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「個々の能力を引き出せるか。この違いを、すごく大事にしている」パートナーインタビュー|TAKK PRODUCTION・原拓也

社内のメンバーとは異なる観点から、センクシャの存在と想いを語ってもらう新シリーズ・センクシャのパートナーインタビュー。

第1回目は、TAKK PRODUCTION代表・原拓也さん。原さんはシミズオクト、クリエイティブマンプロダクションを経て、2019年4月に株式会社金羊社のグループ会社として2019年4月にTAKK PRODUCTIONを設立。制作統括として、音楽フェス『GREENROOM Festival』やミス・ユニバース ジャパンなど大きな舞台を多数手掛けてきた実績を持つ、業界には欠かせない存在だ。

20年以上この業界を引っ張っている原さんが考える、仕事において最も大切にすべきこととは。センクシャ・下平さんとともに、センクシャとの今後の展望や、期待していることについて聞いた。

▼目次

  • 共通点は、次の時代に向けてどうやってコミットしていくか、常に考えているところ
  • 難しい現場の跡には、原拓也っていう人間の爪痕が残っている
  • いい仲間が絶対必要。だから僕はセンクシャと仕事がしたい

共通点は、次の時代に向けてどうやってコミットしていくか、常に考えているところ

――まずはセンクシャの代表・小松﨑さんとの出会いを教えてください。

原:小松﨑との出会いは、前々職のシミズオクト時代。当時、仕事に力を入れていく中で採用の話が持ち上がり、最初に採用したのが飛び込みで面接に来た小松﨑です。

僕がシミズオクトの最後に担当していた仕事が、シルク・ド・ソレイユの『ZED』という専用劇場での公演でした。 そこで、小松﨑に仕事の現場を渡していく流れになったんです。彼が入社してきて、一番大きな現場がそれだったと思うし、本当に大変だったと思います。その状況のなか、すごくひたむきにやってくれていたイメージが強いですね。

小松﨑が独立したと聞いたとき、”大きな野望”というよりは、”自分へのチャレンジ”が大きな理由だったのかなと感じました。僕も、独立したとき、自分でなければできない仕事を今後どうやって作っていくのかを考えていましたしね。

ーーお互いが独立してからは、どういう関係だったのでしょう?

原:僕が独立して最初の年にやらせていただいた、渋谷PARCOのリニューアルオープンイベントで一緒に仕事をしました。お話をいただいた後、迷いなく小松﨑に連絡しまして「ぜひ協力してほしい」と。

原:センクシャとしてもこれからを見据えている状況だったと思います。彼の器用さ、上手さ、お客さんとの距離感や空気感…、前々からわかってはいましたが、気持ちよく仕事させてもらいました。他の同業の会社とは違うビジョンを持ちながら、次を目指すことができる仲間というか、お互いがこの先を見据えていく上で、一緒に成長していきたいと感じたんです。

何よりも小松﨑と僕が共通しているのは、今までの形のままではなく、次の新しい時代に向けて自分がどうやってコミットしていくか常に考えているところです。今までとは違う部分をどこまで一緒に作っていけるか、これが非常に楽しいんです。

――原さんが仕事をする上で特に大事にしているのは「コミュニケーション力」だと伺いました。

原:僕は、フェスティバルや企業系イベントの統括として、イベントの全体を取りまとめることが多いんです。主催の方と横並びで仕事をさせていただいて、センクシャや、音響さん、照明さん、舞台監督さんに仕事を頼む。

関わる人が多いと、色んな特性があって当たり前。その中で、ひとりひとり個人の能力と会社の能力を1.1倍引き出せるか、現場をすごく楽しい雰囲気に持っていけるか、人間のユーモアさを感じさせる一日を作れるか。これが、誰が上で取りまとめるかによって、ちょっと違うんですね。

これを僕はすごく大事にしています。たまにアホみたいな冗談を言ってもいいし、逆に厳しい面があってもいいし、いろんな局面があっていいと思うんです。

例えば、野外イベントってすごく大変で、雨にもかかわらず外で作業しなきゃいけないって日もある。制作を任せる人なんて、別に制作本部のある室内にいても良いわけですよ。でも、僕はカッパを着て、現場の最前線まで行っちゃう。この行動が、現場で働く仲間たちの士気が0.1ミリでも上がるんじゃないかなって期待がある。荒天の中で仕込みが大変な状況でも、作業を続ける仲間たちと常に寄り添う制作でありたいと思っています。

コンサート、展示会、企業イベント。どれも結局、僕が一人で作れるわけではない。10人、100人、1000人の力を使って、やっと作れるようなことを仕事として選んでいます。その中で自分が当日にやれることも限られているし、現場の皆にどこまでプラスアルファやっていただけるか、そういうところに全てがかかってくるんです。

難しい現場の跡には、原拓也っていう人間の爪痕が残っている

――下平さんは、原さんとの仕事で印象的な現場はありますか?

下平:TAKさんがいてくれたから、僕らもやりやすくなった、みたいな現場がパッと思い浮かびます。特に、センクシャに入ってからTAKさんと一緒に仕事をした大きな現場が本当に印象的で。難しい状況でも、一瞬で取りまとめてくれる。「やっぱすごい人だな」と思いました。

(大きな現場が終わった後に撮影した、思い出の一枚/原さん提供)

原:周りにどんなに「あの仕事すごかったですね」って言われても、仕事の現場のことって忘れちゃうんですよ。覚えている仕事をどこまで作るかっていうのも、大切。だから、下平がいまでも覚えていてくれてるっていうのは非常に嬉しくて。僕もあの現場は覚えています。年に50、いや100本現場をやるかもしれないけど、その中で数本しか無いんですよ、目を閉じて絵が浮かんでくるのって。

下平:そうですね。辛ければ辛いほど面白かったりもするんですけど。TAKさんが一緒の現場だと、周りの仲間たちも安心しているんです。進みも早いし、現場がうまくまとまる。TAKさんがいるから僕が羽を伸ばせるみたいなのもあるんで(笑)

原:いやいや、羽は伸ばしちゃいけないでしょ(笑)でも、やりやすさっていうのは大事ですね。

辛い現場を積極的にやりたいわけではないですが、難しい現場の跡には、原拓也っていう人間の爪痕が残っているわけですよ。”そういえばあの人がいたな、助けてもらえないかな”って思い出してもらえるつながりは、生まれているんです。

この業界って、どんなに営業をしたからといって仕事が来るわけでもない。ひとつの仕事をやったときの横のつながりで次が生まれる。

どうせやるならこの人とやりたい、という気持ちは、人間の当たり前のところだと思います。「原さんとは非常に仕事がしやすかった」と感じてもらって、次にイベントで必ずリピートしてもらいたいんです。

――TAKK PRODUCTIONさんもセンクシャさんも、独立してまもなくコロナ禍になり、業界が止まってしまう時期を経験しましたよね。

原:何十年も続いている会社だって、もちろん辛かったでしょう。ただ、独立直後にコロナ禍の3年がくるのは、また辛さが違う。だからこそ、コロナから状況が戻ってどんなに忙しくなっていっても、あのときもらった仕事のリピートは、意地でも絶対受けてやろうっていう意思がありますよね。

あの辛さや波の感じ方は、微妙に違えどセンクシャと近いところにいると思います。このタイミングで下平さんや瓜田さんが転職をして、センクシャに居るというのもシナジーを感じますね。

原:この業界の未来、10年後、20年後に作ってあげたいというところもあります。センクシャとの間には、同じ未来を見据えている感覚がありますね。

いい仲間が絶対必要。だから僕はセンクシャと仕事がしたい

――原さんのお話を聞いて、下平さんが思い描いている未来予想図はありますか

下平:最近特に、何の仕事をしたいかじゃなくて、誰と仕事をしたいかだなって強く思ってるんですよ。前もインタビューで話しましたけど、一緒に仕事をする人との間にある心の壁をペラペラにしたいんです。TAKさんとの間には壁がない。だから、一緒にやらせてもらいたいなって思う気持ちが大きいですし、未来を切り開いていけるなと。やっぱり、大事なのはパッションです。

原:この仕事をやったからお金になる、ではなくて、この仕事をやることによって、また違う仲間とも出会えるという発想です。続けていれば、また一緒に仕事ができる。そういう目標で僕は良いと思っています。いい作品を作っていく上で、いい仲間は絶対必要。だから僕はセンクシャと仕事がしたいんです。

下平:なにかを作るときには、本来そこに入っていって作り上げていくものだと思っているんです。「僕らこれしかやらないので他のことは知りません」なんて全然イケてない。

例えばフェスの準備で持ち場が違ったとしても、待ち時間があるならテントを建てられるだろうと思うんです。「自分はテント屋じゃないから建てられない」はなにか違う。センクシャのメンバーは、自分たちの仕事じゃなくてもテントを建てます。

原:これが実はすごく改革なんです。業界に対しては脅威でしか無い。持ち場を守るっていう保守的な考え方が評価される業界だから、見積書に書いていなければ、目の前に仕事があってもやらないんです。

2,3人に声かけて一緒にやろうよって言ったほうが、ただ待ってるより早いし納得できる。本来、普通にあるべき景色ですよね。

原:人間性から仕事が発展する、みたいなところはセンクシャの魅力なのかなと思います。そこが僕らと非常に相性がいい。ウチが会社を大きくしていって、僕自身が行けない現場が出てきても、センクシャが引っ張ってくれるなら、委ねられる。楽しく程よい緊張感を持ちながら、現場を一緒に作っていければなって思っています。

――そのあと気持ちよく乾杯できるか、ですよね。

原:簡単な業界じゃないからこそのイノベーション。これから、みんなで作っていかなきゃいけない土台ですね。10人採用したら2,3人残ればいい、みたいな観点は、僕はおかしいと思います。10人採用したら10人残る会社、業界を、今後どうやって僕らの世代が考えていくのか。

センクシャは発想が新しいから、僕もそこから学びを作りたいと思います。

「社会人になったばかりの若いときに、どの上司がつくかによって今後の人生が大きく左右される」って小松﨑がよく言うんですよ。「僕はTAKさんに一番最初についてもらったから、あれだけ厳しくもあり、あれだけ几帳面に色々教えてもらえた、それが揺るがないベースになってる」って。多分、遠回しに僕を持ち上げてるんでしょう(笑)

原:小松﨑は僕から盗めるところは盗んでるわけだから、下平さんも瓜田さんも、みんな俺から盗んでもらって、悪いところは消してもらって、令和の時代にフィットしていって欲しい。ぜひ、人が離れない会社、やりがいが溢れるような会社になってほしいなと思います。

センクシャに色々お願いできるってことはウチの会社がうまくいってるってことだし、そういう意味で二人三脚で色んな仕事を作っていければ本望ですね。

僕自身、この業界の中であと20年ぐらいは活躍したい。センクシャと一緒に作っていく準備はできていますので、そうやってひとつひとつ増やしていけたら、いいなと思います。

ーーTAKK PRODUCTION 原さん、ご協力いただき誠にありがとうございました!

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