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関西電力×GOBで「社会を良くする」事業づくり:かんでん起業チャレンジ制度

こんにちは!GOB副社長の高岡です。

さて、世は“新規事業ブーム”です。大小関わらず、近年多くの企業がイノベーションを掲げて新規事業に取り組んでいることは、みなさん感じている通り。

しかし、そんなブームのはるか以前、20年以上も新規事業に取り組み続けている企業があります。それが「関西電力」です。

社会インフラを提供する安定した会社、というイメージが強い人には意外かもしれませんね。

1998年からスタートした「かんでん起業チャレンジ制度」は、これまで10社の新規事業を輩出しています。うち2社はすでに10年以上続く企業へと成長しており、大企業における新規事業創出の取り組みとしては、かなり実効性の高い取り組みだと感じます。

私たちGOBは、2018年から関西電力と一緒に「かんでん起業チャレンジ制度」を含む、新規事業創出のプログラムを運営しています。今回はその取り組みの一部を紹介します。

参照元:GOBメディア

https://media.gob-ip.net/2020/04/20/interview-kanden-entre/

1998年から新規事業に取り組む関西電力

長年、新規事業の創出に取り組んできた関西電力ですが、新規事業に対する社内の熱量を維持し続けるのは簡単ではありません。同社のプログラムも、年を追うごとに応募件数が減少し、制度自体の盛り上がりが徐々に失われつつあったことことに課題を抱えていたそうです。

そうした中で、2018年に私たちGOBが関西電力とタッグを組み、プログラムのアップデートに取り組むことに。それまでは「起業チャレンジ制度」のみの1ステップ制でしたが、以下の3ステップへと変更しました。

こうすることで、STEP1の「アイデア創出チャレンジ」がラフにアイデアを出せる場として機能しました。また本格的な事業立ち上げをSTEP3に集約したことで、STEP2の「アクセラレーションプログラム」も余計なプレッシャーを感じることなく、研修的に参加してもらえる設計に。

僕の目から見ても、社員が参加しやすく、気兼ねなくアイデアを出し合える場へと変わっていったように感じます。

STEP1:アイデア創出チャレンジ
: 社員誰でも参加することができるお祭りのようなもの。審査でトップ100に入った参加者を懇親会へ招待するなど、本格的な事業立ち上げよりも、社内でイノベーションの文化を育むねらいがある。

STEP2:アクセラレーションプログラム
:STEP1でトップ100に入った参加者を対象に、事業プランまでのブラッシュアップをサポートする。ここまでは業務外の取り組みとして進めていく。

STEP3:起業チャレンジ制度
:上2つに参加していない人であっても応募可能で、毎年、1次審査の合格者は1~3名程度。合格者は事業立ち上げに集中できる「イノベーションラボ」に異動し、半年程度のフィジビリティスタディを進める。最終審査に合格すると晴れて本格的に事業展開へと進む。

2020年には、がん患者向けのカトラリーを手掛ける「猫舌堂」が創業

こうした取り組みから、直近でもいくつかの新規事業が生まれています。

2020年に誕生した「猫舌堂」もその1つ。がん経験者などに向けたカトラリーを製造販売する企業です。

耳下腺がんを患った代表の柴田敦巨さんの経験が創業のきっかけになっています。


▲写真中央:猫舌堂代表の柴田敦巨さん

がん治療を受けると、その影響で食べ物を噛んだり飲み込んだりしにくい、味がわかりにくいといった問題を抱えることがあります。また食事をこぼしやすくなったり、口の周りが汚れてしまったりすることで、外での食事自体を楽しめなくなってしまうことも多いそうです。

そうした人に向けて、猫舌堂では一般的なものよりも幅が狭く、先に向かって平らで軽い設計のカトラリーを製造。「食べる喜び」を取り戻せるプロダクトを開発しています。

▲猫舌堂が開発したオリジナルのカトラリー「iisazy(イイサジー)」シリーズ


猫舌堂の法人設立にあたっては、GOBでも創業出資をしており、今後の展開を楽しみに見守っている企業の1つです。

私たちが関西電力との取り組みをスタートして3年以上が経ちますが、毎年、大小さまざまな工夫をこらしながら、より多くの社員が参加しやすく、より面白いアイデアを出しやすく、そしてより良い事業が生まれやすい仕組みづくりを進めています。

関西電力の岡田康伸さん(イノベーション推進グループチーフマネージャー *取材当時)も「今の仕組みを回していくだけでこれからもずっとうまくいくことはないと思っています。いろいろと新しい仕掛けで活性化を図ることが間違いなく必要になるので、今後もそういった仕掛けを生み出していくために尽力していきたいと思います」と言います。

▲関西電力の岡田康伸さん

現在も、新たな事業の輩出を目指してまさに取り組みを続けている最中です。生まれてくる事業を通じて、皆さんの生活にもより良い価値を届けられる日を楽しみにしています!

GOBでは、関西電力のほか以下のような企業、自治体と新規事業開発を進めています。私たちと一緒に、企業や自治体との新規事業開発に挑戦したい人は、ぜひ気軽にコンタクトを取ってください。

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