グラフィックデザイン・美術・情報デザイン・テクノロジーという4本の柱で、学者から子どもまで、すべての人へ届けるためのデザインをする株式会社モフ。

そんなモフでは、今年の5月に社内バナーコンペが開催された。

デザイナーの井上・難波・竹村の3人が、連載中のストーリー "ネコの手も借りたい情報デザイン" のバナーを制作。
対象は20代後半〜30代前半のデザイナー男女・猫のイラストを使用すること・タイトルを入れることが大まかな条件である。

果たして3人はどんな思いでコンペに参加し、どんなデザインを作ったのか。
今回は、京都大学を卒業後、グラフィックデザインを2年間学んだのちにモフへ入社した、新進気鋭のデザイナー竹村にインタビューしてきた。

初めて1人で行うデザイン業務、その感想は？

ー　バナーコンペお疲れ様でした。まずは、率直な感想をお聞かせください。

いつも、先輩デザイナーの井上に何を作る時にも見て貰っています。しかし、今回のバナーコンペにはその井上も参加していたので、デザイン作業を初めて1人で行うことに。まず、それがとても新鮮でした。

井上には「社内案件にそんな時間をかけすぎないように」とよく言われています。しかし、どの程度まで作り込めば良いのかがまだ分からず、結局すごい時間をかけてしまいましたね。

そんな風にあたふたしながらも、ちょっと楽しくなりながらデザインをしていました（笑）ありがとうございました！

デザインイメージは、なんとゲームのお助けスポット！

ー　楽しく参加して頂いたようでとても嬉しいです！次は、実際に制作されたバナーデザインについて詳しくお聞かせください。

文字組みについてはまだ良く分からないので、そこにはあまり拘ろうとせず、今回は背景のイラストに注力しました。

このバナーを見た方に「なんか助けてくれそうだな」と感じてもらえるよう、ゲームのお助けスポットをイメージしてデザインしています。また、"楽しそうなデザイン" の方がみなさんに見て貰えるかなと思い、ゲーム画面の様な配色を意識しました。ヒーリングポイントみたいな緑のネオンカラーを文字色に使ったり、背景色では紫をベースにしたりしています。

このモヤモヤっとしたイラストは "情報" を表しています。
情報デザインとは "単体では理解し辛い情報を、編集して人に届けていくもの" なんだと、ネコの手も借りたい情報デザインの記事に書いてありました。このモヤモヤ（情報）を猫が上手いこと形にして、きっと私たちの元に届けてくれるとか、その届け方を教えてくれるみたいな物語を思い描いています。

奇抜なデザイン✖️口下手な自分をカバーするために

ー　ゲーム画面の様な竹村さんのバナーデザイン、とても惹きつけられます！今回のバナーコンペで、竹村さんは唯一プレゼン資料を用意されていました。どうして資料を用意しようと思ったのでしょうか？

↑　実際に使用したプレゼン資料（抜粋）

本当はもう少し既視感のあるデザインにしたかったのですが、作り込んで行ったらどんどん逸れてしまって。最初に狙ったものとは全然違うところに答えが出てしまったんです。
実は、既存のデザインを真似っこすることは苦手で、、、
久しぶりの絵を描く機会に、テンションが上がってしまったというのもあります（笑）

今後は、もっと求められたものを狙って行けるように頑張りたいです。
奇抜な案もあって良いのですが、求められているラインをちゃんと理解した上で、ちょっとはみ出すくらいのところに収めていけたら良いですよね。

伝えるということに苦手意識がある上に、デザインしたものも少し奇抜となると、何をイメージしてデザインしたのかは画像を見てもらった方が分かりやすいだろうと思いました。 原稿が無いと上手く話せないこともあって、今回はプレゼン資料を用意しています。

安心感があって、使いやすい制作物を目指したい。

ー　プレゼン資料、とても分かりやすかったです。社内バナーコンペでの経験を踏まえた、今後の意気込みを教えてください！

既存のデザインを見て自分なりに再構成し、見たことはあって違和感もないけど、どこか新しいよねとか、どこかモフっぽいよねというデザインが出来るようになりたいです。安心感があって、使いやすい制作物を目指したい。

相手が「こんな感じが良いよ」というもののイメージをまず探して、きっとこういうテイストのこういう要素だ、じゃあ自分はもうちょっとこうした方が良いと思うからそれに付け加えていこう、という流れを意識的に作れると良いです。

作業中は、結構なんとなくで色々試しがちなんですが、手を動かす前に整理するタイミングをちゃんと持ちたいなと思っています。

機会があれば、是非また社内コンペをお願いします！ありがとうございました！