先週の4月1日(水)、各社で入社式が行われました。当社も新たに15名の新入社員を迎えることができました。新入社員のフレッシュで真剣なまなざしからエネルギーをもらうと同時に、自分が入社した頃のことに思いを馳せました。
ワールドワイドで売れているキヤノン製品の開発に携われることに大きな期待を抱き、私は入社式に臨みました。入社してから実際に開発部門に配属されるまでには、約3カ月間の研修があります。営業実習と工場実習です。
営業実習は、割り当てられた地区の事務所やお店を一件一件訪問して製品を売り込むいわゆる飛び込み営業です。大学生活を送っていた身にとっては経験しなかったことで、正直なところ苦行でした。「こんなことをやるためにこの会社に入ったのではない」と言って、途中で辞めてしまう人も中にはいました。
確かに大変な実習でしたが、私は営業実習を始めてからわずか2日で、複写機やプリンタなどを計5台を売ることができました。その結果「スーパーセールスマンが入ってきた」と各営業所で噂になったそうです。開発部門に行かずこのまま営業に残らないかと引き留められました。
売れたことで気持ちに余裕ができたのか、その後は訪問した事務所の方とお茶を飲みながら1時間以上世間話をしたり、呉服屋に訪れた時は「うちの娘はどう?」と縁談に発展しかけたりと、今思えば楽しい思い出ばかりです。
営業実習の後は工場に配属されて、製品組み立ての実習を行いました。8時から17時まで、ベルトコンベアラインの横で10秒位の工程をひたすら繰り返し作業しました。はじめは間に合わなくて何回かラインを止めたりしたのですが、勝手がわかってくると余裕さえ出てきました。同じことの繰り返しでしたが、上達していくという喜びもありました。
ある日、工場での一日がおわって、同期の友達が、半分困っていて、半分嬉しそうな顔をしているので「どうかした?」と尋ねました。すると、「作業していたら同じラインの女の子からこんなメモが製品とともにベルトコンベアで流れてきて」と。そこには「xxさん、仕事終わったあと時間ありますか?」と書いてありました。「知らん。勝手にすれば」とつきはなした覚えがあります。
営業実習も工場実習もきつかったですが、こうして前向きに実習を乗り切れたのも、研修を終えれば製品開発に携われるという楽しみがあったからだと思います。ただ、製品が作られる生産の部門、製品が売られる販売の部門を、製品の開発を行う前に経験できたことは後々にとてもプラスになりました。営業所の方々や工場の方々には、大学でたてのひよっこに対して、皆さん暖かく見守り、背中で教えてくれたことはとても感謝いたします。
新入社員時代の私、2日で5台の顔をしています。
いざ開発部門に配属されると、仕事が楽しくて夢中で取り組んでいました。熱量マシマシのルーキーだったので、今振り返るとかなり生意気だったと思います。入社したばかりにもかかわらず、「こんな会議をしていても時間の無駄ですよ」とか「しっかり計画を立ててくれないと仕事はできません」などと、先輩社員に意見していました。
部署が違っていたら、嫌われて干されていたかもしれません。しかし、先輩社員たちはそんな私を大目に見てくれました。おそらく、自分たちの技術力に自信があり、心に余裕があったのだと思います。この生意気な若造でも一人前に育ててやるか、という思いがあったのでしょう。
年月が経ち、その先輩方の寛大さに気づいたとき、当時の自分が恥ずかしくなりました。そして、先輩たちの私への接し方が、後に自分が部下を育成する際のスタイルのベースになっていることにも気づきました。
色々と生意気なことを言ったけれども、先輩方を尊敬していました。特に印象に残っている方がいます。その先輩は、スケジュールがミーティングでびっしり埋まり、仕様書を書く時間やコーディングする時間など到底ないはずなのに、何事もなかったかのように、きちんと期日までに仕上げてくるのです。
「いったい、いつ取りかかっているのだろう」──常に不思議に思っていました。
その背中を追いかけ続けるうちに、「時間がない状況でも、何とか仕上げることはできる」と自分も言えるようになりました。まさに背中で示し、私の手本となってくれた存在です。本当に感謝しています。
生意気を少しだけ弁解させていただくと、私は口先だけで偉そうなことを言っていたわけではありません。言ったからには率先して行動しようと、開発業務はもちろん、組織のための活動や部門の飲み会、さらには週末のレクリエーションの幹事なども積極的に引き受けていました。だからこそ、先輩たちも認めてくれたのかもしれません。振り返ってみると、本当に恵まれた環境だったと感じます。
4月から新入社員が入ってきました。
皆さんはプロフェッショナルとして、後輩に見せられる背中を持っているでしょうか。生意気な新入社員がいても、まだまだ未熟な新入社員がいても、「いつかは一人前に育つ」と温かく見守ることができるでしょうか。自分自身の見せ方、育て方を改めて振り返るよい機会だと思います。
一方で、新入社員の皆さんは、期待と不安が入り混じる日々を過ごしていることでしょう。そんなときは、ぜひ先輩社員の背中を見ながら仕事を学び、自分が思い描く将来に近づけると信じて、前向きに取り組んでほしいと思います。
手前味噌ではありますが、当社にはおすすめしたい先輩社員がたくさんいます。当社にご興味をお持ちの方は、ぜひ一度足を運んでみてください。インターンシップや展示会など、さまざまなイベントを通じて、当社の社員と交流していただければと思います。
当社の先輩と新入社員との関係性をよく表した動画があります。当社のCMです。ぜひご覧ください。
【企業紹介】キヤノンイメージングシステムズ 新潟市 「憧れの向こうへ 」60秒篇 - YouTube
※次号は4月13日(月)リリース予定です