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TOYVERSEストーリームービー制作の裏側と3Dデザイナーの思い

こんにちは。note編集部の留置です。今回はデジタルワールドアプリ『TOYVERSE』のストーリームービー制作を担当した3Dデザイナー黄 正郁(ファン ジョンウク)さんにインタビューを行いました。
世界中の方に「おもちゃに生命が宿る瞬間」を感じていただくため、試行錯誤で取り組んだムービー制作の裏側と、3Dデザイナーとしての仕事のスタンスをお届けします。

TOYVERSEが提供する唯一無二のデジタルワールド

『TOYVERSE』は、おもちゃの世界でオリジナルトイ「nOn」を作って楽しむデジタルワールドアプリです。
TOYVERSEでは誰もがステッカーを貼って手軽にデザインすることを楽しむことができ、自分自身がトイになって遊んだり、交流したりできるという新しい楽しみ方を提供しています。

文字では伝えきれない世界観を伝える、ムービー制作の進め方

本編で制作過程を伺うムービーの完成版はこちら↓

留置)このムービーのコンセプトを教えてください。

黄)このムービーは、不思議な力でトイが動き出し、TOYVERSEの世界での新しい暮らしがスタートするというTOYVERSEの最初のストーリーを表現しています。

ホームページにもTOYVERSEのコンセプトを掲載していますが、イラストとテキストだけでは伝わらない世界観を感じてもらうために動画を制作しました。

留置)確かに、ムービーだとより『TOYVERSE』の世界観やストーリーを感じることができますね。
そんなムービー制作の流れについて教えてください。

黄)ムービー制作の流れは以下のような感じです。

企画、絵コンテ制作

オブジェクトモデリング、アニメーション制作、エフェクト制作
音響制作

動画編集

素材や編成のブラッシュアップ

完成!

黄)ムービー制作は誰もやったことがなかったので制作期間として1ヶ月程を見ていましたが、チームメンバーと一緒に夢中で作っていたら2週間で完成しました。
意思決定は早いけど、こだわるところはとことんこだわる、そんな感じで進めていきました。

留置)具体的にどのように制作を進めていったのでしょうか?

黄)まず、企画段階で伝えたいことと映像のポイントをまとめます。

↑企画時点の絵コンテ

特にムービーを通して伝えたかったのは「おもちゃに生命が宿る瞬間」。
どの場面もこだわっていますが、特にトイが妖精の魔法のような力で生命を宿した場面、TOYVERSEの世界に飛び込んだ場面には力を入れました。

黄)私達3Dデザイナーが実際にムービーを作っていく過程を詳しくお伝えすると、まずこのようにオブジェクト(物体)を作って、

それから背景を重ねて、

そこにエフェクト素材を加えて、

こうしてワンシーンが出来上がっています。
このパーツ作りと調整を繰り返してようやく1本のムービーになるんです。

オブジェクトのデザインや動きはもちろん、エフェクトも世界観に関わる大切なパーツなので、かなり細かく調整しています。
この、トイがスマートフォンの中に入っていくシーンだけでも6回は作り直しましたね。

心を動かすのは「細部のこだわり」

黄)基本的に、登場するトイ達以外のオブジェクトは0から制作がスタートしました。
特に最初に登場する子供部屋は、どこを使っても良いように部屋全体の3Dデザインを制作しています。

黄)これをUnityでカメラワークを調整しながらムービーにしていきます。

子供の部屋には所々遊び心を散りばめていますが、『TOYVERSE』のグローバル向け、そしてジェンダーやバックグラウンドを問わないというコンセプトを前提に、配慮している部分もあります。

たとえば男の子の部屋、女の子の部屋といったジェンダーを感じさせないインテリアにしたり、窓も海外風に横スライド式ではなく上に引き上げて開ける仕様の窓にしています。

↑このワンシーンだけでもTOYVERSEの世界観を表現するためのこだわりが詰まっています

黃)トイのコレクションケースにシリアルナンバーを付けたり、実際にサービス内でゲットできるステッカーを散りばめたり、細かいところからも世界観を伝えられるようにしています。

エフェクトのこだわりに気づきにくいかもしれませんが、分かりものだと最初のシーンの光。企画段階では子供部屋の中全体が明るいイメージでしたが、調整後は部屋を暗めにして外の光を取り込むようにしました。そのエフェクトも何度も調整しましたね...。

細かく調整した光のエフェクト↑

留置)そういった過程を経て、ムービーが完成したんですね。

グラフィックデザイナーにとって作品は「自分の顔」

留置)黄さんがデザイナーとして心がけていることを教えてください。

黃)グラフィックデザイナーにとって作品は「自分の顔」のようなものです。
どんなものであっても、自分以外のグラフィックデザイナーが見ても恥ずかしくないものを作らなければならないと思うはずです。
プロが見れば少し足りない部分にもすぐ気づいてしまうからです。
なので今回のムービーも含め、自分が制作するものは一切妥協せずに制作物に向き合ってきました。
そういった責任やプレッシャーもありますが、楽しい仕事だと思います。

TOYVERSEは今年1月、時間をかけて準備してきたものがリリースできて嬉しいです。
リリースしたばかりなので、これからもっと世界中の方に広がっていくよう、新しいコンテンツを作ったり、既存のコンテンツを改善していく予定です。

TOYVERSEの3Dデザイナーはただ素材を作るという役割ではなく、事業部内のメンバーと議論しながらTOYVERSEの世界観(ブランド)の方向性を考える役割もあります。
TOYVERSEの世界でしか感じられない楽しさ、居心地の良さと言った体験をしていただけるよう今後も制作に励みたいと思います。


■『TOYVERSE』について
公式HPやSNSでは、TOYVERSEの最新情報や詳細情報をお届けしています。
【公式HP】TOYVERSE「トイバース」 色んなステッカーを貼ってトイ(nOn)を作ろう。あなただけのデジタルアートトイをシェアして繫がる体験をしよう。 toyverse.me

【公式X】https://twitter.com/PlayToyverse_JP

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