「俺はバスケットボールがめちゃくちゃ得意だ」
中学2年生の時に、アメリカ合衆国はワシントン州・シアトルの郊外にホームステイをさせてもらった。2週間の間、ホストファミリーの家に泊まり、四六時中英語付の生活を送った。思春期のこの頃、この2週間で受けた影響は計り知れないほど大きく、鮮明に覚えていることも多い。
アメリカに行くとバスケットコートはそこら中にある。とあるコートに行くと同世代の子供たちが集まっていて、ハーフコートで試合をしていた。私は緊張しながらも、その試合に自然とジョインした。しかし、彼らにとっても異国のプレーヤーと対戦するのはおそらく人生初。私がボールを持つと、異様に注目されたのを覚えている。
試合に入る前、コート際で数人のアメリカキッズたちと喋っていると、自己紹介も早々に「俺はバスケットボールがめちゃくちゃ得意だ」と主張してくる男の子がいた。左手でもつボールを右手で叩きながら、異国のプレーヤー相手に試合前の威嚇は始まっていた。背はそんなに高くなかったが、肌の色も、その態度も、私を興奮させた。
下手だった。すごく下手だった。やる気は認めるが、少なくとも小学校5年生から中学2年生までの3年強、バスケ部で練習してきた杉本少年と比べると、明らかに下手だった。
ちょっとでもやってれば「できる」に入る
私が驚いたのは、その「自信」だった。下手で仕方なかったけど、彼は自信満々に「バスケが得意だ」と言い張った。日本で生まれ育った私は、彼より上手かったけど、「バスケが得意だ」とは言ったことなかったし、どこか言ってはいけないように育てらた気もした。謙虚に、ひっそりと上手くなって、自分が言う前に人に認めてもらうことが大切だと思っていた。
2024年にニューヨークに行った時もそうだ。初めて会った現地のアメリカ人に「東京から来たんだ」と言うと、「東京か!マジでいいところだよな!よく知ってるよ!結構東京のこと詳しいんだぜ!」と返答があった。「そうなんだ!東京に来たことあったのか!」と聞き返すと、「行ったことはない!でも詳しいんだ!」と言い放った。これも、私だったら言えないな。と思った。おそらく日本人の多くがそう言えないのではないだろうか。ほんのちょっとした一言だけど、そこにはとても大きな差がある。
レベルが低くても舞台には立てるんだな、と思う。
レベルが低くても人を喜ばせることができるんだな、と思う。
レベルが低くても人を助けることもできるんだな、と思う。
この思考をベースにした時、Headsではやれることは全部やってやろうと思ったし、今でも基本的にはやれることは全部やっている(最近では、マーケティング目線で考えた時にあえて言っていないことも増えてきたが)。
もちろん、ビジネスにおいて、提供するサービスのレベルは高いに限る。Headsを立ち上げてから、日々精進、少しでもクライアントの役に立てるように、勉強を怠った日はない。しかし、何か新たなチャレンジをするとき、誰もが初心者になる。その時にいち早く「それうちでもできますよ!」と声をあげて、そのレベルでも助けられる人のことを助けていきたいなと思う。
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