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東北大学 数学科 2年生。大手企業とのプロジェクトで、人生の選択肢が広がった。

東北大学 理学部 数学科に2年生として在籍しながら、シグマアイで大手企業とのプロジェクトに携わっている長手さん。ある取引市場の予測モデルや、地方企業の従業員の勤務シフト最適化に奮闘しています。仕事の中で学んだことや、学業との両立、今後の進路について、詳しく語ってくれました。

長手 晟也(ながて・せいや)

シグマアイ:開発担当

東北大学 理学部 数学科 2年 在籍

工業高校の応用化学科から、東北大学の数学科へ

-東北大学の数学科に学部2年生として在籍していますが、どうしてこちらに進学したのですか?

私は工業高校出身で、応用化学を学んでいたのですが、実験があまり肌に合わなかったのです。そこで、理系で唯一と言っていい、実験の無い学科である数学科を選びました(笑)。高校の担任が数学科出身で、「お前は絶対に数学が向いている」と言われ続けていたことも後押しとなり、研究実績の豊富な東北大学に進学したのです。

-東北大学の数学の授業はいかがですか?

「お前は向いている」と言われて進学したのですが、思いのほか大変です(笑)。高校時代で学ぶこととはレベルが違うので、1年生のときは授業について行くのがやっとでした。猛勉強の末、2年生に進級してからは、「あ、こういうことだったんだ!」と知識がつながる実感を得られています。

シェアハウスの先輩が、量子技術との接点になった

-そして、シグマアイにアルバイトとしてジョインした経緯を教えてください。

私は愛知県出身で、仙台ではシェアハウスに住んでいます。東北大学の学生が7人で同居しているのですが、そこで大関さん(東北大学教授・シグマアイ代表)の研究室に所属している大学院生の先輩と出会いました。日々の雑談で量子技術について話を聞く中で、少しずつ興味を持ったのです。その後、大関さんのYouTubeでの講義を見て、「なんて面白い先生がいるんだ!」と衝撃を受けて、大関さんが主催するコミュニティ「T-QARD」に参加しました。量子コンピュータの論文や応用研究を調べて共有する活動を通じて、さらに関心を持つようになったのです。そして、コミュニティのSlackで、大関さんが「シグマアイでアルバイトを募集しています!」とポストしたのを見て、「お金をもらいながら勉強もできるのは一石二鳥かもしれない」とアルバイトとしてジョインしました。2022年の3月のことです。2年生になる少し前のタイミングでしたね。

機械学習を用いて、価格の予測モデルを構築。技術と実社会がつながる瞬間を実感できた

-シグマアイにジョインして、どのようなプロジェクトに携わりましたか?

入社してすぐに、ある大手企業のプロジェクトにジョインしました。そのクライアントは、ある商材の取引を市場で行っていて、私は価格の動向を予測するモデルを開発しました。価格が大きく変動する商材で、取引を最適化することで大きなビジネスインパクトを生み出せるのです。機械学習を用いて、未来の価格を時系列分析で予測するモデルを作りました。このモデルをベースに代表取締役の観山さんが最適化のシステムを構築して、ひとつのアプリケーションとして納品しました。

-このプロジェクトを通じて、学んだことはありますか?

技術と実社会がつながる瞬間を、はじめて目の当たりにしました。「このような市場が世の中にあるんだ」「この商品の価格はこんなに変動するんだ」「だからこういったモデルを開発すればいいんだ」など、気付きの連続でしたね。私は数学の中でも、応用的な分野に興味を持っていて、サイエンスの社会実装をやりたいと考えています。将来にやりたかったことが、大学1年〜2年の段階で形にできたので、大きな達成感を味わうことができました。

地方の大手企業の現場を訪問。「技術の押し付け」は上手くいかないことを痛感

-「価格動向予測モデル」の後は、どのような仕事をしましたか?

ある地方の大手企業のプロジェクトに携わっています。従業員の勤務シフトを最適化するシステムを開発中です。できる限り効率的に空き時間を埋めるだけではなく、従業員の皆さんに「平等さ・公平さ」を感じていただける「人に優しい最適化」を目指して奮闘中です。

このプロジェクトでは、シグマアイのメンバーと地方に出張して、従業員の皆さんと直接お話させていただきました。ちょうど大学の授業が空いていた期間に現地訪問の予定が組まれていたので、「僕も一緒に行っていいですか?」とお願いしたら、二つ返事で「いいよ!」と。

-現地に行くことで、見えてきたものはありますか?

やはり技術の押し付けだけでは上手くいかない、と痛感しましたね。システムを使う人や、実際にシフトに入る従業員の意見を聞いたのですが、そのときのプロトタイプではちょっと難しいなと。「こういう技術でこういうアプリを作りました。使ってください」というアプローチではなく、ユーザーの体験や心の動きをベースに改善を重ねていく。そのプロセスの大切さに気づきました。現在は、現場の皆さんにいただいたご意見をもとに、システムの仕様を改めて定義して、改良を重ねています。

「学業:シグマアイ=8:2」。数学とシグマアイの仕事は、ちょうどいいバランス感

-長手さんは、シグマアイの最年少メンバーですが、先輩に気を遣ったりしていますか?(笑)

大関さん、観山さんをはじめとして、研究者として豊富な実績も持っている方が多いのは事実です。ただ、心理的な距離感はとても近くて、言いたいことや聞きたいことがあれば、何でも話し掛けていますね。地方に出張したときに、協力会社の方も一緒にご飯を食べに行ったのですが、恋愛観の話で盛り上がって楽しかったですよ(笑)。上司と部下の関係ではなく、フラットな仲間に近い感覚で仕事ができています。

-学業とシグマアイの仕事で、両立はできていますか?

できています。あくまでも学業優先というスタンスは観山さんにも伝えていて、了承いただいています。「学業:シグマアイ=8:2」くらいのイメージです。大学が長期休暇の期間は、シグマアイの割合を増やしています。かなり柔軟に働けていますね。

モチベーション面でも、相乗効果が高いと思います。数学だけに打ち込んでしまうと、おそらく疲れてしまう。シグマアイの仕事では、社会とのつながりを実感できますし、メンバーやお客さんとの議論において、自分の考えを発散できる。このあたりのバランスを取れるのが、自分にとってかなりプラスになっています。

シグマアイでアルバイトとして働くことで、人生の選択肢が広がった

-最後に、ご自身の今後の展望を教えてください。

大学に入学した当初、大学院に進学することは、半ば当然のことだと考えていました。しかし、シグマアイでの活動を通じて、もちろん研究活動は大切なのですが、それ以上に実社会への還元が必要とされていることを肌で感じています。

まだ気が早いですが、卒業後の進路について、シグマアイの人事のトップで取締役の田口さんに相談してみました。「事業がどんどん拡大するから、シグマアイで新しい社会実装に挑戦できるチャンスは豊富にあるよ」と言っていただいて、ああ、そういう道もあるな、と(笑)。確かに、大企業に新人で入っても、いまのような仕事はなかなかできないと聞きます。進路をどうするかはもう少し考えたいです。ただ、シグマアイでアルバイトとして働くことで、人生の選択肢が広がったのは間違いないですね。

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