こんにちは。株式会社リチェルカ広報担当の久保です。前回に引き続きAIエンジニアに質問!! 今回は木村さんに生物学研究者からITの民間企業に進んだ理由やリチェルカでの「AIエンジニア」としての業務内容を語っていただきました。
木村 陸 AIエンジニア
東京大学総合文化研究科で生物の進化や生命の起源に関する研究を数年行ったのち、理化学研究所で生態学とマイコプラズマ・ミニマルセルの進化に関する研究を行う。転職活動時に生物よりITのほうが向いていると判断し株式会社リチェルカにAIエンジニアとして入社。
紫とうさぎと数式と実験が好き
Q.木村さんの研究分野を教えてください。
私が行っていた研究は、「生命の複雑さを実験と計算を組み合わせてシンプルに解き明かすこと」でした。複雑なものを単純な問題の組み合わせに噛み砕くことが好きで、複雑で難しく理解しがいのある生物は恰好の研究対象でした。現象を数式やシミュレーションに落とし込むのは楽しいし、これによって生物を理解することにつながると思っています。
力を入れていたテーマは「生命が萌芽して、どのように複雑になり、どう私たちに至ったか」。地球が生まれたばかりの頃、まだ生物は存在せず、そこにあったのは原始スープ(生物の材料となる物質が混ざり合ったドロドロの液体)だけでした。そこから今に至るまでどんどん複雑になったり多様になったりしている過程を、シミュレーションと実験の両方面から研究していました。
Q.生物学とAIって関連性はあるのですか?
現在主流となっているAI技術の基盤である「ニューラルネット」は、もともと生物の脳のシミュレーションのために作られました 。脳内にある神経回路(シナプス)の結合を数学的に表現し、プログラム上の構造として落とし込んだものが今のAIの基礎なので、AI自体が生物のモデルといっても過言ではありません。
特に私がやってた進化生物学の分野は、生物が長い時間をかけて「進化」していく過程の研究で、AIが試行錯誤を通じて最適な状態を目指すというプロセスにおいて、両者は非常に似た動きをしています 。
「課題解決能力」を評価してもらえたこと、そして「不要な紙」をなくしたかった。
Q.IT企業であるリチェルカへ入社したのはなぜですか?
アカデミアを離れる際、生物学研究者という専門外の人間を採用する企業は少ないと予想していました。そのようななか、代表の梅田さんとの面談で「課題解決能力」を認めてくださったことと、ITをほぼゼロから学ぶ機会をくださるということにとても魅力を感じたので入社しました。また、絵や小説、漫画以外の「紙の文書」を忌み嫌っているというのもあって、リチェルカの商品である「OCR」がとても興味深く感じました。ここでのDXを推進できる立場に魅力を感じましたし、なにより茨城県庁様への導入という具体的な実績があったことも決定打でした。(導入事例インタビュー記事はこちらから御覧ください)
面談前は、SCM(サプライチェーン・マネジメント)に関する知識が皆無で調べてはみたのですが、正直なところ、充分なイメージが湧いていませんでした。面談を通して、SCMに関わる業務が世界普遍的な話題で、実装において広範な領域に対応できる構造を考える必要があるだろうなと理解できたことが大きくて、この異なる領域の構造普遍性を考える面白さも決定打のひとつです。
展示会の様子
AIを作るのではなく、AIを道具として使いこなす
Q.リチェルカにおけるAIエンジニアの業務内容は?
「AIエンジニア」と聞いた時に想像するものは人によって違うと思います。
AI開発を行っているのかと思う人がいるかと思いますが、リチェルカはAIそのものの開発をやっていません。「AIを道具や材料として使いこなすソフトウェアエンジニア」です。GeminiやGPTのような既存のLLMなどのAIモデルを適材適所で組み合わせ、手段を問わず目の前の課題を効率よく解決する機能を実装しています。それぞれのLLMに得意不得意やコストなどの個体差があるので、「こっちの方がたくさん画像を読み込ませられる」など用途に合わせて使用するAIモデルを組み合わせています。
最近社内で話題となった見積書のデータベース化を例に、私の業務内容をもう少し具体的に説明します。見積書はたいてい表形式で書かれており、この形式の中で無理やり大項目、中項目、小項目、小小項目……と親子関係のある項目構造を持たせる場合が多いです。そもそもこれを理解して抽出することが難しいのですが、さらに見積もり作成担当者によってこの項目の書き方が違います。私はこの難しい帳票からLLMを活用してこの親子関係を抽出したり、その前後のデータ解析、データクレンジングを自動で行う機能開発をしたりしています。
Q.AIエンジニアチームの雰囲気はどうですか?
議論が活発で、開発スピードも速く、毎日刺激的だと感じています。リスペクトをもってお互いの業務に関して議論するので、コミュニケーション上で健全ではないコンフリクト(衝突)が起きるようなことはなく連携が取りやすいです 。逆に、口出しとか質問が苦手な人は難しい現場かもしれないですね。
業務外の話も自然にあって仲がよく、久々に友達ができたなって思っています。
Q.アカデミアから入社を検討している人へのメッセージをお願いします!
まず正直にお伝えすると、安定を求める方には向いていない環境かもしれません。しかし、リチェルカは常に変化しており、仕事に飽きることはまずありません。PDCAサイクルという言葉に内包されますが、「要件定義」や「仮説検証」、「試行錯誤」を繰り返し、常に変化し続ける環境に対応することを楽しめる方には最適な場所です。私は「ゴリゴリの生物学出身」ですが、リチェルカには私のような全くの分野外の人間を受け入れる度量があります。「これからITを本格的に学びたい」という熱意があれば、学習を全力でサポートしてくれます。
リチェルカでは、「1週間前にできなかったことが翌週にはできるようになる」といった成長体験が日常的にあります。この歳になってもまだまだできることが増えます。私自身、データベースの知識ゼロからスタートし、1ヶ月で実務レベルの開発に携わることができています。年齢や経験に関係なく、新しい技術や課題に挑戦したい方をお待ちしています。
編集後記
「生物とAIは似ている」。木村さんのこの視点は目から鱗でした! 生命の起源の研究から「サプライチェーンの課題解決」へ。一見全く違う分野に見えますが、「複雑なものを噛み砕いてシンプルに解き明かす」という木村さんの軸は、「誰もが使いこなせるシンプルなシステム作り」を目指すリチェルカと深くリンクすることがわかりました。
『1週間前の自分を超える』という感覚は大人になるとなかなか味わえないですよね。リチェルカは成長できる環境があり毎日が刺激的です。
社員インタビューはまだまだ続きます!次回もお楽しみに!!
リチェルカではAIエンジニアを含めたあらゆるポジションの仲間を募集してます。
https://herp.careers/v1/recerqa/requisition-groups/4a8bde10-9837-4fec-a54c-4405b1be8de9