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【ユースケース#9】人流データ×サプライチェーン

はじめに

本記事では物流サプライチェーンの把握にデータをどう活用できるか、という点に着目し、米Replica社による具体的事例を取り上げたいと思います。

Replica社は2019年に設立され、データ可視化ソフトウェアの開発や分析、シミュレーションなどを通じて、幅広いクライアントのまちづくりを支援しています。

今回は、データを通じて港湾整備の施策立案を支援した事例をご紹介します。

案件概要

アメリカ政府は、物流サプライチェーンの全体像を把握するための情報交換を推進しており(Freight Logistics Optimization Works)、その一環として、Replica社はカリフォルニア州交通委員会に向けて、州内の港湾に関連するデータとその分析結果を提供し、港湾の物流が周辺の人流や経済活動に与える影響を検討しました。

Replica社のアプローチ

Replica社はロサンゼルス・サンペドロ港湾周辺のダッシュボードを作成し、エリア内の人流や購買行動、寄港船舶数等を可視化しました。

このダッシュボードは、Replica社が保有する位置情報・消費行動のデータに、外部の海運交通や大気質に関するデータを加えるかたちで作成されました。

図の右側、下から2番目のデータからは、2021年11月中旬以降、消費額や港湾を出発地とする移動経路に変化が見られることがわかります。
これは、船舶の整列方法が変更された時期(橙色の目印)と一致しており、このように港湾の物流が周辺に与える影響を読み取ることができます。

アウトプット

上記の基礎的なデータ分析を踏まえ、Replica社は港湾の物流に関する影響についてより詳細かつ多角的な分析を施しました。

その結果、交通量や購買行動、大気質や物価など、広範囲に及んで影響を及ぼしていることがわかりました。例えば、ロサンゼルスの港湾付近の道路が輸送用のトラックによる慢性的な渋滞に見舞われていることや、それに伴いPM2.5の数値が上昇しており、国の基準値(緑のライン)を上回っています。

結論

今回の分析によって、カリフォルニア州内の港湾の整備方法や、インフラ投資、周辺地域の環境負荷軽減に関する施策を検討するための現状把握と課題の特定が可能になりました。

最後に

本事例では、港湾を取り巻く周囲の状況や関係性を把握し、効率的なサプライチェーンを実現するヒントを提供することができました。

このように、さまざまなデータを組み合わせて分析を施すことで、全体像を俯瞰し、特定の分野・エリアに限定すると見えなかった視座を得ることができます。

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