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「onedogDeli」の開発過程と試食について

dotDは事業創造ファームとして、新規事業「onedogDeli」を立ち上げ、手作り風味の冷凍ドッグフードの開発を行っています。現在はわんちゃんたちによる試食が終わり、量産に向けての工場開発に入っているとのこと。

チームメンバーはアプリ開発やデータ分析、マーケティングなどIT分野のスペシャリストではありますが、フード開発に関しては全くの素人。いったいどのようにして開発を進めているのでしょうか?
onedogDeli事業責任者の菊野さんに話を伺いました。

▼目次

  1. 冷凍ドッグフード開発にあたって、最初に手をつけたことは?
  2. 現在まで一番難しさを感じた過程は?
  3. 犬用総合栄養食…?
  4. そういった時の不安はどう解消しているのですか?
  5. その不安を乗り越えて最終的にはどのようなタイプのフードになったのでしょうか?
  6. 試食の結果は?
  7. 今後はどのように開発を進めていくのでしょうか?


冷凍ドッグフード開発にあたって、最初に手をつけたことは?

まずは、社外協力者の選定です。僕ら素人だけでは何もできませんので、僕らの開発理念を理解していただき、「わんちゃんとオーナーの幸せ」に向けてベストを尽くしてくれそうな専門家を、ネット情報を中心に大量にピックアップし、コンタクトを取りながらチームに入ってもらえるように説得することから始めました。

結果、社外パートナーとして、レシピ開発の専門家冷凍技術×量産マーケティングの専門家ペット栄養学会理事を務める獣医師の先生、そして愛犬家のインフルエンサーという多様な社外パートナーに協力してもらえることになりました。

順番的にはレシピ開発と冷凍技術の専門家から声をかけました。冷凍ナチュラルフードという方向だけは決めていましたから、そこで力を発揮してくれそうな方々にチームに入ってもらわなければ何も始まりませんので。

現在まで一番難しさを感じた過程は?

何といってもレシピ・キッチン開発です。わんちゃんに安心してあげられる食材を使った高品質のフードにしたい。ですが、高単価になってしまい、わんちゃんとオーナーさんの手が届きにくい商品を作っても意味がありませんので、コストパフォーマンスよく、長期に渡って安定供給できる安全な食材を使った、食いつきのよいフードを作るための取捨選択についてかなり悩みました。

それに、わんちゃんがそれだけを食べて健康が維持できる、栄養バランスのとれた「総合栄養食」基準をクリアできること前提としましたので、単にドッグフードを作るということだけではありません。

犬用総合栄養食…?

はい、犬用総合栄養食とは、「犬又は猫に毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで、指定された成長段階における健康を維持できるような、栄養素的にバランスのとれた製品」をいいます。(一般社団法人ペットフード協会HPより)。
つまり、それと水だけでわんちゃんが健康を維持することができるドッグフードです。

「犬用総合栄養食」となるためには、栄養素からの食材配合を考え、分析試験にパスしなければなりません。分析試験には40~50万円ほどかかりますし、計画では製品の先行発売を11月に予定していますから、時間的にも短期間で量産まで進めなければ! というプレッシャーがありました。

そういった時の不安はどう解消しているのですか?

不安な時に心のよりどころとなってくれているのは、わんちゃんオーナーさんたちの声です。オーナーさんたちにヒアリングし、お困りごとや、こんなものがあったらいいなという声を聞いて「我々で実現したい!」と思いドッグフード開発に踏み切ったわけですし。

迷った時にはオーナーさんたちの顔を思い浮かべ、オーナーさんたちの思いを自分の中に降ろしつつ、彼らが喜んでくれる顔を想像しながらレシピ・キッチン開発に取り組みました。

それに僕はレシピ・キッチン開発では素人ですが、データ分析・解析においてはプロフェッショナルです。自分が行けると判断した分野に適正なものを投下できれば、必ず効果は出るはずだと自分を信じて動いています。

「onedogDeli」事業を始めるまでは、支える立場からお客様の新規事業立ち上げに携わってきましたが、今回初めて自分が主体となって事業を立ち上げてみたことで、事業主としての責任、プレッシャーをリアルに感じています。ホント、不安で押しつぶされそうなくらいのプレッシャーに時々襲われます。

不安を感じるのは、経験がないので先が分からないからです。しかし、同時に分からないからこその楽しさも感じています。自分が目指しているものがだんだんと解像度を増し、製品へとかたちを整えていくことを体験するのは、やっぱり面白いですよね。

              試食メニュー(開発中)のドッグフード①

その不安を乗り越えて最終的にはどのようなタイプのフードになったのでしょうか?

保存方法やコストを考え、まずはトッピングタイプの冷凍フードでいってみることにしました。トッピングなら少量で済みますから、冷凍庫のスペースもとらずに価格も抑えられますから。

僕らが求めるフードをコストパフォーマンスよく作るために、無駄は削減していきましたが、ここだけは譲れないと最後までこだわったポイントが、

  1. 主食として与えられる栄養バランス
  2. 国産素材
  3. 保存料無添加
  4. 獣医師監修
  5. トッピングしやすい形状
  6. 1種類のみの厳選メニュー

の6点です。6番目のメニューについては、当初は複数のメニューで制作する予定でしたが、量の計算と組み合わせた際の手間などを考え、まずは1種類のみで進めていくことになりました。

そしてオンリーワンメニューを厳選するため、1~11歳のチワワやプードルたちによる試食が行われ、5匹のわんちゃんにこちら2種類のメニューを3日間食べてもらったんです。

                    2種類の試食メニュー

試食の結果は?

「すごい勢いでお皿に飛びつき、いつものフードがあっという間に空になりました」と、オーナーさんたちも驚く好反応で、評判は想像以上に良く安心いたしました。

               試食メニューを食べてるわんちゃん

どちらも反応がよく、見極めが難しかったのですが、若干①の方が食いつきがよかったため、①のチキン+ポークでの量産化が決定しました。

苦労して考えたフードにわんちゃんたちが飛びついている姿を見て、ホッとしたのと同時に、何とも言えないうれしさが心の底から湧き上がってきましたね。

               試食メニューを「待て」してるわんちゃん

今後はどのように開発を進めていくのでしょうか?

現状はレシピが決定しただけの段階です。製品化に向けてまだまだやらなければならないことが山積みで、目下の課題は、前項5番目の形状についてです。

試食の段階ではキューブ状のものを採用しましたが、果たしてこれでよいのか、形をもう少し可愛くした方がよいのか。形を変えた場合のコストは、手間は、など調査して決定しなければならないことが数々控えています。

そして形状が決まった後に、いよいよ最終工程のパッケージスタイルの検討に入ります。

11月の先行販売に向けて走りながら考えることばかりで、気の抜けない日々が続きますが、「onedogDeli」事業の目的、わんちゃんとオーナーの幸せ」に向けて、ベストを尽くしてきたいと思っています。

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