「印刷会社から『データ不備』で突き返されてしまって、もうどうしたらいいか分からなくて……」
ある暑い夏の日の午後、私たちのオフィスに駆け込んできたのは、地域のボランティア団体の方でした。
手元にあったのは、自分たちで一生懸命作った夏祭りのチラシ。けれど、印刷会社の入稿画面には見慣れないエラーや専門用語がずらりと並んでいて、すっかり途方に暮れてしまっていました。
最近は、AIや便利なデザインツールを使って誰でも手軽にチラシを作れる時代です。個人商店の店主さんや地域活動をされている方々が、工夫しながら自分でデザインしている姿を本当によく見かけるようになりました。
ただ、画面の上ではいい感じに見えても、いざ印刷しようとすると急にハードルが上がります。
「なんだかしっくりこない」
「思っていた色味と違って、なんだか不自然」
そして最後にぶつかるのが、今回のような「データの不備」の壁です。
私たちTEE DESIGNでは、そうしたデザイン初心者の方に向けた添削サービス「みてみて!デザイン」を行っています。
この日も、お預かりしたデータをひとつずつ確認していきました。
文字化けを防ぐためにフォントをアウトライン化し、印刷用のCMYK変換で色を整え、裁断のズレに備えて塗り足しを追加する。これらは、印刷トラブルを防ぐためのいわば「技術的な保険」です。
けれど、私たちが本当に大切にしているのは、ただデータを機械的に直すことではありませんでした。
「ここは一番目立たせたいんです」
「この色で、お祭りの賑わいを表現したくて」
画面を一緒に見ながらそんな言葉に耳を傾け、プロの目で見て「これなら大丈夫」と思える状態に仕上げていく。
コーヒーでも飲みながら話すような落ち着いた空気の中で、相手が本当に伝えたかったニュアンスをひとつずつ拾い上げていく時間です。
無事にお祭りの前日、受話器の向こうから「できた!」という弾んだ声が届いたとき、思わず胸が熱くなりました。
自分たちで苦労して作ったものが、ちゃんと納得のいく仕上がりになって手元に届く。その喜びや安心感は、何物にも代えられません。
専門用語を並べて壁を作るのではなく、困っている人と肩を並べて画面を覗き込み、不安を安心に変えていく。
誰かの「できた!」という瞬間に一番近くで立ち会えることが、この仕事の面白さだと感じています。
派手な仕事ばかりではありません。それでも、目の前の人の小さな「できた!」を一緒に喜べる。
そんな仕事に手応えを感じる人と、ここで一緒に働けたら嬉しいです🌱