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-2匹目- ネコの手も借りたい情報デザイン "情報の形態"

二匹目は、情報デザインの超重要キーワード"情報の形態"です。
今回の表紙は、埼玉県松伏総合公園にお住まいのサバトラハチワレ(ミミカケ)さんです。


情報にもいろいろある

建築設計士が建物や建材のことをよく知っていることと同じように、情報設計士は "情報"という(得体のしれない)モノをよく知っていなければなりません。情報とは何か?という理解を深めるために、"理解の4つの段階"を紹介しておきます。

理解とは、データ(Data)から知恵(Wisdom)への連続した観念と考えるべきだ。(中略)そこには、何段階かのレベルが存在する。 (中略)この連続体の終点に近づくにつれて、理解が個人の問題となってゆき、ついには他人とは絶対に共有できないほど私的なものに変化するという事実にある。共有出来るのは、そこへいたるまでの過程だけとなる。(ネイサン・シェドロフによる"理解の段階")

簡単にまとめると、"情報というものは4つの状態(形態)がある"となります。私なりの見解を加えて、箇条書きにしてみました。

  1. データ(Data):バイナリデータをはじめとする、それ単体では意味をくみ取れない状態
  2. 情報(Information インフォメーション):これが基本。コミュニケーションに利用できる状態
  3. 知識(Knowledge ナレッジ):情報が個人の中で組織化した状態
  4. 知恵(Wisdom ウィズダム):知識が昇華し、他の分野でも応用可能になっている状態

上記の考え方は、それぞれの頭文字をとって"DIKWモデル"という呼ばれ方もします。情報をデザインしていると、これらの違いを目の当たりにするシーンには沢山遭遇するので、今ここで暗記しなくても良いと思います。今回はまず、"情報にはいくつかの状態がある"ということを知って頂きたいと思います。


昇華型の情報デザイン

データという状態は、単体では人へ意味を伝達することができません。ですので、その内容を理解させるためには、他のデータと結合・連結・組織化し、人間が意味をくみ取れるように加工する必要があります。このような、データから情報へと段階を押し上げるタイプの編集行為を"昇華型(の情報デザイン・編集)"と呼んでいます。代表的な例を挙げておきます。

  • センサーで観測した気象データ・電力データ・ビーコンデータなどを、地図上に展開して可視化する。
  • ポスデータを解析し、売り上げと集客人数の相関関係を見いだす。
  • 選挙の投票結果を集計し、速報番組の画面下にリアルタイムで表示する。


ブレイクダウン型の情報デザイン

ブレイクダウン型の情報デザインとは、前途の昇華型と逆のパターンで、"ある人の脳内の情報を、別の人に伝える"という行為です。

組織化された情報をひも解き、言葉や図説として表現しなおし、情報同士の相互関係を整理します。私はこの編集行為のことを"ブレイクダウン型(の情報デザイン・編集)"と呼んでいます。代表的な例を挙げておきます。

  • 専門家にインタビューを行い、コツをまとめて読み物にする。
  • 自分の培った技術をブログに連載する。当シリーズのことですね。
  • 先生が生徒に教える。


"情報"を"デザイン"するということ

重要なのは、人間は"情報"という状態を通してコミュニケーションするという考え方です。 こう定義すると、解読不可能な"データ"や個人の頭の中にある"知識"は、そのままでは他人が知ることは不可能ということになりますから、それらの"情報ではないもの"を"情報にする"行為が必要になってきます。

そして、それこそが"情報デザイン"であると私の中では結論づけています。(だから"データデザイン"とか"知識デザイン"とは言わないんですね。)

情報の段階を詳しい図にすると、以下のようになります。

補足1:データは、劣化しにくく、応用しにくく、コピーしやすい。知識・知恵は、変質しやすく、コピーしにくい。
補足2:情報は、経験を通して個人に取り込まれると知識になる。知識は多次元的に組織化された情報のネットワークである。
補足3:知恵は、知識のネットワークに内在する傾向やベクトルにあたると考えられる。知恵は、分野にとらわれず応用されるものである。例えば"全体をよく見る"という行為は、スポーツだけでなくコミュニケーション行為全般に通用する知恵である。また、センスや直観といった感覚的・統合的判断は知恵である。
補足4:データ・情報・知識・知恵という状態は、文脈や状況によって相対的・流動的に可変する。例えば"単語"をデータと捉えるか、情報と捉えるかを一概には言えない。


まとめ

今回は、情報デザインの分野において、根本的な考え方を紹介しました。この概念の具体的な応用は、順を追ってご紹介していこうと思います。


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