでも社内の一体感を作るために、みんなに数字を把握してもらうことを意識していました。毎日欠かさず数字を共有することは正直大変です。やろうと思えば自動化して数字だけSlackに流すこともできます。でも、どの数字をどういう言葉で伝えるかで、みんながその数字を自分ごと化できるかどうかが大きく変わります。

毎日同じ内容を発信するのではなく、ちょっと違う視点を入れてみるとか、ちょっとクスっとできるような一言を入れてみるとか。テキストコミュニケーションと分析をブレンドできれば、モメンタムを生み出せると経験上分かっていたので、その点はとても意識していました。

さらに新しい施策の開始や最終日など、今日の着地点が気になるだろうなという数字の日には、夜遅くなっても最終着地の速報を入れ、自分たちの動きが減る週末にはどのような数字になるのかも平日同様に伝える。数字を起点に、メンバーが次のアクションにつなげられるかまでを考えるのが、アナリストの役割だと思います。

YOUTRUSTにはアクションにつなげて成果を出してくれる仲間がたくさんいます。とくにメルペイ時代に一緒にマーケでやってきたコースケ(大前宏輔)さんがいるというのは心強いですね。絶対に拾ってくれるって分かっていますので。

掛け算が生み出す相乗効果で事業スピードを加速させたい

——これからどんな変化をYOUTRUSTに起こしていきたいですか。

分析チームの体制を強化することで、事業スピードを加速させることが目下の目標ですね。これは分析チームにとっての大きなミッションだと思っています。経営者にとって最終的な意思決定ってすごく難しいこと。その決定を後押しするために「数字をしっかり見切りました!大丈夫です!」と1人では言えないけれど、2人だったらと言えるかもしれない。そうすればもっともっと意思決定のスピードが速くできます。組織の感情や背景などエモーショナルな部分も丁寧に汲み取りながら、分析の視点から事業を加速させていきたいです。

正直、YOUTRUSTに僕がいることが正解なのか今でも分からないなって思うことがあります。もしかしたら違う人を採用していたほうが良かったかもしれない。ただ、僕を採用するという選択をしてくれた事実は確かなので、それに応えるために自分のできることを一生懸命やっていかなきゃいけない気持ちが強いです。

端から見たときに「あの人じゃなかったほうが良かったんじゃない?」と言われないようにしっかり地に足をつけて仕事に向かいたいですね。YOUTRUSTのみんなは優しいから「大丈夫だよ」って言ってくれそうだけど、そこは甘えずに。お互いの意見をぶつけ合って、良いものを見つけ出すことをやっていきたいです。それがチームの醍醐味だと思っています。

——YOUTRUSTで一緒に働いてみたい人はどんな人ですか。

自分自身が、転職のたびにチャンスをもらってきたので、同じようなことをYOUTRUSTを通じて返していけたらいいなと思っています。SIerからティファニーに移った時もtoCの経験なんか持っていなかったし、外資系の会社からMERYに移った時にはアプリ分析の経験がなかったし。なので、アプリ分析はやったことがないとか、SNSの分析は未経験という人も、どんどんチャレンジしてもらいたいなと思います。

全然違う領域で活躍している人や、僕が持っていない経験を持っている人と化学反応を起こしていきたいんです。例えばセールス領域の分析の方や分析サービスをやっていた方などは領域がまったく異なるので、掛け算を起こせるんじゃないかな。

ただ、掛け算の難しいところは自分が「1」よりも上になっていないと意味がないこと。自信を持って自分が「1」よりも上と言えるように今以上に成長して、より良い相乗効果を生み出していきたいです。

<取材・執筆=黒木あや>
<編集=成田愛恵>

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