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映像業界を、より円滑に。「Vookキャリア」の役割とサービス立ち上げに込めた「想い」とは

映像クリエイターの学び・仕事・繋がりをサポートする株式会社Vookは、映像制作者の人材紹介に特化した新サービス「Vook キャリア」を、2021年10月7日にリリースしました。

昨今企業は、動画プラットフォームを活用した情報発信が多くなり、映像クリエイターの採用市場は拡大しています。一方、キャリアに関する悩みを抱える映像クリエイターも多く、「キャリアに関する相談相手がいない」という声が上がっているのも事実です。

今回は、この「Vook キャリア」の企画、運営の中心を担った宇都宮秀男さん(右)と中塚大佑さん(左)に、「Vook キャリア」に込めた想いを語っていただきました。

宇都宮 秀男(写真右)
Vook 取締役
明治大学卒業後、株式会社インテリジェンスに入社。人材紹介事業部の法人営業に従事。
社員3600人が選ぶ年間MVP賞受賞。後に社内で映像制作事業の立ち上げに関わり、
映像業界で独立・起業。株式会社ナチュラルパラドクス、代表・プロデューサー。
中塚 大佑(写真左)
Vook キャリアマネージャー
上智大学卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。トレーディング業務に従事するもコンテンツ/映像に関わりたいという想いからUUUM株式会社へ転職。YouTubeチャンネル運営を始めSNSのコンテンツの制作、広告販売などに従事。2021年株式会社Vookへジョイン。

「Vook キャリア」が生まれた背景

ーー「Vook キャリア」を立ち上げた理由を教えて下さい。

◆宇都宮:今、企業による情報発信は動画を活用したものが多く、それに伴い映像クリエイターの需要はどんどん高まっています。

というのも、自社のYouTubeチャンネルを開設したり、人材教育に動画を用いるなど、企業活動における映像活用が進んでいます。また、その映像を制作する手段としても、制作会社に依頼するだけでなく、インハウスでの制作を選択する企業が増えており、映像クリエイターが活躍するフィールドが拡がっているように感じています。

そのような背景からか、Vookがお付き合いさせていただいている映像関連の企業から、「良い映像クリエイターを紹介して欲しい」という、お声がけを頂戴することも多いです。

一方、Vookに協力して下さる映像クリエイターの声やVookのユーザーアンケートなどを通じて、多くの映像クリエイターがキャリアに関する課題や悩みを抱えていることが分かりました。

そこで、映像クリエイターを求めている企業と、自身の能力をもっと活かしたいと思っている映像クリエイターを繋ぎ合わせたい、そういう思いから生まれたのが「Vook キャリア」です。

Vook キャリア(https://vook.vc/career

Vookに求められた、映像業界を活気づけるエコサイクル

ーー映像クリエイターにとって、「Vook キャリア」の位置付けはどういったものでしょうか?

◆宇都宮:映像クリエイターにとって、「自分のキャリアをどのように築いていけるか」というのは、大きなテーマかと思います。

これまでは制作会社に入らなければ映像制作をすることが難しい世界でしたが、ここ10年ぐらいで「ビデオグラファー」という言葉が浸透し、誰でも映像を作ることができる世の中になりました。これからも、新しい技術は発表され浸透し、世の中が変わっていきます。そんな中で、映像クリエイターは学び続け、新しい仕事を獲得し続けることが重要になる。学びとキャリアを往来し続けるのではないかと思うのです。

これまでVookは「学び」にフォーカスしたサービスに取り組んで来ましたが、必然的に「キャリア」も考えなければいけないのです。セットで考えなければ、映像クリエイターのためにはなりません。

「学び」と「キャリア」のエコサイクルを生み出す。そういう意味で、「Vook キャリア」には大きな意味があると思っています。

ーーそもそも、なぜ企業は人材事業をしていないVookに映像クリエイターを紹介してほしい、と相談をしてきていたのでしょうか?

◆宇都宮:これまでVookが映像クリエイターをサポートし続けてきたからだと思います。

過去に「ポートフォリオナイト」というイベントを開催していたこともありました。これは企業のプロデューサーさんにクリエイターが自身のポートフォリオを持ってプレゼンして周るというイベントです。すでにVookキャリアの前身となるようなイベントを開催してきたこともあり、企業にとってはVookに人材を紹介する文化があると思われたのかもしれません。

「ポートフォリオナイト」(https://vook.vc/portfolio_night/20201113

◆宇都宮:企業も求人を出していないわけではありません。ですが、どうすれば映像クリエイターが集まるのか分からない状態なのです。映像クリエイターに対する知見が溜まっているVookに対してキャリアサービスの価値を見出してくれている証拠です。

ーーでは、逆に映像クリエイターは具体的にどのような悩みを持っている方が多いのでしょうか?

◆宇都宮:映像クリエイターには、制作会社に所属して活動している方とフリーで活動されている方がいらっしゃいます。皆さんに総じて言えることは、ジャンルの偏りがあることです。

例えばですが、ウェディングの仕事をしている人の場合どうしてもウェディングの依頼ばかり来てしまい、他のジャンルの仕事を得ることは難しく、新しいことに挑戦しようにも当てがないことが多い。自身のステップアップのために、幅広く経験を重ねたいと思っている方にとって、新しい繋がりを作ることは、仕事をする次に大切なことなのです。

◆宇都宮:もう一つが働き方が多様化している中、相談する相手がいないことです。

制作会社に所属している方は、制作会社での働き方しか知らない方が多いです。自身が転職を決めた際に、どこかの企業で正社員として働くなど、他の働き方をイメージすることができません。相談しようにも映像の世界と一般的な企業のキャリアを両方語れる人が都合よく周りにいるわけではないですし、最近副業などの選択肢も出てきてますが、相談できる相手がいないことが多いのです。

ーー同じ映像に携わる仕事をしていても、悩むポイントは違うのですね。

◆宇都宮:そうなのです。Vookキャリアでは、映像制作に関わる人のニーズに答えられるように、幅広いジャンルと、正社員だけではない週何日かでも働けるような業務委託案件など、求められた働き方に答えられる求人を掲載していく方針です。

正社員だけではない働き方は存在しているものの、そこを追求した求人プラットフォームは、まだまだ少ないと思っています。

映像クリエイターが望んでいることというのは、私たちにとってものすごく価値のある情報だと思っています。この情報を持って、私たちが企業と話し合い、企業に理解してもらい、映像クリエイターの望みを叶える新しい求人の形を作っていくことが私たちのやるべきことです。

ーーまさにVookだからこそできる取り組みですね。

◆宇都宮:本当にそう思います。

今までは「学び」にフューチャーしてきましたが、こうして「キャリア」や「働き方」を共に考えていき、さらには「キャリアの積み方」や「生き方」にまで踏み込んでいこうという取り組みはなかったと思います。

ただ企業に映像クリエイターを紹介するような人材サービスではなく、これからの映像クリエイターがこの業界で活躍するために、企業に理解を求め、映像クリエイターに歩み寄っていくサービスだと思います。

「三方良し」を叶えるための、人を繋ぎ合わせるサービス

ーー新規事業としての「Vookキャリア」を立ち上げ、また運営する上でどのようなところが大変ですか?

◆中塚:立ち上げの際、企業からのニーズはすでに求人票として出ていたり、これまでのVookの蓄積があったので比較的短い時間でヒアリングしサービスに盛り込むことができました。

逆に求職者側である映像クリエイターのニーズというのは、実際に映像クリエイターの方と話してみなければ分かりません。職務経歴書だけでは、その方が何を求めているのかは分からないので、手探りでキャッチしなければいけないのが非常に大変なところです。

しかし、これは映像クリエイターのクリエイティブに対する想いを汲み取ることであって、職務経歴書から見ることのできない生の声です。これに耳を傾けるのが、この事業の核となる部分になるのでここのヒアリングを蔑ろにするわけにはいけません。

ーー具体的にどうやって映像クリエイターの想いを汲み取っていくのですか?

◆中塚:私たちは職務経歴書を見ながらその人について考えるというよりも、ポートフォリを見ながら、「あなたが関わったところは?」「この作品に対する想いはどんなことですか?」という、職務経歴書からは見えないクリエイティブに対する想いに耳を傾けます。

その方の持っているスキルを見定めるには、私たちがその作品を見る目を持たなければいけません。キャリアアドバイザーには、これまで多くの作品に触れ、多くの映像クリエイターと対話してきたVook代表の岡本もいます。岡本を筆頭に、キャリアアドバイザーのプロとして、映像クリエイターの悩みを理解し、キャリアについて向き合っていきます。

私が思うに、特に映像クリエイターが特に苦手としているところは「自己評価」です。この業界には、自身の作品にどれだけの価値があるのか評価する手段がないのが、苦手とする原因かもしれません。それと、あまり作品に金額を算出するのが良しとしない風潮もあります。

目に見えないものを、可視化するというのは私たちの大事な役割の一つとなります。

ーーVookキャリアとして、この映像業界を盛り上げていくという想いがあるのかと思いますが、どのような課題感をお持ちですか?

◆中塚:映像業界の一つの課題として考えるべきは労働条件です。一般的な企業と比較し、労働時間が長いなどの労働環境・そして待遇面は変えていくべきです。Vookキャリアに求人を出していただいている企業へは、「変えていかなければいい人材は採用できない」とお話をし、理解をしていただいております。

これまでは業界の慣習的に、長時間働かなければいけなかったり、徹夜をしなければいけない状況はあったかと思います。ですが、私たちは映像クリエイターがしっかりとした生活を送れるようにコミットしなければいけないのです。それが、映像業界を変えていく第一歩に繋がると信じています。

ーーこの業界を変えるべく、工夫されているところはありますか?

◆中塚:VookキャリアではWebメディアも運営しています。主に企業の中の人にフォーカスした記事を掲載しています。軸としてはその方がどういったキャリアを歩んできたのか、その会社がどういう環境を作ることによってクリエイティブが生まれているのか、その土壌をどうやって作り、会社がクリエイターをどう伸ばしていくのかという、企業の取り組みがアピールできる内容となっております。

Vookキャリア 企業インタビュー記事(https://vook.vc/career/articles

◆中塚:キャリアに関する一般的なメディアは企業内のプロジェクトで、成功した人の体験談のようなコンテンツが多いのではないかと思います。Vookキャリアでは、新卒数年目の方に自身が現在どのような役割を持っているのか、求職されている映像クリエイターに近い目線の人に焦点を当てたコンテンツを用意し、映像制作者の皆さんに希望が与えられればと思っております。

新事業立ち上げの苦労と、これからの「Vookキャリア」

ーー会社として新しい事業を立ち上げるのは簡単なことではないと思います。とても苦労されたのではないですか?

◆中塚:正直、強豪の多い分野での立ち上げなので試行錯誤が必要でした。ローンチまで代表の岡本、宇都宮とひたすら壁打ちと試行錯誤を繰り返し、最後の大詰め1ヶ月は非常に大変でしたね。

ーーそこまで厳しいスケジュールの中で、何が活動力になったのですか?

◆中塚:単純に楽しいからです。

もちろん私たちは、ビジネスをする立場でこのサービスを運営していますが、「Vook キャリア」によって企業と求職者の方、どちらからも感謝される機会が増えました。企業からしても、なかなか人材が集まらない中で、映像クリエイターと繋がれることで感謝されますし、求職者の方からしたら大手のエージェントでは手を尽くしてくれなかったところで、私たちが手を差し伸べられたこともあり、今までにないぐらいの感謝がありました。

私たちが扱うのは「キャリア」です。人生に直結する重要な役割なので、とても緊張するのですが、それだけに求職者の方が上手くキャリアップできる瞬間に立ち会うことができるので、その時に感じる喜びは、本当に大きなものになります。

これが企業だけの方を向いたビジネスモデルであれば、上手くいかないのだと思います。企業、求職者、そしてサービスを作った私たち「三方良し」が叶うとき、初めてこの事業が上手くいったと言えると認識しています。

ーーようやく立ち上がった事業。これからいよいよ本格的に推進していくフェーズになると思います。具体的にどういった人と共に、この「Vookキャリア」を育てていきたいですか?

◆中塚:現在、やっと一歩目を踏み出せたと思っています。まだまだローンチから日が浅いこともあり、十分に認知されていません。これから、またステップアップしていくので、大変なことも多いでしょう。

なので「困難を楽しめる」ような方と一緒に働けると良いなと思います。弊社はベンチャー気質なところがあるため、予定外のことが多く発生するのも事実です。そういった時に、どのように対応するか、課題を一つひとつに向き合って壁を乗り越えた際、共に喜ぶことができる方が合っているのかと思います。

逆に、与えられたことに対して、各方面からの指示を待つ方には難しいでしょう。これは弊社だけではなく、どこのベンチャーにも言えることだと思います。

課題に向かって共に、真摯に立ち向かえる方をお待ちしております。

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ここまでお読みいただきありがとうございます。

Vookでは、新たなサービス「Vook キャリア」をリリースしてから、約1ヶ月が経ちました。立ち上げ・運営にあたり、今後もサービスを拡充していく段階です。

ぜひVookの事業に興味がある方がおりましたら、まずはお声がけ下さい。

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