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『FOA』とは~分かりそうで分からないIT用語を解説するコラムvol.2~

こんにちは!インターン生の島根です!今回は前回の記事で触れた『FOA』という記事を紹介していきます。あまり聞かない単語ですが、実は日本で生まれたデータ活用のコンセプトで、日本の製造業がDXを推進するヒントになるのでご紹介させていただきます!

FOAとは

FOAとはFlow Oriented Approachの略で、主に製造現場で活用されます。
製造の現場で生まれる生のデータに、関連のある背景データや説明データを加える事で、編集や分析をした情報を企業内にリアルタイムで配信する仕組みになっています。

背景

従来では製造現場で得られた情報についてデータを分析し、要件を定義した上で業務の改善を行い、各部署に報告をしていました。しかし現代のビジネス環境では、常に現場の環境が変化し続けるため、要件定義をして改善したとしても、スピードが追いつかず経営と現場の解離が発生してしまいます。
その結果、試行錯誤しながら統計分析・AI分析を繰り返してみるものの、時間とコストを掛けたわりには成果に結びつかない。業務の見える化をしたものの、改善にまでは至らない。などのデータの利活用に関する様々な課題や悩みが今もなお存在しています。

特徴

「FOA」のシステムの大きな特徴は、まず「データ」ではなく「データを統合した情報」に着目している点です。
ものづくりの現場には、性質の異なる2つの情報の流れがあります。一つは、商品や製品の設計図面や製品仕様書といった「設計情報」です。もう一つは「事実情報」であり、現場で発生する事象のうち人の行動や思考に影響を与える事象を指します。
例えば、「ある工場でAさんが、Bという製品につかう金属棒を、自動機Cを用いてカットしたが結果として、加工された金属棒は長さ10.02cmになったが、これは良品基準を0.02cmを上回っていたため、不良品となった」といったものが「事実情報」に当たります。
事実情報は、設計情報の良い流れを作るにあたって極めて重要ですが、その情報は「現場のコトバ」を使って共有されています。「現場のコトバ」が、各工場などの現場ごとや、経営陣が追うKPIとズレると、仕事に支障が生まれます。
そこで、無数にある現場のデータを「事実情報」という統一的な枠組みで切り出すアプローチが必要になります。これが「FOA」の概念になります。

何ができるのか

FOAシステムの導入によって、できる事は大きく3つに分けられます。
1.非定型な業務において、多様な気づき・解釈を事実情報から促し、その気づき・解釈を共有しながら、より良い意思決定や素早い行動に生かすことで成果に結びつけることができます。
2.膨大な事実情報を速やかに共有して組織の経営に生かすことで、非定型業務にスピーディーに対応できるようになり、かつ、現場でのミスマッチも解消されるようになります
3.日々変化する環境の中で、変化の影響を局所化することが可能となり、変化に柔軟に対応し易くなります。
これらにより重大事故を未然に防ぐことや潜在不良の早期発見することができるといったリスクヘッジを行うことができます。また、業務の工数削減や、工場の生産性向上にも貢献することができます。

聴き慣れない言葉で難しかったかも知れませんが、今後「FOA」は日本の製造業界のDXを推進していくヒントに間違いなくなっていきます。弊社では「FOA」を扱ったプロジェクトなども行っています。
もし興味を持った方は是非一度お話ししましょう!

参考資料:
FOAとは
FOA | IT用語辞典
日本発のものづくりIoTは、現場から学び、現場を改革する~IoTに革命を起こす「FOA」とは~

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