目次
最初の出会いは会計から。9年かけて「共創」を目指す関係性に
「色で人を癒し、繊維で街を創る」 COQに込められた梶原さんの哲学と、セブンリッチとの思想的接点
信頼の醸成と、共創の道のり。 “黒子”から“伴走者”へ
「見守られている安心感」が育む信頼。 共に歩むからこそ見える、次世代への景色
点と点が線になるように。 未来の共創者たちへ贈るメッセージ
セブンリッチグループが共創のパートナーとして歩むのは、テキスタイルデザイナー・梶原加奈子さんが手がけるライフスタイルブランド「COQ」。会計支援という最初の出会いから、両者はどのように信頼を深め、共に新たな価値を創造する事業を形作っていったのでしょうか。
今回のnoteでは、梶原さんとセブンリッチグループ社長室の浦田友恭さんに、COQに込められた哲学、セブンリッチ流の共創のあり方、そして「想いを形にする」感動について、じっくりと語っていただきました。
【右】梶原 加奈子(かじはら・かなこ)
テキスタイルデザイナー/COQディレクター。(株)イッセイミヤケ勤務、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)修士課程修了。独立後は、開発したテキスタイルを欧米のハイメゾンへ提供し、世界的なアワードを多数受賞。2017年に故郷・札幌で立ち上げたブランド「COQ」では、「自然の中で深呼吸する暮らし」をテーマに循環型デザインを提案。業界の要職も歴任し、日本の繊維産業の活性化に尽力する。
【左】浦田 友恭(うらた・ともやす)
セブンリッチグループ社長室 室長。大手広告制作会社にて、クリエイティブディレクターを務めた後、企業のビジネスデザイン・事業開発代行を生業とするスタートアップにて、大手企業の事業開発やソーシャルグッド・SDGsの事業化プロジェクトに従事。2022年よりセブンリッチグループにて、経営管理、M&A、新規事業開発等を行う。
最初の出会いは会計から。9年かけて「共創」を目指す関係性に
── 本日はお忙しい中ありがとうございます。まず、梶原さんとセブンリッチグループとの最初の出会いについてお聞かせいただけますか。
梶原:
こちらこそ、ありがとうございます。セブンリッチさんとの出会いは、もう随分と前になりますね。確か2014年頃だったかしら。私の個人事業を法人化するタイミングで、会計業務をお願いできるところを探していたんです。
その時、知人にご紹介いただいたのが、当時のセブンリッチ会計事務所でした。最初は、会計事務所としてのお付き合いから始まったんです。
── 会計業務が最初の接点だったのですね。当時のセブンリッチさんや、後に担当となる浦田さんにはどのような印象をお持ちでしたか?
梶原:
当時は、まだ服部さん(セブンリッチグループ代表 服部峻介氏)がメインでいらして。とても親身に相談に乗ってくださる方だな、という印象でした。
私たち、本社が札幌で、セブンリッチさんも札幌に拠点があったので、その点もご縁を感じましたね。 浦田さんは、その頃はまだ直接の担当ではなく、服部さんのご紹介で後から登場されたと記憶しています。正直な第一印象を言うと……(笑)。
── 気になります!ぜひ、お聞かせください。
梶原:
浦田さんって、いつも黒いお洋服じゃないですか?COQは「カラーヒーリング」がテーマで、色彩豊かで陽気になるようなデザインを心がけているので、ある意味、真逆。
だから、「浦田さんは、COQの世界観、もしかしたらあんまりお好きじゃないんじゃないかな」って、勝手に思っていたんです。「東京のクールなビジネスマン」というイメージで、北海道の大自然の中から出てきた私とは対照的だな、と。
浦田:
今初めて伺いました(笑)。「クールなビジネスマン」だと思われていたとは……実際は全然そんなことはないんですよ。
梶原:
でも、それは最初の頃だけで。何度も北海道にも足を運んで、私が「自然の中で深呼吸する場所」というコンセプトのもとプロデュースした複合施設『COQ SAPPORO』も見ていただいて。一緒に時間を重ねるうちに、浦田さんの内面というか、本質的な部分に触れる機会が増えていったんです。
見た目とのギャップ、と言ったら失礼かもしれませんが、すごく温かい方で。COQが大切にしている「癒し」や、何かを「慈しみ、愛を注ぐ」というような言語化しづらい感覚も、心から理解し、共感してくださる。それが分かってきたのは、ここ最近のことかもしれません。
── 浦田さんご自身は、梶原さんやCOQブランドとの関わりを、どのように位置づけていらっしゃいますか?
浦田:
僕たちセブンリッチグループの社長室は、M&Aや出資、アライアンスを通じて、既存事業外でパートナー企業と非連続成長を創造し、「人の縁を形にする」ことをミッションとしています。
梶原さんのCOQブランドは、その独自の世界観、ものづくりに対する真摯な姿勢、そして何よりも梶原さんご自身の持つセンスと技術、哲学とエネルギーに、最初に触れた時から強く惹かれるものがありました。
「会計」という入り口から始まりましたが、単なる業務支援に留まらず、もっと深いレベルでご一緒できるのではないか、共に新しい価値を創り出せるのではないか、という直感があったんです。それは、まさに僕たちが目指す「共創」の可能性そのものでした。
「色で人を癒し、繊維で街を創る」
COQに込められた梶原さんの哲学と、セブンリッチとの思想的接点
── 梶原さんの手がけるCOQブランドには、アパレルだけでなく、ドッグウェアやタオルなど、多岐にわたる製品がありますね。改めて、COQブランドに込められた想いや世界観、ものづくりで大切にされていることを教えていただけますか。
梶原:
COQの根底にあるのは、「カラーヒーリング&サーキュラーライフ」という考え方です。 色が持つ癒しの力と、循環型の暮らし。この二つを大切にしています。ブランド名の「COQ(コキュウ)」は日本語の「呼吸」から。
自然の中で深呼吸するように、心身ともに解放されるような暮らしを提案したいという願いを込めています。 北海道の雄大な自然、森のせせらぎや木漏れ日、澄んだ空気——そういったものからインスピレーションを得て、デザインに落とし込んでいます。
もともと私はテキスタイルデザイナーとして、生地を企画開発し、国内外のメゾンブランドに提供する仕事をしてきました。 その中で、日本の産地の素晴らしい技術や素材に触れるうちに、これらを未来に繋ぎ、もっと多くの人にその価値を届けたいという想いが強くなっていったんです。
COQは、その想いを形にするための表現の場でもあります。使う人の心と体を癒し、そして作り手である産地や職人さんたちの未来も明るく照らせるような、そんなものづくりを目指しています。ある意味、「繊維で町を創る」というような、大きな視点も持っていたいと考えています。
── 「繊維で町を創る」、素敵な言葉ですね。浦田さんは、梶原さんのそうした思想やCOQの世界観のどのような点に、特に共感を覚えられたのでしょうか。また、セブンリッチグループとして、どのような価値提供を目指されたのですか。
浦田:
梶原さんのお話は、伺うたびに発見があり、僕たちが大切にしている「しあわせの総量を増やす」というグループ理念とも深く響き合う部分を感じます。
目の前の人の人生で成し遂げたい目標や想いをしっかりと聞いて、背中を押して一緒にチャレンジすること、コツコツ目の前の人の幸せ(実現したいことの実現)を積み重ねることを大切にしています。
また、「産地の未来へ呼吸をつなぐ」 という使命感や、BtoB事業で「地方の製造工場さんの未来作り」に関わっていらっしゃる姿勢 は、僕たちが機能支援や事業承継を通じて地方の素晴らしい企業様をご支援したいという想いと重なります。
僕たちが目指すのは、単なる資金提供や経営コンサルティングではありません。
── と、言いますと……?
浦田:
僕たちセブンリッチグループが実現したいのは、パートナー企業様が持つ独自の価値や文化を最大限に尊重し、その上で、セブンリッチグループが持つ多様な事業リソース(会計、人材、システム、マーケティング、デザインなど)を掛け合わせることで、新たな成長エンジンを生み出すこと。
COQ様との共同事業(DOGWEARやタオルなど)においては、梶原さんのクリエイティビティとCOQブランドのポテンシャルを最大限に引き出し、それを事業としてスケールさせていくためのファイナンス面でのサポートはもちろん、マーケティング、広報や販路開拓など、事業成長を様々な側面から伴走して一緒にチャレンジしています。
── COQ様との共同事業を始めるにあたり、梶原さんご自身はどのような期待や、反対に不安がありましたか?
梶原:
セブンリッチさんと何か新しいことを始めるということに対しては、大きな期待がありました。特に服部さんから「もっと拡大していける、もっと頑張れるよ。可能性はあるよ」と何度も背中を押していただいたことは、BtoC事業へ本格的に踏み出す大きな勇気になりましたね。 それまでは、BtoBのクライアントワークが中心で、アパレルでのBtoC展開はリスクも大きく、慎重にならざるを得ませんでしたから。
「不安がなかった」と言えば、嘘になるかもしれません。特に、自分たちのクリエイションやブランドの世界観が、ビジネスとして拡大していく中で薄まってしまわないだろうか、という点は常にありました。
でも、それはセブンリッチさんだったからこそ、乗り越えられたのだと思います。彼らは私たちの「想い」の部分を深く理解し、尊重してくださる。そこが一番大きいですね。
信頼の醸成と、共創の道のり。
“黒子”から“伴走者”へ
── 出会った当初は「東京のクールなビジネスマン」という印象だった浦田さんとの関係性も、協業を進める中で変化していったのですね。信頼関係が深まったと感じる具体的なエピソードがあれば教えてください。
梶原:
そうですね……ひとつ印象的だったのは、私が母校である多摩美術大学に寄稿した文章のことです。自分のものづくりに対する考えや、これまでやってきたことを綴ったものなのですが、それを服部さんにお渡ししたら、浦田さんにも共有してくださっていて。
後日、浦田さんとお会いした際に、「あの文章、今でも時々読むんです」と仰ってくださったんです。正直、少し驚きました。浦田さんがそんなに熱い想いを持って読んでくださっているとは、その時まであまり思っていなかったので。
でも、その一言で、浦田さんが私のクリエイションの根底にある思想や哲学の部分を、深く理解しようとしてくださっているんだな、と感じて、とても嬉しかったのを覚えています。そこから、よりオープンに色々なことを話せるようになった気がします。
── 浦田さんはいかがですか?梶原さんとのコミュニケーションで心がけていることや、印象的なエピソードはありますか。
浦田:
梶原さんは、本当にピュアで、嘘がない方。そして、ご自身のクリエイションに対する情熱と哲学が明確です。
ですから、私も変に取り繕うことなく、誠実に向き合うことを常に心がけています。梶原さんの言葉に真摯に耳を傾け、その奥にある想いを正確に捉えること。そして、それに対して僕たちができることを、率直に、具体的に提案すること。その積み重ねが、信頼関係を築く上で最も重要だと考えています。
印象的なのは、やはり『COQ SAPPORO』に伺った時のことです。 あの空間は、まさに梶原さんの世界観そのもの。自然との調和、素材へのこだわり、そして訪れる人への優しさ。
五感でCOQのフィロソフィーを感じることができ、梶原さんの目指すものがより深く理解できた瞬間でした。僕たちがご支援すべきは、この素晴らしい世界観をいかに多くの人に届け、事業として持続可能なものにしていくか、その一点に尽きると改めて確信しました。
── セブンリッチグループの価値観や信念が受け継がれているなと感じる場面はありましたか?
梶原:
実は当初から支援してくださっていたからご担当が変更したタイミングがあって。本当はそのとき、「どうなるのかな」と不安だったんです。でも、セブンリッチさんの場合、その根底にある「COQを応援したい」「一緒に何かを創り上げたい」という想いは、服部さんから浦田さんへ、そしてチーム全体へと、しっかりと引き継がれていると感じました。
だから、不安よりも、新しい視点やアプローチが加わることへの期待感の方が大きかったですね。浦田さんは、服部さんとはまた違う強みや個性をお持ちで、それがCOQの新たな可能性を引き出してくれるのではないかと。
実際に、浦田さんが担当になってから、より具体的な事業戦略や海外展開といった話も進みやすくなったと感じています。
── セブンリッチグループとのパートナーシップを通じて、梶原さんご自身の事業やブランドにどのような変化や影響がありましたか?「セブンリッチならでは」と感じる点はありますか?
梶原:
一番大きな変化は、やはりBtoC事業への本格的な挑戦と、それに伴う事業規模の拡大です。セブンリッチさんと組んでいなければ、『COQ DOGWEAR』のような新しいラインナップも、中目黒の店舗展開も、ここまでスピーディーには実現できなかったと思います。
さらに「セブンリッチならでは」と感じるのは、彼らの「伴走力」ですね。
ただ資金を提供する、アドバイスをする、というだけでなく、文字通り同じ船に乗って、一緒に汗を流してくれる。そして、私たちの「やりたい」という想いを尊重し、それをどうすれば実現できるかを真剣に考え、具体的な道筋を示してくれる。
時には、私たちの気づいていない強みや可能性を指摘してくれることもあります。それは、多くの企業を見てきた彼らだからこその視点なのだと思います。
「見守られている安心感」が育む信頼。
共に歩むからこそ見える、次世代への景色
── 梶原さんは取材前に、セブンリッチさんとの関係性を「見守ってもらっている」と表現されていましたね。
梶原:
ええ、そうなんです。セブンリッチさん、特に服部さんや浦田さんに見守っていただいているという感覚は、常にあります。「何か困ったことがあればいつでもサポートするよ」と言ってくださる安心感。でも、決して過干渉ではなく、私たちの自主性を尊重し、自分たちの力で成長していくことを見守ってくれている。
この「見守られている安心感」があるからこそ、私たちは新しい挑戦に臆することなく踏み出せるのだと思います。それは、お金やノウハウの提供だけでは得られない、非常に大きな精神的な支えですね。
浦田:
僕たちとしても、パートナー企業様とは長期的な信頼関係を築きたいと考えています。事業は常に変化し、予期せぬ困難に直面することもあります。そんな時でも、お互いを信頼し、支え合える関係性こそが、共に成長していくための最も重要な基盤です。
梶原さんのように、ご自身の事業に情熱と覚悟を持って取り組んでいらっしゃる方に対しては、僕たちも最大限の敬意を払い、その想いを全力でサポートしたい。それは、ある意味、親が子どもの成長を願い、時には厳しく、時には温かく見守るような感覚に近いのかもしれません。
── COQブランドの今後の展望や、セブンリッチグループと共に実現したい未来についてお聞かせください。また、梶原さんがおっしゃっていた「今後10年の覚悟」「次世代に残す」という視座についても、詳しく伺えますか。
梶原:
COQというブランドは、私にとってライフワークです。単に商品を売るということ以上に、COQを通じて、人々が心豊かに、そして地球環境にも優しく暮らせるような、そんなライフスタイルを提案し続けたい。
そのためには、ブランドとしてしっかりと自立し、持続可能な形で成長していくことが不可欠です。今後10年、いえ、それ以上先を見据えて、COQをさらに価値あるブランドへと育て上げていく覚悟があります。
そして、私が創り上げてきたものを、次の世代へと繋いでいきたいという想いも強くあります。それは、COQブランドそのものであったり、日本の素晴らしいテキスタイル技術や文化であったり。セブンリッチさんとであれば、そうした長期的なビジョンも共有し、共に実現していけるのではないかと期待しています。
彼らは、短期的な利益だけでなく、もっと大きな視点で事業の価値を捉え、未来への投資を惜しまない企業文化を持っていると感じていますから。
点と点が線になるように。
未来の共創者たちへ贈るメッセージ
── 最後に、この記事を読んでくださっている未来のパートナー候補や、セブンリッチグループ(社長室)に関心を持つ方々へのメッセージをお願いします。
梶原:
もし、ご自身の事業やブランドに熱い想いがあり、それを誰かと共に形にしたい、もっと大きく育てていきたい、と考えていらっしゃるなら、セブンリッチさんは素晴らしいパートナーになり得ると思います。
彼らは、あなたの想いを真摯に受け止め、その可能性を信じ、実現に向けて全力でサポートしてくれます。私たちCOQがそうであったように。大切なのは、まず一歩を踏み出す勇気と、オープンにコミュニケーションを取ること。そこから、きっと新しい道が拓けていくはずです。
浦田:
僕たちセブンリッチグループは、常に新しい才能やアイデア、そして情熱との出会いを求めています。社長室のミッションは「縁を形にする」こと。それは、企業と企業、人と人との出会いから、新たな価値を共創し、まずは関わってくださる人、ひいては社会全体のしあわせの総量をコツコツと増やしていくことです。
何か大きな目標や夢をお持ちで、その実現のために僕たちの力が少しでもお役に立てそうだと感じていただけたなら、僕たちと一緒に形にしていきましょう。
そもそも事業は人とその人の想いが一番大切で、小さな点と点が繋がり線となって大きな面となっていくと信じているので、日々の出会いを大切に、善い人生を歩むための良い取り組みを増やしていきたいと思っています。
── お二人の言葉から、共創の素晴らしさと、その根底にある信頼関係の大切さがひしひしと伝わってきました。梶原さん、浦田さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
文:安心院 彩