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・・・ざるを得ない状況に置かれると人は勝手にやるようになる

株式会社リアライズ代表の佐藤です。Wantedly開始記念で掲載しはじめましてリアライズ創業ヒストリー。今日は第4話です。

2008年12月に産声をあげた缶バッジ製作事業。当時の僕はバンドをしながらフリーター生活をしていました。その当時バイトをしていた会社は観光情報やデート情報などを雑誌やWEBで紹介するのをメインの事業としている会社でした。

平日はその会社で事務バイトをしながら土日はほとんどライブ、都内だけでなく地方でも活動をしていました。

年齢は30歳、既婚、子供なし。8畳1間に奥さんと犬2匹と住んでいました。

デザインソフトが必要であることをようやく知る

前回の記事で書いた通り、缶バッジの製作請負を自宅で始めて、とにかく何でもいいから思いつくことしよう、という感じで数千件のネット掲示板への書き込みをした結果数件の問い合わせをもらうことができました。

ただ、WEBサイト経由の注文をもらうようになって問題が発生したのです。

それは、

僕がIllustratorもPhotoshopもできなかった。

どころかソフトすら持っていなかったということです。

正直な話、バンド友達に缶バッジをつくってあげた時はJPEGで画像を送ってもらってペイントソフトで印刷したりしていました^^

今思うとそれも器用なんですけど当時はそれしかやり方を知りませんでした。

そしてそんな状態で商売を始めたことに対して不安すら感じていませんでした。何が必要なのかも全然わからなかったんですね。

そんなところにWEB経由でお問合せがくるようになり、当然のようにAIデータが送られてきたりした訳です。

そっか・・・・画像ソフト扱えないとこの商売できねーや。。。

そこにようやくですが、気付いてしまったのです。

画像ソフトを扱えるようになる。

当時の僕にとってはそれは途方もなく遠い道のりに感じていました。そんなデザイナーみたいなことできっこないじゃんって笑

ただ、もう目の前にお客様はいる訳ですから悩んではいられません。

なんとかしてソフトを手に入れて扱えるようにならなくてはいけません。でも画像ソフトって高いんですよね・・・。

ただ、幸いにも過去の確定申告をしたお金が少しあったのとちょうどこの時3月で前年の確定申告もできたこともあってなんとかイラストレーターとフォトショップCS3バージョンを購入することができました。

独学でデザインソフトを覚える日々

こうしてかなり迅速に画像ソフトと参考書を手に入れることができ、毎晩勉強しながらお客様の問い合わせに応えていく日々が始まりました。

問合せなんてまだまだ少なかったですけどね。

入稿の形式はなんですか?

テンプレートはないんですか?

塗り足し何ミリ必要ですか?

トンボはいりますか?

レイヤーは統合しますか?

マスクはかけた方がいいですか?

PANTONE指定できますか?

校正は確認できますか?

印刷はオフセットですか?

WEBサイトをマックでみるとカラム落ちしてますよ?

などなど・・・。
本当に何も知らなかったしできていなかったのですが、画像ソフトのことのみならず印刷のことや製造に関すること、WEBのこと、1件問合せが来るたびに必ず知らないことやできないことがあって、その都度立ち止まって勉強してなんとかその日その日乗り越えていくようなヒリヒリとした日々でした。

でも、もう始めちゃった訳ですから。
インターネットをつかってオリジナル缶バッジつくりますよー!って宣言しちゃってる訳ですから、しかも数千件もBBSに投稿して。

いくら難しそうに感じられたとしてもやらざるを得ないという状況でした

無知だからこそやろうと思えたし継続ができた。

今にして思うとこの「やらざるを得ない」という状況だったことは本当に運がよかったなって感じられます。

もし、缶バッジの製作事業を始める前に画像ソフトやその技術が必要だって気付いてしまっていたら、

そんなデザイナーみたいなこと自分にできる訳ないじゃん。

となっていた可能性はけっこう高かったと思います。

WEBサイトをつくったのもそうで、2008年12月に機材を買った時点ではWEBサイトで宣伝しようとは思ってない訳です。

そうしなくちゃ商売がなりたたないって最初から気付いてしまっていたなら、

ホームページ自分でつくるなんてそんなプログラマーみたいなことできる訳ないじゃん。

となっていた可能性は相当高かったと思います!

仮にそれら必要なことを把握したうえでそれでも起業しようと思っていたとしたら、画像ソフトの購入資金を貯めたり、勉強したり、創業はきっと1年は遅くなっていたと思います。

その期間モチベーションを維持しながら勉強し続けられたかどうか・・・・。

無知で無計画だった為に、機材を買って始めてしまった。知り合いだけじゃ全然注文がとれないことがわかった時、使ったお金を無駄にする訳にはいかないからWEBなど他の方法で集客することに取り組ま「ざるを得なかった」。

無知で無計画だった為に、画像ソフトやその技術の必要性なども考えずにWEBサイトの宣伝を始めてしまった。その必要性に気付いた時は目の前にお客様がいて、来週までにつくって納品しないとという状況だったからなんとしてでもソフトを手に入れて学ば「ざるを得なかった」。

無知って最高。

当時の自分を振り返ると「浅はか」って言葉がぴったりなんですけど、浅はかでよかったと心から言えます(^^

バカでよかった。

まとめ 

このように、ざるを得ない状況に置かれた人って普段の何倍ものスピードで必要なものをはじき出して、普通だったら俺には無理だよ、って思ってしまいそうなことも泣き言言わずに勝手にやるようになるものなんだと自分の経験から学ぶことができました。

それを自覚するのはしばらく経ってからですが、それに気付いてからは、お客様からちょっとハードルの高い要望や質問をいただいた時も、まず「できます」と答えてしまい、やらざるを得ない状況をつくるようにしてきました。

そうすることで、(ほぼ自動的に)必死になって、どうしたらそれをクリアできるかという答えをなんとかはじき出そうと心と体が働くようになる。

人間の脳ってそうなってるんですきっと。

リアライズではこんな風にいつでもちょっと無理して自分達の身の丈よりも少し高い仕事と向き合うことでその都度成長してくることができました。

だからもし、これを読んでくれているあなたに何かやりたいなって思ってることがあるなら、

それに向かって地道に努力することから始めては多分ダメで(これはきっと強い意志が必要)、そうせざるを得ない環境に自分の身を置くことから始めると良いと思います。

それはきっとちょっと背伸びが必要だし少なからずプレッシャーがある。でもその圧力が最も自分を成長させてくれると思います。

とにかく無知の勢いだけで始めた製造事業、何も知らずにグワーっと宣伝をしまくった。

その結果、その道で商売することに見合った自分へと成長することを求められる日々が始まりました。

この時点では売上はまだ数万円。この先に待ち受けている怒涛の日々はまだ想像もしていませんでした。

それはまた次回以降の更新で。。。

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