代表のキャリアとこれまでの歩み
―― これまでのキャリアについて教えてください。
大学では物理を学んでいましたが、卒業後はWeb広告代理店に入りました。理由は、『この先も形を変えても生き残る考え方やスキルを身につける』ことを大事にしていたからです。そこで広告運用やSEO、自社メディアの立ち上げを経験し、検索1位を獲得するメディアを作ることができました。
でも、広告費を増やすことが本当にお客さんのためになるのか? という疑問を持ち始めました。ただの広告運用ではなく、企業の事業成長を本気で支援したい。その想いから、アルバイトマッチングの会社に転職し、カスタマーサクセスとマーケティングを担当しました。企業の課題を深く理解し、事業の成長に直接関わる経験ができたのは、大きな転機でした。
特に印象に残っているのは、クライアントの課題に向き合い続けた結果、『あなたのおかげで事業が成長しました』と言ってもらえたこと。その瞬間に、この仕事の本当のやりがいを実感しましたね。
独立・起業を決意した理由
―― なぜ独立を?
正直、最初から起業を考えていたわけではないんです。『自分のスキルがどこまで通用するのか?』を試したくて、まずはフリーランスとして動いてみました。すると最初の1ヶ月で30万円の案件を獲得でき、『いけるかも』と確信しました。
特に中小企業のマーケティングは代理店に丸投げされがちですが、それだと本当の意味で企業の成長にはつながらない。企業の中に入り込み、内側から支援するスタイルがベストだと感じたんです。だからこそ、クライアントの“一員”のように動くスタイルを確立し、2022年11月にSLITを立ち上げました。
独立して気づいたのは、『やってみることが一番大事』 だということ。完璧な準備がなくても、一歩踏み出せば必ず道が開ける。僕自身、その姿勢でここまで来ました。
(写真は参画メンバーらと、東京駅のレストランで会食した際のものです。)
起業に対する想いを持つようになったきっかけ
―― いつ頃から起業を意識するようになったのですか?
「新卒で入社した会社で働いていたとき、ニュースで地震や災害の情報を聞いたんです。そのとき、海外の情報も見ていて、『日本にも本格的なシェルターを作る会社があったらいいのに』と思いました。調べてみたら、シェルター事業を手がける会社はほとんどなく、あったとしても営業職として入るしかない。だったら、自分でやるしかないんじゃないか、と考えたんです。
僕は昔から、世の中にないものを作りたいという欲求が強いんですよね。人と同じことをやっても意味がないし、価値がないと思っています。でも、それは単なる自己満足ではなく、『本当に必要とされるもの』を生み出すことにこだわっています。」
価値観が形成された背景
―― その価値観はどのようにして生まれたのですか?
(中務本人は右側です笑 左は姉です。)
「母親が言っていたんですが、小さい頃の僕は、いつも『いいな、いいな』って言っていたそうです(笑)。裕福な家庭ではなかったので、車やおもちゃ、家など、周りを見ては『いいな』と思っていました。でも、ただ欲しがるだけじゃなく、なぜそれが魅力的なのかを考えていたんです。
小学校のときも、みんなが黒や赤のランドセルを使っている中で、僕は紫(紺色)のランドセルを選びました。案の定いじめられましたが、僕はむしろ『他の人と違くてすごいでしょ?』みたいな感覚でした(笑)。
人と違うことが魅力的だという価値観は、その頃からずっと変わっていません。それは、SLITの考え方にも通じています。僕たちは、型にはまらず新しいことに挑戦し続ける組織です。そして、『ただ違うことをやる』のではなく、『本当に価値のある違いを生み出す』ことを大事にしています。」
起業の道のりと気づき
―― 起業の道のりで印象的だったことはありますか?
「“中務さん”と呼ばれていたのが、“SLITさん”と呼ばれるようになったことですね。これは大きな変化でした。個人ではなく、組織として見られるようになった瞬間で、チームの存在や会社のビジョンがより求められるようになりました。
また、法人を設立する手続き自体が面白かったですね。会社を作るというのは、法人という新しい“人格”を作るってことです。法人格を持つことでただの個人事業主ではなく、組織としての責任と可能性を持てる。起業って単なる手続きじゃなくて、新しい存在を生み出す感覚なんだと実感しました。
(後編に続く)