【サービス紹介】需要が増え続けるデータセンターの設計・運用におけるスタンダードを作る『データセンターサービス』とは? | 事業・サービス紹介
クラウドやAI、DXが加速する現代において、IT基盤の最重要拠点となるのが「データセンター」です。IIJエンジニアリングのデータセンター事業は、データセンターサービスや設備の維持管理に留まらず、...
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IIJエンジニアリングでは、データセンター(以下、DC)の運営における人的リソースが限られている課題に対し、最新テクノロジーと現場の知恵を融合させた「スマート保全」と銘を打って設備保全を提供しています。
本記事では、「スマート保全」とはどんなものなのか、そして、松江データセンターパークを中心に進む具体的な取り組みについて紹介します。
▼データセンター本部・データセンターサービスについての紹介記事
「スマート保全」とは、DCにおける多種多様なファシリティ管理業務を、先進技術の活用によって最適化・高度化していく取り組みの総称です。この言葉は、経済産業省などが提唱する、テクノロジーによって電気設備の安全性を高める「スマート保安」という概念をベースに、IIJエンジニアリングが独自に定義したものです。
このスマート保全という枠組みにおいては、単にITツールや自動化設備を導入するだけではなく、現場が抱えるアナログな課題をテクノロジーの力で本質的に解決することを目指しています。熟練のエンジニアが現場の視点から要件を整理し、ロボットやドローン、AIなどの最適なソリューションを組み合わせることで、人的リソースの課題解消と品質向上の両立、そして持続可能な管理体制の構築を実現しています。
スマート保全が必要とされる背景には、DC業界が直面している二つの大きな課題があります。
社会全体で生産年齢人口が減少する中で、DCの需要は拡大し続け、建物や設備はより高度化・複雑化しています。設備保全は有資格者や高度な経験者が求められるテクニカルな領域であるため、採用市場でも応募が少なく、従来の「人海戦術」による維持管理は物理的な限界を迎えています。
近年の記録的な猛暑は、屋外作業における熱中症リスクを飛躍的に高めています。企業として従業員やパートナー企業の安全を守るため、過酷な環境下での重労働をいかに減らし、リスクを排除するかが急務となっています。
需要が増え続ける一方で働く人は減り、外気温などの環境負荷は高まり続けている。この状況下でDCの安定稼働という社会的責任を果たすためには、従来のやり方を踏襲するのではなく、ロボットやAIなどの先進技術を大胆に取り入れる「スマート保全」への転換が不可欠だと考えています。
現在、松江データセンターパークを中心に、4つの領域で具体的なプロジェクトが進行しています。現場の課題に対し、どのようなアプローチで成果を出しているのか、詳細を見ていきましょう。
実際に導入した遠隔除草ロボ
◼︎課題
DC外周には地表から約13mの高さがあり、最大傾斜45度にも達する急斜面(法面)が存在します。これまでは外部業者に委託し、年に3回ほど人力で草刈りを行っていたが、転落や草刈機への巻き込み事故のリスクが常に懸念されていた。また、1回の作業に計3日間、多くの人数を配置する必要があり、コスト面でも課題があった。
◼︎目的
ラジコン式遠隔除草ロボットを活用することで業務をDX化し、安全性と効率性を高め、作業員の負担と事故リスクを徹底的に軽減することを目指した。
◼︎アプローチ
現場環境に適合する要件(最大傾斜40度以上での動作、燃料管理や環境を配慮した 電気駆動式など)を整理。複数の機種を比較検討し、高接地圧クローラーベルトで安定走行が可能な機器を選定。
◼︎成果
実証実験の結果、傾斜45度近い斜面でも無事に作業を完遂。以前は12人工(12人日相当)を要していた作業が、わずか2人工にまで削減された。
また、作業員が安全な平地から遠隔操作できるようになったことで、物理的な事故リスクを大幅に減少させ、初年度からコストメリットを出せる体制を構築することができた。
◼︎課題
DC共用部の清掃は週2回のパートナーに委託し、セキュリティレベルの高いエリアは当社の社員が月1回自ら清掃を行っており、作業負担がある。
◼︎目的
清掃ロボットの導入により、業務効率化(負担軽減)、美観の向上、およびコスト低減を目指す。
◼︎アプローチ
多種多様なメーカーから目的に適合する機種を選定し、デモ走行やトライアルを実施。特に、サーバー室等の精密機器に電波影響を与えないかを確認する「EMC調査」を重視し、安全な運用動線を設計した。
◼︎進捗
清掃エリアや最適な動線を定めて、デモ走行やトライアルを実施中。導入・運用コストを比較し、費用対効果を算出して機種を選定していく。加えて、この知見を他DCへの展開やコンサルティング業へ活かしていく。
◼︎課題
DC設備の正常性確認や故障予兆の検知のため、日々多くのメータやランプ状態など 点検が必要だが、広大な施設内の移動や、騒音の激しい過酷な環境での点検は稼働負荷が高く、効率化が求められている。
◼︎目的
点検ロボットの活用により、省力化を実現するとともに、デジタルの正確なデータ蓄積による品質向上を目指す。
◼︎アプローチ
ロボットが得意な「メータ検針」「発熱確認」と、人が行うべき「匂いチェック」「ボタン操作」などの役割分担を明確化。これらをもとに、自動巡回と遠隔でのマニュアル操作が両立できる、拡張性の高い機器を選定した。
◼︎成果
デモを実施し、自動巡回や遠隔地からの状況確認の動作確認、レポート出力を確認。導入・運用コストを比較し、費用対効果を算出して機種を選定していく。また、API連携による中央監視システムやAI活用を検討していく。
ドローン活用のイメージ
◼︎課題
社会的に点検業務へのドローン活用が進んでおり、設備や点検に応じた製品が提供されている。パートナーへ委託している太陽光パネルや避雷針などの高所設備の点検で、ドローン活用を検討する。
◼︎目的
ドローン活用による点検品質の向上とコスト削減、そしてノウハウ蓄積によって新たなサービスの創出へと繋げる。
◼︎アプローチ
ドローン操縦および専門知識・技術、法令の知見を習得するため必要な資格を取得する。ドローンを活用できる点検業務を精査し、業務に応じたドローンを選定する。
◼︎進捗
ドローン活用で必要な国家ライセンス「二等無人航空機操縦士」を取得。高所(屋上や雨樋等)の危険個所や警備巡回など、自動化によって内製化が可能な項目を整理。 将来的には他事業者へ点検や空撮サービスを提供する新規ビジネスへの展開を計画している。
スマート保全プロジェクトの現場には、既存のやり方を根本から見直し、実益のある形へと再構築していく面白さがあります。ここでは魅力・やりがいを3つのポイントにまとめて紹介します。
メーカーから提案されたソリューションをそのまま受け入れるのではなく、自ら展示会へ足を運び、最新技術の情報収集から検証までを主導します。
最新のロボティクスやAI技術が、現場のリアルな課題にどう適応できるかを自らの手で試し、最適な機器・技術を選び抜くプロセスは、技術的好奇心を満たす機会となります。
「人手で行うのが当たり前」と考えられていた重労働や危険作業に対し、テクノロジーという新たな選択肢が加わることで、業務のあり方そのものを再定義できます。
これにより、「人間が真に取り組むべき付加価値の高い仕事は何か」という本質的な議論が活発化し、現場全体を変えていく手応えを感じることができます。
草刈りや清掃といった個別のプロジェクトは、実証が進むにつれて互いの関連性が見えてきます。例えば、ある点検ロボットの知見を別の巡回業務に応用するなど、部署を横断して情報を共有し、会社全体のサービスを地続きにアップデートしていく感覚は、このプロジェクトならではの醍醐味です。
IIJエンジニアリングが進める「スマート保全」には、長年の実務で培われた独自の優位性と、それに基づくビジョンがあります。
◼︎実効性の高いDXの推進
これまでのデータセンター運営実績があるため、現場の細かな動線や物理的な制約を考慮した、実用的なシステム構築が可能になっています。
◼︎安定した技術基盤
長年にわたるITインフラ運用の確かな実績という土台があるからこそ、失敗を恐れずに新しい技術に挑戦し、自らの手で「保全の当たり前」をアップデートしていくことができます。
◼︎自社拠点での実証データ
自社のデータセンターで実際に施策を検証し、その効果を数値で証明したノウハウを保有していることが、唯一無二の競争力に繋がっています。「実際に動いて成果が出た」という裏付けがあるからこそ、確信を持って施策を推進できます。
◼︎技術によるコントロール権の確立
これまでメーカーや外部業者に依存しがちだった保全領域を、自社エンジニアの技術によってコントロール可能なものへと塗り替えていくことを重視しています。
◼︎先進技術の継続的な検証と実装
産業が進歩する中で、まだ保全に取り入れられていない先進技術を自らの手で検証し続け、より効率的で高品質なサービスを提供することを目指します。
◼︎知見の外部展開と社会貢献
自社での実証実験を通じて得られたドローン点検やロボット巡回のノウハウを蓄積し、将来的には他社へのサービス提供やコンサルティングといった新たなビジネス領域への展開も視野に入れています。
私たちは長年の運用実績を土台に、ロボティクスやAIといった先端技術を自ら検証し、社会実装していく挑戦を続けています。
“保守運用の枠を超え、自らのアイデアで次世代のITインフラをデザインする”
強固な事業基盤を活かしながら、一段上のエンジニアリングを経験したい方にはピッタリの環境です。是非私たちと一緒に働きましょう。
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