大学院でインド哲学や仏教を学んでいた前田さん。データサイエンスとは無縁に見える文系出身ですが、現在は大手通信会社のマーケティング部門で、スマホアプリやSMSを通じた販促施策の運用・条件調整を担っています。1年目のリアルとこれからについて聞きました。
前田恭介さん
文学部出身から、通信キャリアのマーケティング現場へ
――ご経歴と、D5Cを選んだ理由を教えてください。
就職活動では、周りの友人がITコンサルやデータサイエンス系の企業を受けていた影響もあり、意識するようになりました。その中で、文系出身でもデータサイエンス領域に挑戦できる環境を探していたときに出会ったのがD5Cです。また文系出身でも基礎から丁寧に育成する研修があること、「分析だけ」でも「コンサルだけ」でもなく、その両方にタッチできる環境は、自分のキャリアの可能性を広げてくれると感じました。
――現在の配属先と、具体的な業務内容について教えてください。
大手通信会社の販促配信を担当する部署にて、スマートフォンアプリやSNSといった自社メディア内でキャンペーンやお知らせなどを行うチームに所属しています。担当しているのは条件調整部門です。企画担当から「こういうお知らせを、こういうお客様に、いつからいつまで届けたい」といった要望をいただき、その内容をすり合わせていきます。配信期間や対象条件、掲載内容、表示される画像のクリエイティブなど、細かな条件をテキストベースで整理し、「こういう条件で入稿しましょう」と定義していく仕事です。
条件調整部門以前には、この後の工程である「入稿」を約4ヶ月担当していました。条件調整で固めた内容を専用の入稿システムに設定し、実際の配信につなげる業務なので、誤配信や配信期間のズレがないよう注意が必要です。この経験があるため、条件調整では入稿部門にいかに負担なく引き継げるかを考えています。
“入稿経験”があったから気づけた、条件調整の難しさと責任
――入社後、印象に残っているエピソードや難しさはありますか?
まず感じたのは、入稿の仕事は「とにかく間違えないこと」が最重要だということです。キャンペーンの配信期間一つとっても、「何日から何日までなのか」「その日を含むのか含まないのか」など細かな認識のズレが配信事故につながりかねません。実際には複数のレビュー工程があるので、配信前に先輩方が気づいてくださるケースが多いのですが、入稿を担当していた頃は日付や条件の解釈違いで差し戻されることも何度もありました。現在担当している条件調整の仕事に移ると、「入稿する側が迷わないテキストを書くこと」がいかに重要かを痛感しています。 条件調整の指示文があいまいだと入稿担当者の解釈に幅が生まれ、結果としてミスの元になります。
特に企画担当の方とはテキストでのやり取りが中心なので、こちらの理解が本当に合っているのか、表現に解釈の余地が残っていないかといった点を意識しながら、「テキストで齟齬が生まれないこと」を大事にするようになりました。
相手に合わせたコミュニケーションで、“仕事がスムーズな担当者”を目指す
―条件調整の仕事を通じて、意識するようになったことはありますか?
多くの配信企画があるため、ご依頼いただく企画者の方にも様々な特徴があります。経験値の差、早急な対応が必要な方、など経験値も温度感もさまざまです。テキストだけでは見えにくい部分ですが、その温度感をできるだけ汲み取ってコミュニケーションすることを意識しています。
例えば、入稿の知識が豊富な方には、専門用語を交えた短いやり取りでテンポよく進められますが、慣れていない方には番号付きの箇条書きで整理しながら一つひとつ確認していくといったイメージです。また、先輩たちのやり取りを見ていると、同じ条件調整担当でも「責任の所在をきちんとテキストに残すこと」を重視する人もいれば、「相手が理解しやすい言葉への言い換え」を重視する人もいて、大事にしているポイントが人によって違うことがわかります。そうした先輩たちのスタイルを参考にしながら、「この担当者に任せておけば安心だ」と思ってもらえる「仕事がスムーズな担当者」を目指していきたいと考えています。
タスク分解と進捗管理の苦手意識を、現場でのマネジメント経験で克服
――成長したと感じるエピソードを教えてください。
研修の時点で指摘されていたのが、計画性やタスク管理への苦手意識でした。自分のことになると、つい後回しにしてしまうという自覚もありました。そこで意識したのが、タスクの細分化とスケジュール設計です。「今日ここまで」「今週中にここまで」といった目標を明確にし、レビューを依頼する先輩の予定も踏まえていつまでにどの状態まで持っていくか逆算するなど、タスクを分解して期限を意識して動くことが少しずつ習慣になってきました。もともと得意ではなかった領域ですが、チーム内でのミニマネジメント経験を通じて着実に鍛えられている感覚があります。
配属先によって“別の会社”にもなる。だからこそ、入社後の働き方までイメージしてほしい
――働く環境としてのD5Cについては、どのように感じていますか?
同期と話していてよく出てくるのが、配属先によって全く違う会社に見えるくらい仕事の内容やスタイルが違うということです。私がいるチームは、日中ほとんど誰かと会話している環境ですが、一方で、同じ1年目でもコードを書いたり分析環境に向き合っている同期もいます。D5Cとしては、配属前に各配属先の業務内容や雰囲気の説明、希望のヒアリングや1on1の機会を丁寧に設けてくれます。ただし、もちろん希望が100%通るわけではないことも事前に伝えられます。私自身は「どこに行っても頑張ろう」と思っていたタイプなので、今の環境も前向きに捉えていますが、 「絶対にこの仕事だけがしたい」という強いこだわりを持っている人にとっては、そのギャップがストレスになる可能性もあります。だからこそ、「入社してからどんな働き方をしたいか」までイメージしておくことが大事だと感じています。
就活生へのメッセージ:「入社がゴールではなく、その先を見据えてほしい」
――最後に、就活生へのメッセージをお願いします。
就活を振り返って一番感じるのは、 内定がゴールではないということです。「入社が終着点」ではなく、「ここからどんな経験を積み重ねたいか」という視点を持って欲しいと思います。D5Cは、1on1を通じて個人のキャリアや希望に向き合ってくれる会社だと感じています。入社後も、上司や先輩と対話しながら、自分なりの軸を少しずつ磨いていける環境です。