医療機器商社での営業経験を経て不動産業界へ転身し、紹介営業を強みにキャリアを築いてきた、代表の福田。
今回印象的だったのは、福田が一貫して「売れること」以上に「信頼されること」を大切にしてきたことでした。
華やかな実績だけではなく、うまくいかなかった時期や苦しい時期も含めて、率直に語っていただいたからこそ、今の価値観に強い説得力がありました。営業として次のステージを考えている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
幼少期からあった、責任を取る覚悟
---本日は宜しくお願いします。簡単な自己紹介をお願いします。
福田:福田治樹です。これまでずっと営業を中心にやってきて、最初は医療機器の商社にいました。そこから不動産業界に転職して、売買や投資用不動産、紹介営業を中心に経験してきました。
今は株式会社ARCREEDで代表をしています。
---営業をするうえで、昔から大事にしてきた考え方はありますか。
福田:自分の中で昔からあまり変わっていないのは、営業って、ただ売れればいいものじゃないと思っていることです。
もちろん数字は大事なんですけど、それ以上に「この人に任せたい」、「この人に任せて良かった」と思い続けてもらえるかどうかのほうが、長く仕事をしていくうえでは大事だと思っています。
実際、自分自身も紹介で仕事をいただくことが多かったので、目先の成果だけじゃなくて、信頼を積み重ねていくことの大切さはずっと感じてきました。
---原点は、どんなところにあるのでしょうか。
福田:子どもの頃から、人前に立つことはあまり苦じゃなかったですね。どちらかというと前に出るタイプで、学生時代も部活ではキャプテンや部長をやっていました。みんなをまとめる立場になることも多かったですし、何かあったときには自分が責任を取る、という感覚は昔から強かったと思います。
自分で決めたことはやり切る、というのも昔からあまり変わらないですね。
器用なタイプではないんですけど、やると決めたらやる。その姿勢は今の仕事にもつながっていると思います。
---昔から今につながっている価値観はありますか。
福田:ありますね。自分が前に立つなら、正々堂々と最後までちゃんと責任を持つことです。うまくいかないことがあったときに、人のせいにしたり、環境のせいにしたりするんじゃなくて、まず自分がどう向き合うかをずっと大事にしてきました。
営業も経営も、結局はその積み重ねだと思っています。誰かに見せるために頑張るというよりは、自分で決めたことに対して正々堂々と最後までちゃんとやり切る。その姿勢が、周りからの信頼にもつながっていくんじゃないかなと思っています。
挫折を知ったからこそ、“信頼で勝つ営業”になれた
---最初は医療機器の商社にいたとのことですが、そこから不動産業界に進まれた理由は何だったのでしょうか。
福田:最初の会社では、営業として本当にいろいろ学ばせてもらいました。社会人としての基礎もそうですし、相手との信頼関係のつくり方も学べたと思っています。
ただ、自分の中では、もっと成果に対してシビアな世界で挑戦したい気持ちが強くなっていったんです。自分がどこまでできるのかを、もっと分かりやすい環境で試してみたいなと思って、不動産業界に転職しました。
でも、最初からうまくいったわけではなかったですね。
自分が思っていた成果主義のイメージと、実際に入った組織の空気や評価のされ方にギャップを感じて、かなり苦しい思いもしました。上司とぶつかったこともありましたし、最終的にはその会社を辞めることになりました。
---その時期は、かなりしんどかったのではないでしょうか。
福田:正直、かなりきつかったですね。
会社を辞めたあと、しばらくは何もできないような状態でした。自分が思っていたようにいかないことも多かったですし、気持ちの面でも落ち込んでいたと思います。
でも、今振り返ると、その時期があったからこそ、自分が何を大事にして働きたいのかを考え直せたと思っています。
一番は挑戦を続けるのかどうか、ということ。ありがたいことに1社目でお世話になっていた上司からは戻ってこないかと言ってもらえましたし、親しい人たちからももっと安定した環境で働くことを勧められました。
ただ、僕の中では「自分はまだ環境を選べる段階にはない」という感覚が強くて、挑戦を続けたい気持ちが強かったです。そのうえで、挑戦を続けるならどんな環境がいいのか、という事を次に考えた結果、自分はベンチャーの方が頑張れそうだと思い、新たな職場を探し始めました。
---その後に入った会社も、かなり厳しい環境だったと伺いました。
福田さん:そうですね。固定給よりも歩合給の割合が圧倒的に高い環境だったので、入った当初は厳しかったですね。最初は収入面でも苦しくて、かなり追い込まれていました。
初年度の年収でいうと90万円台でしたね(笑)借金もあったので、本当に余裕はなかったです。(もちろん、今はしっかりとした制度が整った会社になっていると聞いていますし、あのスタートアップの環境だったからこそ得られた経験だったとも感じています。 )
当時は、同僚のお母さんみたいな存在の方にもらったお菓子を食べて、空腹をしのいでいたこともありました。
「ここの引き出しに入ってるから、福田くん食べな」って言ってくれて。
今こうして仕事ができているのは、あの頃に助けてくれた人たちがいたからだと思っています。だからこそ、自分は人との縁をすごく大事にしていますし、今でも感謝は忘れないです。お菓子をくれたその方には、毎年お誕生日付近にご飯をご馳走しながら、「ちゃんとやれてます」と報告するようにしています。
でも、その環境で営業として鍛えられた部分は、すごく大きかったと思います。そこで学んだのは、短期的に数字をつくることだけを考えていても、長くは続かないということでした。
目の前のお客様にちゃんと誠実に向き合って、その結果として紹介していただける関係性を築く。税理士さんや会計士さん、弁護士さんみたいな周りの方との関係づくりも含めて、信頼の輪を広げていくことが大事だと実感しました。
そうやって積み上げていくうちに、結果として営業成績もついてくるようになりました。
---紹介営業で結果を出せるようになった背景には、何があったと思いますか。
福田:やっぱり、一件一件を正々堂々と丁寧に対応したことだと思います。
営業って、目の前の契約だけを見ようと思えば見られる仕事なんですけど、自分はそこだけで終わりたくなかったんです。目の前のお客様とちゃんと向き合う姿勢そのものが、次のご紹介につながる。これはずっと大事にしていました。
派手なやり方ではなかったと思います。
でも、信頼って一気に手に入るものではなくて、少しずつ積み上がっていくものだと思うんです。だからこそ、遠回りに見えても、その積み重ねが最終的には一番強い営業スタイルになるんじゃないかなと思っています。
目先の数字ではなく、信頼が続く組織をつくりたい
---現在は代表として、組織づくりにも向き合われていますよね。
福田:今はまさに、これから会社をどうつくっていくかというフェーズだと思っています。これまで自分の中で積み上げてきた基盤や知見はあるんですが、その上で新しい組織文化をどうつくるか、どんな人たちと一緒にやっていくかがすごく大事だと感じています。
短期的な売上だけを見れば、即戦力を採って結果を追うという考え方もあると思います。
でも、自分が本当にやりたいことはそういった短期的なことではなく、5年後、10年後に本当に強い組織になるために、どんな文化をつくるか、どんな価値観を共有するか、そこにしっかり向き合いたいと思っています。
---代表が考える「強い組織」とは、どんな組織でしょうか。
福田:数字はもちろん大事です。ただ、その数字がどうやってつくられたのかのほうが、もっと大事だと思っています。
信頼を積み上げた結果として数字がついてくるのか、それとも無理をしてつくった数字なのか。その違いは、時間が経つほど大きく出てくると思います。
自分は「売れればいい」とは思っていません。無理に売ったり、相手にとって必要のない提案をしたりしても、結局長くは続かない。信頼されることが先にあって、その先に成果がある。
だからこそ自分は、「長期的に続けられるか」「再現性があるか」「信頼を積み上げられているか」という3つの軸をずっと大事にしてきました。自分はずっとその感覚でやってきましたし、会社としてもそこを大事にしていきたいと思っています。
---これからの仲間に伝えていきたいことは何ですか。
福田:自分がやってきた紹介営業のスタイルを、そのまま表面的に真似してもうまくいかないと思っています。テクニックだけではなくて、その前提にある考え方や姿勢がすごく大事だからです。
具体的には透明性と公平性ですね。
お客さんに対して必要な情報をしっかりと開示すること、そして法律や契約、そして交わした約束に則って正々堂々と営業すること。
これがお客さんに対しての誠実さに繋がると思ってますし、目先の利益だけでなく長期的な関係に繋がると思っています。決して特別なことをするわけではないですが、当たり前のことを当たり前に積み重ねられること。それが最終的には一番強いんではないでしょうか。
だからこそ、これから一緒に働く人にも、営業スキルだけじゃなくて、こういうスタンスの部分を大事にして欲しいです。
一緒に働きたいのは、正々堂々とやり切れる人
---最後に、どんな方と一緒に働きたいかを教えてください。
福田:正々堂々とやり切れる人がいいですね。お客様に対してもそうですし、社内のメンバーや関わる人たちに対しても、ちゃんとまっすぐ向き合える人がいいと思っています。
自分は、ずるいことをする人とは一緒に働きたくないです。短期的にはそれでうまくいくように見えることがあっても、結局どこかで信頼を失いますし、長く続かないと思うので。営業は数字の世界でもありますが、最後は人として信頼されるかどうかだと思っています。そこを大事にできる人と仕事がしたいです。
---すでに売買仲介の経験があって、次の環境を考えている方も多いと思います。そうした方に伝えたいことはありますか。
福田:今の環境である程度結果を出してきた人ほど、「この先どう成長していくか」を考えるタイミングが来ると思います。年収を上げたいとか、もっと裁量を持ちたいとか、将来的に独立したいとか、そういう思いがあるのは自然なことだと思います。
ただ、そのときに「どんな環境なら自分がもっと強くなれるのか」は、しっかり考えたほうがいいと思っています。当然、条件面も大切です。それに加えて、どんな人たちと働くのか、どんな営業スタイルを身につけられるのか、もっと言えば新たな環境を自分でもっと良くしていきたいと思えるかどうか。そこまで含めて選んだほうが、長い目で見たときに大きな差になるはずです。
自分たちの会社も、まだつくっている途中です。だからこそ、完成された組織に乗るというより、一緒につくっていける面白さがあると思っています。自分の知見を広げたい人、営業としてもう一段上にいきたい人、信頼を武器に仕事をしていきたい人には、すごく合う環境なんじゃないかなと思っています。
福田治樹|株式会社ARCREED 代表取締役
医療機器商社で営業を経験したのち、不動産業界へ転身。転職直後には組織とのミスマッチや退職、生活的にも苦しい時期を経験するが、その後入社した不動産ベンチャーで紹介営業を武器に頭角を現す。税理士・会計士・弁護士など士業とのネットワーク構築を強みに、顧客からの信頼を起点にした営業スタイルを確立。独立を経て、現在は株式会社ARCREEDの代表として、組織づくりと事業拡大に取り組んでいる。
“売れる営業”ではなく、“信頼で選ばれる営業”を増やしたい。そんな想いで、これから共に歩む仲間探しを進めている。